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目が醒めたのは、どれくらい後のことだったろう。
意識を失ってすぐみたいな気もしたし……。
すごく時間が経ったみたいな気もした。
わたしがいたのは、階段を上りきったとこ。
あの2人の姿は見えなかった。
校舎は、しんと静まり返ってた。
2階の廊下にも、大きな窓が続いててね……。
そこから射しこむ午後の光が、床板を暖めてた。
光がさらさらと降り積もる音が、聞こえてくるみたいだった。
「え?」
わたしは、ほんとに音を聞いたみたいに思って、耳を澄ませた。
でもそれは、人の声だった。
もちろん、あの2人の声。
声は、光の射しこむ窓の向かい側、教室の中から聞こえてきた。
2人に置いて行かれたんじゃないかって思ってたけど……。
そうじゃなかった。
2人は、まだいたんだ。
わたしは、声のする教室に向かった。
真っ直ぐ歩いてるつもりなのに、脚元が定まらない。
夢の中を歩いてるみたいだった。
見下ろす両脚は、付け根まで剥きだし。
スカート穿いてないんだから……。
さっきまでの出来事は、夢じゃないはず。
でも、交互に歩んでいく両脚を見下ろしながら……。
自分の脚じゃないように思えた。
やっぱり、半分夢を見てたのかな。
実はね。
それからの記憶は、はっきりと時系列が繋がってないんだ。
水に浮かぶ泡みたいに、ところどころ顔を出す感じ。
2人の声は、だんだん大きくなってくる。
もちろん、わたしの方が近づいてるからだけど。
教室の扉は、開け放たれてた。
目に飛びこんで来たのは、大きな窓。
木桟で区切られたガラスが、一面の天井までを覆ってた。
窓の外には、裏山の緑がのしかかるように見えた。
窓の上下は3段になってるんだけど、一番下の段だけ、磨りガラスなの。
あれはたぶん、授業中に窓の外が見えないようにしてるんだね。
だって、あんなに山が近くに見えたら、気が散っちゃうもの。
外は晴れてたけど……。
陽の光は、窓から射しこんでなかった。
たぶん、そういう方角になるように、教室が設計されてたんだと思う。
天井まである窓から陽が射しこんだら、授業にならないもんね。
その窓硝子を背に、あけみちゃんは立ってた。
でも、窓に背中を付けてたわけじゃないの。
窓の前に、木製の教卓が置いてあったんだ。
そこにお尻を凭れるようしにて立ってた。
ヘンよね?
なんで、窓に向いて教卓があるんだろう。
で、黒板の方を見ると……。
そこにも、ちゃんと教卓があるのよ。
どちらの教卓の上にも、ガラスの花瓶に花が生けられてた。
まるで、先生が2人いるみたい。
でも、一人の先生は、窓の外に向かって授業をしてる。
きっとさ……。
その先生の授業は、夜にあるんだよ。
で、窓の外には、この世のものでない生徒が集まってる。
なんてね。
もちろん、これは冗談だけど。
でも、いろんな想像をかき立てられる、不思議な教室だった。
生徒の机だって、整然と並んでないんだ。
てんでんばらばらに散らばってた。
テレビで、山の分校みたいな教室が映されることがあるでしょ。
複式学級みたいな。
あんな雰囲気だね。
で、あけみちゃんだけど……。
窓に面した教卓にお尻を預け、少し前かがみで立ってる。
あられもない姿で。
下半身は、もちろん裸のまま。
でも、もう股間に縄は渡ってなかった。
両股は内股気味に閉じてるから、性器までは見えないけど……。
縦長に整えられた陰毛は、はっきりと見てとれた。
上半身は、上着を着てなかった。
ブラウスだけ。
ボタンはすべて外され、前身ごろが大きく開いてる。
ブラが、胸下に引きおろされてて……。
乳房が丸見えだった。
その乳房を、上下の縄が潰してた。
上着を脱がせて、また縛りなおしたってことだよね。
その縛った主は、背中を見せて立ってた。
もちろん、ともみさん。
ともみさんの格好は、さっきと変わらない。
スクールベストまできっちりと着け……。
タータンチェックのスカートも、ちゃんと穿いてる。
もっとも、その下はノーパンだったろうけど。
「どうしたの?
そんな前かがみになって」
ともみさんの声。
でも、あけみちゃんが、腰を折るように屈んでるのは、無理も無いのよ。
ともみさんは、長い定規を持ってた。
厚いプラスチックの、透明な定規。
50センチくらい測れそうな大きさだった。
その定規の先が、あけみちゃんの股間に届いてるの。
「あぅぅ」
あけみちゃんのうめき声があがった。
厚い定規が撓んでた。
股間にあてられた先っぽには、大きな力がかかってるはず。
「あふぅ」
「イヤらしい子ね。
そんな顔して」
あけみちゃんは眉を歪めてた。
でも、それが苦痛を訴える顔じゃないことは、遠目からもわかった。
閉じた内腿を、しきりに摺り合わせてる。
きっと内腿には、膣液が伝ってたんじゃないかな。
「あけみがイヤらしー子だってことは、誰が見たってわかるんだよ。
このおっぱい見たらね」
ともみさんの定規が持ち上がり、あけみちゃんの乳房を小突いた。
「ひぎっ」
あけみちゃんの身体が、スタンガンを当てられたように跳ねた。
閉じられてた両腿が、左右に離れた。
ナメクジの這ったような跡が、内腿に光って見えた。
「ほら、これ」
「あぁっ、あぁっ」
ともみさんの言うことは、よくわかった。
乳首が、ビンビンに起ってるの。
綺麗な肉色の乳首なんだけど……。
乳輪ごと持ち上がってた。
「ひぃぃぃ」
食い縛った唇を割り、あけみちゃんの声が漏れた。
定規の先が左右に振れ、乳首を嬲ってた。
あけみちゃんは、懸命に内腿を擦り合わせてる。
「定規でイクつもり?」
「指で……。
指で触ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「ダメー。
定規でイキなさい」
定規は乳首を離れ、宙に持あがった。
その軌跡を、あけみちゃんの目線が縋るように追った。
目線を振り切るように、定規が、タクトの軌跡を描いて振りおろされた。
パーン。
森に響く銃声みたいに聞こえた。
「あぎゃっ」
定規の先が、あけみちゃんの乳首を潰してた。
あけみちゃんの顎が落ち、洞穴みたいな口蓋が覗いた。
両目は大きく見開いてる。
瞳が、上目蓋に半分隠れるほどせり上がってた。
「ほんとにイッちゃった?」
あけみちゃんが、細かくうなずいたように見えた。
でもそれは、ともみさんの問いに答えたわけじゃないみたい。
あけみちゃんの上体が、大きく前傾した。
口の端から、涎の糸が床まで伸びた。
第十七話へ続く
文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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