「理事長。
すっごく綺麗ですよ。
男の人だったら、今の姿見るだけで、射精しちゃうかも」
理事長は、あけみ先生に嬲られても、もう声も出ないようだった。
「どーれ、写真の出来はどうかな」
先生は、わたしの持つカメラから、フィルムを抜き取った。
「いい感じじゃない。
なんか、別世界の人みたい。
ほら」
印画紙の中に、理事長の姿が貼り付いてる。
昔の人が、魂を吸い取られると思った気持ちが、良くわかった。
二次元の世界に閉じこめられた理事長は、まるで魂のコレクションみたいだった。
「理事長、ご覧になります?
ほら」
あけみ先生が、理事長の顔の前にフィルムを翳した。
理事長は、苦しい息の中で、新月のような目を開いた。
細く覗く瞳が、小刻みに震えてる。
「やめて……。
撮らないで」
「どうして?
こんなに綺麗なのに。
逆さまになると、人は綺麗になるのかしら?
理事長、今まで見た中で、一番綺麗ですよ。
もう、犯しちゃいたいくらい。
あの現場監督が見たら、あっという間に暴発ね。
理事長。
ほんとは理事長も、あの監督に興味があったんじゃありません?
浅黒くて、引き締まってて。
興味がありすぎて、逆にあんなにツンケンしちゃったのかしら?
ふふ。
子供みたい。
ほんとは、無理難題を投げつけて、背を向けて帰るとき……。
背中に、監督の視線を感じてた。
衣服を灼くような熱い視線を。
で、理事長室に帰ると……。
もう我慢出来ない。
監督の視線に灼かれた衣服が、我慢出来ないほど熱い。
もちろん、その場に脱ぎ散らかすわ。
一糸残らず」
「全裸になりたくて、しょうがないのよね。
だって、そんなに素敵な身体してるんですもの。
わたしだったら、見せたくて見せたくて、どうしようも無いかも。
きっと、ストリッパーになってるわね。
理事長も、ほんとはそうなんじゃありません?
この学園、経営が苦しいんでしょ?
いっそ、何もかも無くして、身ひとつになって……。
落ちるとこまで落ちたい。
そんな気持ちもあるんじゃありません?」
あけみ先生は、腰をかがめ、理事長の顔を覗きこんだ。
理事長の目は、再び閉じてた。
耳の後ろから頬に貼り付いた髪が、震える目元まで届いてる。
「ほんとに可愛い。
舐めちゃいたいくらい」
あけみ先生の口から、舌が零れた。
驚くほど長い舌だった。
口から内臓が出てきたみたい。
厚みのある舌が宙を舐めながら、理事長の顔に近づく。
もちろん、先生が顔を近づけてるんだけど……。
わたしには、舌だけが伸びてくように見えた。
「あ」
理事長の身体が、小さく跳ねた。
あけみ先生の舌が、頬に届いたの。
「まぁ、敏感。
お顔まで性感帯なのかしら?」
「……、止めて」
「ふふ。
ほんとは、舐められるの、大好きなくせに。
知ってるのよ、わたし。
でも、ま、いいわ。
お楽しみは取っときましょう」
あけみ先生は屈めてた腰を伸ばすと、理事長の顔を見下ろした。
理事長の頭は、先生の股間をまともに見る位置で逆さに下がってる。
いったいどんな気持ちで、股縄に括られた股間を見てるのだろう。
苦しくて、何が見えてるかわからなかったかも知れないけど。
その理事長の頭を、あけみ先生の両手が包んだ。
「不思議よね。
普段見慣れてるものでも、角度を変えるだけで、こんなにも違って見えるんだもの。
こうして見ると、人の頭って、穴だらけよね。
ま、骨格模型を眺めれば、当り前なんだけど。
わたしが男だったら……。
この穴、ひとつずつに、ちんぽ突っこむかも。
でも、気持ちいいのは、口だけよね。
ていうか、ほかの穴には入りっこないか。
鼻の穴なら、なんとかいけるかな。
やっぱ、骸骨の方がいいかも。
女性の頭蓋骨を犯す女性。
絵にならない?
ほら、牡丹灯篭。
相手の女性、お露さんだっけ?
新三郎の元に、夜な夜な通ってくる。
お露さんは、この世のものじゃなかったのよね。
なら2人は、どうやってヤッてたのかしら?
きっと、新三郎は、お露の頭蓋骨を犯してたのよ。
だって、おまんこの位置には、穴なんて無いんですもの。
骨盤の穴じゃ、大きすぎるものね。
その点、頭蓋骨なら、手頃な穴がたくさん空いてる。
そのひとつひとつに、ちんちん突っこんで……。
思い切り射精してたのよ。
一晩に、何回も。
それじゃ、精を吸い取られるはずだわ。
あ、そうそう。
忘れてた。
理事長室での、一人エッチの話が、途中でしたわね。
現場監督の視線で燃えあがった身体を、ひとりで慰めるお話。
どう?
ほんとに、してたでしょ?
