食虫花 ~美少女・内山遙~2


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第二話【教え子】

遥は、同級生達に混じっても人目を引く、いわゆる美少女であった。林田が、それまで標的にしてきた少女達と違い、性格も明るく闊達だったので、男子に限らず女子からの人気も高い。彼が更衣室を盗撮した映像の一つに、彼女と友人の会話が映り込んでいた。どうやら、大学生と交際しているらしい。今年二年生となったが、確かに周囲の男子生徒では、明らかに不釣合いを思わせる。加えて、幾分身長が高い事もあり、一見して大人びた雰囲気を持つ女生徒であった。
成績は、頑張ればあと一伸び、二伸びあるように思われる。聡明で勘の鋭い生徒でもあったので、この学校に赴任して間もないクラス担任の、歪な色欲を見抜くのも早かった。新学期が始まり、遙らの担任を受け持つ前。欠員が出ていたとは言え、年度替りを待たない不自然な時期の転任に、疑問を持った。どこからか、前の学校での不祥事を聞きつけ、「あのエロ教師には気をつけよう」と、同級生達に警戒を促したのも彼女である。

その結果、次第に担任教師を見る教え子の目が厳しく、冷めたものになっていく。女生徒達は露骨に彼を避け始める。男どもは、それをニヤニヤと傍観した。
その学校で問題を起こしても、次の学校へ転任すれば、それまでの悪行はリセットされる。しかし、今度のクラスはそうはならなかった。これまでとは違う展開。
“仕事”に支障が出る。何より好物の青い果実に、触れる事も許されない。その不測に林田は飢渇、焦燥する。そして原因が遙にあると知り、憤慨し、理不尽にも報復の対象とした。

しかし、男が専らとした孤独な少女達とは違い、彼女の周りには常に友人がひしめいている。親との関係も良好らしい。一度押し倒してしまえば、同様のマインド・コントロールを出来るようにも思えたが、その恵まれた交友関係を考えると、手荒な行動に出るのは慎重にならざるを得なかった。また、獲物となる遙自身が、捕食者の存在に気づき、敵意を以って警戒している中では、罠を仕込み、じっくりと堕とし込んで行く事も、困難に思われる。イライラは募っていった。

彼は“仕事”の成果として、女子更衣室の盗撮画像を自宅に持ち帰り、映った生徒達の着替えを見ながら夢想する。今日はアイツ、明日はコイツといった具合に、教え子達を順番に強姦していくのだ。しばらく味わっていない、少女の未成熟な、まだ硬い果肉を想いながら手淫に耽った。
中でも特に、遙の写った回はご満悦あった。不名誉な“エロ教師”のレッテルを貼り、女生徒との軽いスキンシップも間々ならなくした、林田にとっての害悪。しかし同時に、最高に活きの良い上玉でもあった。喰えばさぞかし旨かろう。是非、味わってみたいものだ。
強烈に狩猟本能を擽り、彼独特の嗜好を刺激する。鼻持ちならない正義を振りかざし、恐れ多くも、教師様に歯向かう女生徒なのだ。きつくお仕置きせねばなるまい。
全裸にした遙を縛り上げ、吊るし、罵倒し、折檻し、凌辱の限りを尽くす。許しを請い、恐怖と羞恥に震えながら、あの教え子はどんな啼き声を聞かせてくれるだろう。大嫌いな教師に屈服させられる、生意気な生徒の無念。それを想像するだけで、歳に似合わぬ大量の白濁を何度も射精した。

もちろん口止めも大切だ。じっくり性奴隷へと調教せねばならない。
芯の強い生徒であるので、心から服従させるにはそれなりに手間は掛かるだろう。だが、その方法を考える作業もまた、この男を興奮させるには充分なものだ。切欠となるような、何か彼女の弱みになる材料が映りこんでいないか。何度も見返しながら、まさに犯罪計画を練るように、丹念にシミュレートするのが楽しみであり、赴任して早々に動きを封じられた、彼なりのウサ晴らしだった。
奴を良く知るまでは焦るな。いずれ仕掛け時はやってくる。その思いがこの学校での彼の犯罪を、いまだ盗撮程度に留めている。荒ぶる淫獣を妄想世界に閉じ込め、さらに踏み込んだ行動を自重させていた。

その盗撮が生徒に、よりによって対象者、内山遙に。
見られた。いや、見られたかもしれない。

第三話へ続く

文章 やみげん
写真 杉浦則夫
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