「形のいいお鼻で、うらやましいわ。
でも、息が出来ないでしょ?
どうします?
このまま死んじゃう?」
理事長の顔に、曙のように朱が差した。
「あふ」
理事長の口が、わずかに割れた。
歯間をうかがってたバイブは、その瞬間を逃さなかった。
「あが」
バイブの先端が、城郭を割った。
「ほほ。
咥えた咥えた。
どう?
美味しい?
もっと、口いっぱいに頬張っていいのよ」
「はぐぐ」
理事長の前歯が、バイブに食いこむほど噛み締められた。
「スゴいスゴい。
生身のちんちんだったら、千切れてるわ。
だから……。
強姦もののAVでイラマさせるなんて、非現実的なのよね。
女の顎が閉じたら……。
ヤワな海綿体なんて、タラコみたいに食いちぎられるに決まってるもの。
でも、このバイブくんは……。
痛みを感じないんですね。
ほら、もっと咥えてって」
「ぎぎぎ」
「強情な女。
ま、いいわ」
あけみ先生は、理事長の鼻から手を離し、床のクリップを拾い直した。
「さーて。
さんざん悪態をついてくれた罰を受けてもらうわ。
このクリップで、生意気な舌を挟んであげる。
ほら、あーん。
あ、舌引っこめた。
ほんと、素直じゃないんだから」
「岩城先生、お願いだから止めて」
「今ごろ何言ってるの。
あなたがちゃんとセリフ言わないから、理事長がこんな目に遭ってるのよ」
「言います。
言いますから」
「もう遅いわ。
オーディションは、とっくの昔に終了しました。
ほら理事長、舌出して」
「ふふ。
可愛いベロちゃん。
暗闇に隠れようったって、そうはいかないわよ。
このバイブね……。
光るのよ。
どこのアホがこんな仕掛け、思いつくのかしらね。
光ってどうすんだって感じよね。
それが、こんなときに役立つとは……。
発明者でも、気がつくめい。
ほーら、スイッチオン。
綺麗綺麗。
ベロちゃん、もう逃げも隠れも出来ませんよ」
あけみ先生は、クリップを理事長の口に挿し入れた。
理事長の痛みを想像すると、お尻の穴が絞られるようだった。
あけみ先生は、アルカイックな微笑みを湛えたまま、指先を微妙に動かしてる。
いかにも器用そうな手つきだった。
その手先が、針を突くような仕草で動いた。
「はぎ」
理事長の表情が歪み、全身が跳ねた。
銛に突かれた魚みたいだった。
「ほーら、釣れた」
あけみ先生は、クリップのチェーンを真上に引いた。
チェーンは真っ直ぐに張り、光を返して輝いた。
「ふふ。
引いてる引いてる。
ほら、美里。
見えるでしょ?
わたしの獲物」
クリップがバイブに触れて、カチカチと鳴った。
クリップの先に挟まれた、生々しい肉色が覗いた。
舌が、歯間を抜けて来た。
「理事長。
今、バイブ抜いてあげますからね。
でも……。
間違っても、クリップを歯で外そうなんて考えないで。
このクリップ、かなり強力だから……。
無理に引っ張ると、舌の縁が切れちゃうかも。
舌なんか止血のしようがないんだから、血が止まらなくなりますよ。
いいですね。
それじゃ、バイブ外します」
あけみ先生が、バイブを引き上げると……。
理事長の顔が、一緒に上がった。
理事長の歯が、バイブを噛み締めてたのね。
たぶん、舌の痛みがそうさせたんだと思う。
「そんなに気に入ったの?
でも、これはおあずけ。
ほら、離しなさいって」
あけみ先生は、釘抜きを使うように、バイブを捏ねた。
「がっ」
理事長の口から、バイブが外れた。
「ほら、スゴい。
こんなに歯型が付いてる。
生身の男だったら、間違いなく千切れてたわね。
ほら、もっと舌出して」
あけみ先生は、チェーンを小刻みに引いた。
理事長の顔が、大きく歪んだ。
背中が、アーチを描いて持ちあがる。
「岩城先生!
