本作品のモデル「岩城あけみ」の緊縛画像作品はこちらからご購入可能です。
「このカメラはね……。
少しだけ、被写体の魂を吸い取るの。
それが印画紙に写るから、こんな感じの写真になるのね」
そう言ってともみさんは、いたずらっぽく笑った。
もちろん、ウソに決まってるけど……。
危うく信じかけそうだった。
「あとで、あなたも撮ってあげるわ。
でもまずは、あけみね。
ほら、囀りそうな顔で、こっち見てる。
撮ってほしくてしょうがないのよ。
エッチな写真を」
ともみさんは、あけみちゃんの目線を手繰るように近づいた。
「ちょっと、アシスタントさん。
これ、持ってて」
ともみさんがわたしを振り返って、ポラロイドカメラを差し出した。
慌てて駆け寄って、受け取る。
最上級生の命令口調に、もう言いなりだった。
カメラは、両手で持ってもずっしりと重かった。
「まずは……。
どうしてあげようかな」
ともみさんは、あけみちゃんに纏わるように近づいた。
息がかかるほど、顔を近づける。
あけみちゃんの目が、葡萄のように膨らんでた。
息がはぁはぁ言ってるのが、わたしにまで聞こえた。
ともみさんは、いきなりあけみちゃんのスカートを捲りあげた。
豊かな太腿と、その付け根を覆う白い布地が曝された。
「また、こんな小さいパンツ穿いて来て」
目に沁みるほど白い布地が、股間を三角形に覆っていた。
確かに小さなショーツだった。
腰骨が隠れないほど。
股ぐりも深くて、アンダーを処理してなければ、毛が見え出ちゃいそう。
「嬉しい?
見られて」
「……、嬉しい」
「そうよね。
見てもらいたくてしょうがないのよね。
ほんとは、街中でもスカート捲りたい。
でも、さすがにそれは出来ないから……。
毎日、大風が吹くことを願ってる。
縛る前に、自分で捲らせれば良かったかな。
この前みたいに。
自分で捲るの、大好きなのよね?」
「……」
「そうよね?」
「はい」
「ふふ。
正直でよろしい。
我慢出来ないと、素直になるわね。
でも、まずは撮影からよ」
ともみさんは、捲ったスカートを、お腹に回る縄に挟みこんだ。
キュプラの裏地が縄を潜る音が、聞こえてきそうだった。
つるつるした裏地に、射しこむ陽の光が踊ってた。
「ほうら、可愛くなった。
ダサいスカートだけど、裏地は綺麗よね。
ほんとは、こっちが表なのかも知れない。
裏側こそが、ほんとうの表ってね」
ともみさんは、わたしに向かって腕を伸ばした。
手の平が上を向いてる。
「アシスタントさん。
気を利かせてちょうだい。
カメラよ」
慌ててカメラを差し出す。
ともみさんは、受け取ったカメラを、馴れた手つきで構えた。
あけみちゃんは、顔を突き出すようにしてカメラを見つめてる。
「ちょっと。
そんな格好でカメラ目線じゃ、雰囲気出ないじゃないの。
顔伏せてちょうだい」
あけみちゃんは、床に視線を落とした。
「そうそう。
うーん、でもイマイチだなぁ。
やっぱり、パンツ脱いだ方がいいか……」
あけみちゃんの肩が、ぴくりと動いた。
「ふふ。
嬉しそうね。
アシスタントさん、何してるの?
