「わがままな先生ね。
わたしは、まぁくんと違って……。
便利な奴隷じゃありませんの。
この場を支配するのは、あくまでわたし。
今日は……。
徹底的に焦らしの刑」
「いやぁぁぁ」
「あら、泣いちゃった。
ふふ。
ほんと、苛め甲斐があるわ。
どうしたの、山下さん?
真後ろから、ガン見しちゃって。
イヤらしいでしょ。
これが、発情した雌のおまんこよ。
真冬なら、湯気が立つでしょうね。
しかし、どうかしら、この下半身のボリューム。
素晴らしい豚さんだわ。
真っ白いお肉の、食べごろの雌豚さん。
そうだ。
豚さんには……。
お肉屋さんの貯蔵庫みたいに、ぶら下がってもらいましょうか。
みんな、いい?
もう一度、ロープ引っ張って。
はい、何人か加勢。
せーの。
オーエス、オーエス。
ほら、浮いた浮いた」
「怖いぃ」
「暴れないでよ。
ロープが切れたら、顔から落ちるんだから。
そこの人たち、こっち来て。
机、片付けて。
宙に浮いちゃった豚さんには、もうベッドは必要ないから。
どう、川上先生。
ご気分は?」
「助けて助けて」
「机を外したら、いっそう高く見えるでしょ。
ちょっとだけ、ぶらーんぶらーん、してみましょうか。
ほーら」
「ひぃぃ。
止めてぇぇぇ」
「なんだか、ロープが危なそうだわ。
ピキピキ鳴ってる。
先生、落ちちゃうかも?」
「あわわわわ」
「しかし、スゴい格好よ。
まぁくん呼んで、突っこんでもらいましょうか?
この格好でセックスした人って、世界で初めてかも。
バイブでもいいか。
やってみる?
どうしたの、山下さん?
え?
ロープが、ブチブチ言ってる?
あ、ほんとだ。
川上先生!
危ない!
あぁっ」
「おぉっと。
また、妄想にのめり込んじゃってた。
でも、川上先生良かったわ。
落っこちたのが、わたしの妄想の中で。
もし本当だったら、その綺麗なお顔が潰れちゃってたもの。
ね?
ふふ。
ほんとにやってあげようか?
逆さ吊り。
ここに、加勢してくれる生徒たちはいないけど……。
双子のウィンチという、強い味方がいるんだもの。
どう?」
「岩城先生、ほんとに助けて」
「乳首おっ起てながら、よく言うわ。
わたしの妄想聞いて、興奮したんでしょ?
ほんとに、全裸授業、やってみる?
なんとか言いなさいって。
乳首、捻ってあげるから。
ほら」
「ぎぇぇぇ」
「あら、いい声。
萌えてきちゃうわ。
あの張り型付けて、突っこみたくなっちゃう。
さ、言いなさい。
あの女王さまは、誰なの?」
「知らない。
ほんとに知らない人なの!」
「まだ言うか。
じゃ、その声で助けを呼びなさいよ。
あの女王さまに。
助けに来てって」
「岩城先生!
ほんとのことなの」
「あら、理事長。
お目覚めでしたの?
じゃ、もう一度だけ、聞いてあげようかしら」
あけみ先生は、川上先生を突き放すと、理事長の横たわる畳に向き直った。
ゆっくりと歩み寄っていく。
わざとお尻を振りながら。
裸電球の作る陰影が、尻たぶで踊ってた。
「ひとりぼっちにして、ごめんなさいね。
こんな格好じゃ、オナニーも出来ませんものね。
それじゃ、最後のチャンスよ。
あの女王様は、誰なの?
おっしゃい!」
「知らないって言ってるでしょ!」
「あら。
そんな口を利くわけ?
ご自分の立場が、わかってらっしゃらないようね。
そういう悪い子の乳首は、捻りあげてあげます。
ぎぅぅぅぅ」
「いぃぃ」
「ほーら。
どんな偉そうな口利いたって、こうされただけで雌に成りさがる。
いいんでしょ?
好きなんでしょ?
こんなふうに苛められるのが。
どうなのよ!」
「痛い痛い痛い」
「蝋燭はもっと痛かったでしょうに。
女王様は、どうしたら来てくれるの?
電話で呼ぶの?
