「『はが』
脇の下を滑ってた亀頭も暴発した。
鈴穴のように膨れた射出口から、白濁液が噴き出す。
真っ白い鞭が、理事長の顔面を袈裟懸けに叩く。
もう一方からも。
理事長の顔に、真っ白な“×”印が貼り付いた。
『おぉぉぉぉぉ』
最後は、口に突っこんでた男性だった。
狂ったように腰を使い、理事長の食道を犯す。
『がっ』
暴発。
撃ちこまれた大量の精液で、喉奥の吐瀉物が膨れ上がる。
息が……。
出来ない。
目一杯見開いた視界が……。
霞む。
『ぶふ』
最後の鼻汁を噴き出し、理事長の瞳が裏返る。
肛門のちんぽを押し出し、糞便がほとばしる。
男性は、ひとりひとり姿を消し……。
残ったのは、理事長の亡骸。
立ち昇る湯気の中……。
全身に精液を浴び、大の字に横たわる。
そのまま腐っていけたら、どんなにいいでしょうね。
ね、理事長?」
傍らにしゃがんだ先生は、理事長の顔を覗きこんだ。
理事長は、身を捩りながら顔をもたげた。
顔にまつわる黒髪の下で、懸命に目を開き、先生を見上げる。
「どうして……。
どうして、こんな……」
「わからないんでしょうね。
でも、理事長。
ここまでされなきゃならないことを……。
あなたは、わたしになさったのよ」
「あの、先生」
「なに?」
「おトイレ、行っていいですか?」
「さっき出ないって言ってたじゃない」
「すみません」
わたしは、内腿を擦り合わせた。
水に濡れた理事長を見てたら、急に催して来た。
下腹を触ると、パンパンに膨れてる。
「廊下に出たって、トイレなんて無いわよ」
「え?」
「このエリアは、プライベートスペースなんだから。
もちろん、この部屋には作られる予定だったでしょうけど……。
残念ながら、その前に工事中止ってことね。
1階のホールなら、あるわよ。
降りてく?」
隣の理事長室には、あるはず。
そう思ったけど、理事長室のトイレを使いたいとは、言い出せなかった。
わたしは、脱ぎ落としたスカートを目で探した。
ホールのトイレに行くつもりだった。
「ダメよ。
下に行くんなら、その格好のまま」
わたしを見上げる先生の瞳には、小さな悪意が浮いてるように見えた。
「誰が来るか、わからないわよ。
下半身丸出しでいるとこ見つかったら……。
どうなるかしら?」
自分の唇が、への字に歪むのがわかった。
ほとんど泣き顔だ。
先生の顔では、逆に口角が吊りあがってた。
からかい半分で言い出したことが……。
今はもう本気になってる。
そんな顔だった。
「おトイレなら、そこにあるじゃない。
ほら、してごらんなさい。
わたしが、さっきしたみたいに」
先生は、床の水槽を指さした。
さっきまで波立ってた水面は、すっかり静まってる。
その水面を、おしっこが乱す大きな音まで聞こえた気がして、わたしは頭を振った。
「出来ないの?
意外とお嬢様ね。
でも、いまさら水槽にしても、面白くもないか……。
どうしようかな……。
あら?
理事長、鳥肌が立ってますよ。
肌も冷たい。
床が濡れてるせいね」
「お願い……。
わたしも、おトイレに行かせて」
「あらあら、すっかり冷えちゃいました?
でも、それが無理な相談であることは……。
お分かりになりますよね。
だって、縄を解かなきゃいけないんですもの。
美里、こっちに来なさい。
ほら、理事長、寒そうでしょ。
温めてあげなくちゃ。
何してるの?