オナニー。
まぁ、首なんか振って、素直じゃないわね。
したに決まってるわ。
素っ裸になって。
そうそう、あの黒いソファーでやったのよ。
背もたれの高い、フカフカのソファー。
女王様みたいにそこに座って、わたしに命令してくださいましたよね。
考えてみれば、あのソファーって、オナニーに最適じゃないかしら。
もちろん、背もたれに包まれるように座って……。
両脚は、大開脚。
思いっきりおっ広げて……。
中心の、熟れ崩れたまんこを、欲しいままに嬲りたおすわけね。
はしたない声を、噴水みたいにふきあげながら。
どんなヤラシイ場面を想像してるのかしら。
そうね……。
きっと、現場監督に縛られちゃってる場面だわ」
場所は、半分廃屋みたいな倉庫。
工事用の資材なんかが、乱雑に投げこまれてる。
組み立てられたままの、鉄管の足場とか。
可哀想に……。
拉致されて、連れこまれちゃったのよね。
で……。
その、ジャングルジムみたいな足場に、縛りつけられてるの。
大股開きで。
そう、ソファーの格好と同じね。
同んなじ格好を想像してるわけ。
頭の中のシーンでは……。
足首を吊るされて、両脚は頭より高く上がってる。
宙吊りよ。
もちろん、両手は後ろで束ねられてるから……。
恥ずかしい姿は、隠しようもない。
肛門まで、白日のもとに曝してる。
そこに、現場監督の登場。
理事長のあまりにも身勝手な言動に、ついに切れちゃったのね。
で、ついに直接行動に出たわけ。
吊るされながらも、「こんなことしてタダで済むと思うの!」とか、毒づいたでしょうね。
もちろん監督だって、タダで済むとは思ってないわ。
だからこそ、溜まりに溜まった思いの丈を、存分にぶちまけようとしてる。
監督が、理事長の目の前で作業ズボンを脱ぐ。
作業着の裾から覗くブリーフは、スパナを呑んだように膨れてる。
それを見た途端、理事長の口から雑言が途絶えた。
視線は、白い稜線に釘付けになる。
その視線を確かめながら、監督はブリーフを捲り下ろす。
転げ出すわ。
生々しく太い一物が。
地面から生えた子供の腕みたいに、天を指して突きあがってる。
膨れた亀頭は、子供が握った拳のよう。
張り詰めた表皮に窓からの光が映り、てらてらと照り輝いてる。
黒々と穿たれた射出口が、びくびくと鼓動してる。
そこから噴き出す精液を想像しただけで……。
理事長のまんこは、溶け崩れそうになる。
雫を垂らすまいと、懸命に肛門を締める。
でも、内襞も一緒に絞られて、ヤラシイ感覚が一層高まってしまう。
「ぐ」
歯を食いしばって、表情を殺す。
欲しがってる顔なんて、絶対できないものね。
でも、興奮しきってる監督は、理事長の本性にまでは気づいてない。
灼けた鉄棒みたいな陰茎を握りしめ、にじり寄ってくる。
「来ないで!」
理事長の悲鳴は、陰茎に対する恐怖じゃない。
イヤらしく溶け崩れてるまんこを、見られたくないから。
もちろん、監督が言うこと聞くわけないわ。
「あんたを犯すことを、何度想像してきたことか。
その澄まし切った顔に、精液をぶち撒ける夢を、何度見たことか」
「こんなことして、タダで済むと思うの!」
「もちろん、思わないよ。
だから今日は、存分にさせてもらう」
監督は、握りしめた陰茎を、ゆっくりと押し下げる。
亀頭から発せられるレーザー光が、理事長の額から正中線を灼き下がってくる。
青龍刀のように反り返った陰茎が、青眼の位置に定まった。
膨れた射出口から、スパイラルが覗いてるようにさえ見えた。
「くく」
我慢し切れずに垂れた雫が、会陰を伝い肛門に届くのがわかった。
知られてしまう。
こんな格好にさせられながら、イヤらしく興奮してることが。
ここで理事長は、信じられない行動に出た。
腹筋をプルプルと震わせると……。
尿道口を開いたの。
排尿を始めたのよ。
つまり、まんこのヌラヌラを、おしっこで隠そうとしたわけ。
おしっこを見られるより、性癖を悟られる方を恥と思ったのね。
誤算は、思いのほか大量のおしっこが噴き出したこと。
膀胱が膨れたまま拉致されたのね。
おしっこは、天井に向けて噴きあげ、放物線を描いた。
「あっ」
監督は、思わず飛び退った。
おしっこが、コンクリートの床を叩く。
サイダーみたいな飛沫が、監督の毛脛に黄色い玉を結ぶ。
それを一瞬見下ろした後……。
監督は、放物線の奇跡に脚を踏み入れた。
理事長の体内を巡った重たい液体は、数珠玉を連ねたように宙に放たれ……。
窓からの明かりを映して輝き……。
監督の陰茎に降り注ぐ。
監督は、陰茎を扱きながら、満遍なくしぶきを塗りたくる。
水流は、まだ止まらない。
本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「結」 「岩城あけみ」
《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は7/13まで連続掲載、以後毎週金曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。