わたしがダイヤルしてあげるから、番号言いなさい。
ほら。
下も弄ってあげるから。
ふふ。
下のお口は、こーんなに正直。
身動きできなくされて弄られるの、大好きですって言ってるわよ。
ヤラしい音立てちゃって。
くちゅくちゅ言ってる。
いいでしょ?
ここが、いいんでしょ?」
理事長は、腹筋を浮き上がらせた。
尻たぶの窪みが、深い翳を孕む。
眉根に皺を寄せ、歯を食いしばってる。
「こんなにクリ、おっ起たせて、まだ気取ってるつもり?
潰してあげるわ」
「あひっ」
理事長の唇が割れた。
崩れた表情は、もう快感を隠せてなかった。
「ひぃぃぃぃ。
あかっ。
あかかかかか」
「イキそう?
もうイキそうなの?」
理事長は、子供みたいにうなずいた。
泣きそうな顔で、何度も。
何度も。
「イカせてあげない」
あけみ先生が、理事長の股間から手を離した。
虚空に上がった指は、電球の明かりを返して光ってた。
「あぁぁ。
意地悪しないでぇ」
理事長は、腰をうねらせた。
あけみ先生の指を慕うように、腰が持ちあがる。
あけみ先生は、テラテラと光る指を、唇に含んだ。
「イヤらしい味。
こんなに濡らして。
変態」
「もうちょっとなの。
もうちょっとでイケるから……。
お願い。
続けてぇぇ」
「恥知らず。
弄って欲しかったら、女王さまを呼びなさいって」
「こちらから呼び出すわけじゃないのよ。
突然、現れるの。
2人で……。
ゆうちゃんと2人でいるときに限って」
「今も2人いるじゃないの」
「2人で、愛し合ってるとき」
「愛し合ってる?
は。
教育者は、相変わらず綺麗事がお好きね。
早い話、2人でサカってるときってことね。
べちょべちょのまんこを、擦り合ってるときでしょ。
イヤらしい音立てて。
こんなふうに?」
あけみ先生の手が、理事長の股間に舞い戻った。
「はぅ」
あけみ先生の二の腕が、細かく振れ始めた。
「あひぃ」
理事長の腰がうねり、背中がアーチを作った。
「どう?
お味はいかが?
ピアニストの指は、病みつきになるわよ。
それ、フォルテシモ」
理事長の首が、自らの股間を覗きこむまで起きあがった。
眉が、阿修羅像のように吊りあがってた。
口は、一文字に結んでる。
眼球が、引きあげられた深海魚みたいに突出した。
自らの最期を見届けようとしてるようだった。
「ぶぶぶぶぶぶぶ」
理事長の唇が、アヒルの形に突き出て、ぶるぶると震え始めた。
唇の端からは、涎が噴きこぼれてる。
見開いた両目は、あけみ先生の手元を睨んでる。
「がっ」
張り詰めてた理事長の顔が、突然弾けた。
爆風が、表情を吹き飛ばしたみたいだった。
顎が外れたようにぶら下がった。
口蓋の中で、舌だけが転がり動いてる。
目は見開いたままだったけど……。
綺麗な紡錘形の窓の中には、瞳が無かった。
真っ白な双眸が、自らの股間を睨んでる。
「はがぁ」
理事長の頭が、大見得を切るように揺れ……。
そのまま、真後ろに落ちた。
「呆れた女。
怒った顔してイッちゃったわ。
イキそうな表情すると、また止められるとでも思ったのかしら。
浅ましさもここに極まれりって感じだけど……。
ちょっと可哀想になっちゃうわね。
さてと。
ともみさんは、2人一緒のときにだけ現れるって言ってたわよね。
にわかには信じられないけど。
でも、せっかく2人揃ってるんだから……。
試してみる価値はあるわ。
美里も会いたいでしょ?
ともみさんに。
それじゃ、お望みどおり……。
2人一緒にしてあげましょうか。
場面転換よ」
起ちあがったあけみ先生は、理事長に背を向けかけて動きを止めた。
再び理事長に向き直る。
「脚が、ちょっと鬱血してるみたいね。
あんまり力入れてイクからよ。
縄が食いこんじゃってる」
あけみ先生は、理事長の足元にしゃがみこみ、縄を解き始めた。
「ほーら、楽になった。
脚、伸ばしてあげましょうね。
いい子いい子。
お人形さんみたい。
壊れたお人形さんだけど。
目が真っ白で。
ここで、しばらくおネンネしててね」
本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「川上ゆう」 「結」 「岩城あけみ」
《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週日曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。