脱がしてちょうだい」
ともみさんに視線を投げられ、ようやく自分のことだとわかった。
あけみちゃんの視線が、真っ直ぐにわたしを見てた。
見えない綱に引かれるように、わたしはあけみちゃんに近づいた。
脚元に膝まづく。
ブラウスの裾の分け目から、ショーツが目の前に見えた。
少し肉付きのいいお腹が、せわしなく起伏してる。
わたしは、ショーツのウェストに手を掛けた。
ウェストっていうか、股上は腰骨までしかなかったけど。
そのまま布地を引きおろそうとしたけど、うまく下りない。
思ったよりお尻が豊かで、布地が乗りあげてたんだね。
両手を腰の後ろまで回し、布地を捲りおろす。
目を逸らそうとしても、出来なかった。
あけみちゃんのアンダーヘアは、明らかに処理されてた。
といっても、毛はちゃんと残ってたよ。
でも、恥丘の上に、ほんのひとつまみ。
性器を隠す役目はしてなかった。
アケビの実を合わせたような大陰唇まで、はっきりと見えた。
その膨らみとヘアーの間に、クリトリスが息づいてた。
包皮から顔を出し、餌をねだる雛鳥みたいに囀ってる。
「ちょっと、アシスタントさん。
早くどいてちょうだい」
ともみさんの声に、われに返った。
裏返ったショーツを、両手で握ったままだった。
真っ白い布地を、太腿に滑らせていく。
丸々と豊かに肉づいた太腿だった。
ギリシャ神殿の柱みたい。
「ストップ。
パンティは、膝に絡めといて。
それから……。
ブラウスを引っ張って、お股を隠す。
そうそう。
これだと、大事なところはぜんぜん見えないけどさ……。
膝に絡んだパンティが、股間が剥き出しであることを象徴してるわけ。
隠すことで、逆に、見る人の想像力をかきたてるのよ。
なんてね。
顧問の先生の受け売りだけど。
うーん。
でも、芸術的だわ。
やっぱ、素材がいいからよね。
アシスタントさん、今度こそどいてちょうだい」
わたしが退くと、ともみさんはカメラを構えた。
両脚を開いて、全身を安定させてる。
素人のわたしから見ても、腕前を感じさせる姿勢だった。
指先だけが微かに動くと、シャッター音が響いた。
続いて、過擦れたような機械音。
空間が引き伸ばされるような音とともに、カメラの前部から印画紙が送り出されてきた。
「アシスタントさん。
こっち来てごらん」
ともみさんが、肩越しに印画紙を掲げた。
駆け寄って覗きこんだけど……。
そこには、何も写ってないの。
失敗かなって思って、ともみさんの横顔を見た。
でも、ともみさんは、じっと印画紙を見つめたまま。
もう一度そこに目を落とすと……。
うっすらと、画像が浮かびあがってた。
画像は、少しずつ鮮明さを増していく。
「何度見ても不思議よね。
被写体の粒子をカメラが吸いこんで……。
それが、印画紙の上で再構築される、って感じ。
被写体が、わたしのものになる瞬間。
ほら、出来上がり」
ともみさんは、印画紙をわたしの前に翳した。
そこには、あけみちゃんがくっきりと写ってた。
でも、デジカメなんかの画像とは、明らかに違う。
今撮ったばかりなのに、懐かしい雰囲気。
机の引き出しの奥から、昔の写真が出てきたみたい。
「ふふ。
あなたも気に入ったみたいね。
後で撮らせてあげるわ。
でも、困ったモデルさんは……。
待ちきれないようね」
ともみさんの視線に引かれ、あけみちゃんを見ると……。
確かに、様子が違っていた。
うつろに目を泳がせて、太腿を摺り合わせてる。
「この子、シャッター音聞くと、スイッチが入っちゃうのよ。
根っからのモデルさんよね。
でも便利ね。
あんな格好で、オナニー出来るんだから。
バスの中とかでも、やってるんじゃないかしら。
あれ、何してると思う?
垂れたお汁を、太腿に塗りたくってるのよ。
あけみ。
もっと撮ってほしい?」
ともみさんの声に、あけみちゃんが顔をあげた。
瞳が潤んでた。
「撮って……」
「どこを撮ってほしいの?」
「おまんこ。
あけみのおまんこ」
「そんなとこ撮っても、発表できないじゃないのよ」
「撮って」
あけみちゃんは、太腿を摺り合わせると同時に、お尻を階段柱に滑らせ始めた。
第八話へ続く
文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
—————————————————————-
本作品のモデル「岩城あけみ」の緊縛画像作品はこちらからご購入可能です。