お願い。
お願い、助けてあげて!」
「痛そうよね。
それじゃ、仲の良いお2人には……。
痛みを分かち合っていただきましょうか。
この反対側のクリップを……。
やっぱり、この乳首よね。
見事なとんがり乳首。
ここに繋げてあげましょう。
ほら、川上先生」
川上先生は、胸元に近づいたクリップを避けるように身を反らした。
「あら。
そんなことしていいの?
言ってることと違いますわよ。
いい?
このチェーンは短いの。
あなたが身を反らせたら……。
理事長の舌がよけいに引っ張られることになるのよ。
ほら、身体を倒して。
さもないと……」
あけみ先生は、手元のチェーンを引いた。
「はがっはがっ」
理事長が全身で跳ねた。
「止めて止めて!」
川上先生が、懸命に身体を前に倒した。
「そうそう。
それでこそ“愛他の女神”よ。
じゃ、お望みどおり……。
挟んであげる」
クリップの口が、煌めくように開いた。
「えい」
その口が再び閉じたとき、狭間には肉色の突起が挟まれてた。
「痛いっ。
痛い痛い痛い」
「暴れると、理事長の舌が千切れるわよ。
そしたら、あなたが殺人者だからね」
川上先生は、額に阿修羅みたいな皺を波立たせながら、懸命に身を折った。
理事長の舌を引っ張らないようにしたんだろう。
その心根を思うと、わたしの胸も切なく痛んだ。
「美里、どうしたの?
そんな顔して。
なんか……。
鬼でも見る目ね。
助けてほしい?
そんなら、あんたが身代わりになる?」
もちろん、首を縦には振れなかった。
「あなたは、わたしの助手なんだからね。
立派な共犯者。
それを忘れないでちょうだい」
あけみ先生に決めつけられ、わたしは俯くしかなかった。
「でも、改めて見ると、スゴいオブジェが出来ちゃったわよね。
もし、全裸の男をここに放りこんだら、どうするかしら?
って、やることはひとつよね。
まずは、そうね……。
川上先生かな。
腰を落として、立ったままの正常位。
大きなお尻を抱えながら、狂ったように腰を振るわね。
あっという間に追い詰められる。
でも、必死に断崖で踏みとどまるわ。
だって、おまんこはもうひとつあるんだもの。
男は、川上先生の中から、ゆっくりとちんぽを抜いていく。
テラテラと光る肉茎には、練られて白濁した膣液が網目を描いてる。
亀頭まで抜けたちんぽは、反動を付けて跳ねあがり、腹筋を叩く。
男は、ゆっくりと理事長の足元に回りこむ。
天を指して怒張するちんぽを、片手で押し下げる。
切っ先からは、先走り汁が、糸を引いて下がってる。
もう限界。
そのまま膝を付いて、にじり寄ると……。
理事長のツルツルまんこに、思い切り突っこむ。
2,3度腰を振っただけで、男は喉も裂けよと絶叫する。
『出る!
出る!』
男は、煽った腰をぶつけたまま凝固する。
尻たぶが激しく収縮し……。
毒液が、理事長の膣深くぶち撒けられる。
男は、濡れ犬のように身を震わせると、そのまま仰向けに転がる。
でも、ちんぽはまだ、理事長のまんこに突っこまれたまま。
2人は尻を合わせて、仰向けに繋がってるの。
白目を剥いた男が、断末魔のように痙攣すると……。
ようやくちんぽが抜けた。
射出口に残る精液が跳ね、投げ縄の軌跡を宙に描く。
まだ硬度を保ったちんぽは、男の腹筋を叩いて鎮まった。
亀頭には、名残の精液が珠を結んでる。
その雫が、落ちると同時に……。
理事長のまんこから、放出された精液が溢れ出す。
栗の花の香りを噴きあげながら……。
白い泥流が、理事長の尻の穴を埋め尽くしていく。
はは。
また、妄想モードに入っちゃったね。
でも、理事長。
ほんとに、その格好で犯されてみたくないですか?
って、聞いたって、返事は出来ないか。
口も利けないし、首も振れないものね。
でも、ほら。
柱のちんちんが、理事長のまんこ、睨んでますよ。
突っこみたいって。
内臓を掻き回したいって。
どう?
味見してみる?
嫌なの?
どうなのよ!
あ、お返事出来なかったんだっけ。
じゃ、わたしが勝手に解釈するしかないわね」
本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「川上ゆう」 「結」 「岩城あけみ」
《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週日曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。