ここでするのよ。
おしっこ。
冷えた理事長の体に」
出来っこない。
わたしは、心で悲鳴を上げ、飛び退ろうとした。
その腕を、先生に掴まれた。
思いがけないほど強い力だった。
二の腕に、先生の指先が食いこんでる。
音楽の授業での、力強いピアノタッチが耳に蘇った。
「ほら!」
腕を引かれ、バランスを崩した。
足を送ろうとした下には、理事長の体があった。
わたしの片脚は、かろうじて理事長を跨ぎ越した。
「ほほ。
ちょうどいいスタイルになったじゃない。
ほら、そのまましなさいって」
もう片一歩送って、理事長の上から身をどかそうとしたけど……。
先生の腕が、わたしの肩を押さえこんだ。
「しなさい」
出来っこない。
首を振った刹那、腕を掴んでた先生の指が体側を滑り降り、下腹部に移った。
「あっ」
お腹の上から、思い切り押された。
フォルテシモで。
指の背まで、お腹に埋もれた。
「あぁ」
雫が零れた。
慌てて尿道を締めようとしたけど……。
もう、意思での制御は出来なかった。
雫は、たちまち水流と化し、理事長を叩き始める。
両肩にのしかかられ、身動きが出来ない。
「もっと上!
顔にかけるのよ」
引いた腰が、後ろから押し返される。
背中に密着した先生が、腰をぶつけてきたの。
「ほら」
パン!
音高く肉が鳴った。
先生の腰が、わたしのお尻を打つ音。
「ほらほら」
パンパン!
湿った連発音が、音符を撒き散らす。
「あ、あ、あ」
止まらないおしっこの軌道が、生き物めいて踊り出す。
中空で投げ縄みたいに姿を変えながら、理事長の顔面に飛びこんでいく。
理事長は懸命に避けようとしてたけど、予測出来ない軌跡は、あざ笑うように逃げる顔を打った。
パンパンパンパン!
「あぁ、気持ちいいわぁ。
男の気持ちがわかる。
バックからやるのって、肉体的な気持ちよさよりも……。
きっと、精神的な歓びがあるのよね。
雌を征服した牡の、咆哮のように噴きあげる歓喜。
競争を勝ち抜き、自らの子孫をこの大地に残せる昂まり。
まさしく、ファンファーレのように聞こえるはず。
この音がね」
パンパンパンパンパンパンパンパンパン!
「あぁ。
ちんぽが欲しい。
このお尻の奥に突っこむちんぽが!」
先生の腰が速度を増し、わたしの全身はストップモーションのように踊り出す。
「あぁっ」
背中に先生が被さって来た。
キツく抱きしめられて、先生の息を首筋に感じた。
おしっこは、もう止まってる。
「あぁ……。
軽くイっちゃった。
イケるのね。
精神的な興奮だけで。
起きたままの夢精って感じか」
背中の重みが消えた。
先生は、わたしから身を離し、理事長の顔の脇に立った。
「びしょびしょ。
でもこれじゃ、水滴かおしっこか、わからないわね。
理事長、温まりました?」
「お願い……。
おトイレに行かせて」
「いまさら、それはないでしょ。
おしっこまみれのくせに。
でも、両脚が束ねられてたら……。
しにくいですよね。
じゃ、脚だけ解いてあげるから」
あけみ先生は、理事長の足元に移ると、しゃがみこんだ。
手際の良い指先が、脚の縄を解いていく。
わたしは、跨いでた理事長の上から身をどかせた。
「ダメよ、降りて来ちゃ。
脚の縄解いたら、動けるようになっちゃうんだから。
お腹の上に座って。
脚の方向いて。
そう。
ちゃんとお尻を落とす」
わたしは、背中の下で戒められた腕を潰さないように、お臍の上に腰を降ろした。
「もう脚、開けますわよ」
でも、理事長の両脚は、束ねられたまま開こうとしなかった。
むしろ、身を揉むように擦り合わされた。
「ほら、そんなになってるのに我慢したら、体に悪いですわよ」
「お願い、どいて!」
わたしは、思わず腰を浮かせかけた。
理事長の身体が、アーチのように持ち上がる。
「押さえて」
慌てて理事長のお腹に、両手をあてがった。
アーチは、あっけなく潰れた。
「そう。
両手はそのまま。
身体を倒して、体重かけてごらん。
お腹を押すのよ。
ほら、魚の浮き袋みたいにパンパンに膨れてるとこ」
「あぁっ。
ダメ!
お願い。
あっ。
あぁぁぁぁぁ」
本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「結」 「岩城あけみ」
《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週金曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
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