~雪中緊縛の想い~
美帆「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。
雪の中で晒し者になり堕ちていきたい。そんな想いを抱き続け、先生に我儘を言っては何度も困らせました。やっと雪中緊縛が実現する時には雪の心配が…移動中も雪景色が全然現れず、半分は絶望感でした。
現場に到着。多いとはいえない積雪でしたが、誰も踏み入れてない雪を見たときは興奮と緊張がぶつかってました。今だから言いますが、寒さには弱いんです。だから、どれだけ自分の描いた世界に入れるか不安でした。
朝食後、メイクをしている頃から罪人へと気持ちが変わってきました。晒し刑の日に雪が積もっていただけのこと。好奇の目に晒され哀れんだ視線を受ける日に雪が積もってしまったのだ、と思い、より一層ミジメな罪人になれました。
襦袢で裸足。雪の上に立つと寒いではなく「痛い」の一言。足の裏から徐々に感覚が無くなりました。体も震え、歯がガチガチと音を立て始めましたね。でも罪人には、足の痛さも全身の震えも、心地いいというか素直に受け入れられるものでした。
雪の上で横になった時、過去に感じた堕ちるとは異なった「堕ちる」を体感しました。震えが止まり体の中から火照ったと思ったら、時が止まってしまったのです。意識が無くなったわけではなく、現実逃避のように違う世界や異次元に一瞬だけイってしまったんです。すぐに雪の中にいる私にもどされますが…そんな事を何度も繰り返しているうちに、どんな縛りをしたのか、はっきりと覚えていないのが悲しいです。ただ、刑の執行人である先生の声に従っていた気がします。
念願の荒縄も嬉しかったです。麻縄とは違い、縄と皮膚が粗雑に接する感覚、哀れさをかき立ててくれました。
お尻がピリピリしていたのをスタッフの人に伝えたら先生が叩いてくれたとのこと。私の記憶に無いことに悔やんでいます。
今回は私の我儘をここまで実現していただき、嬉しく又、大変感謝しています。
雪の中の写真が、予想以上のものになっていることを、祈ります。
美帆
少しぼやきます、
雪中撮影ともなれば撮影中の気温の条件だけはよくしたいと思うと正午前後の時間しかない、となるとホテルのチェックインを考えれば二泊の撮影になるおおいなる予算を組まなければならない、そんなケチなことを思いわずらっていたがこんな撮影をできるのも最後の機会と、思いのままよと決行とする。
当日の天気予報は全国的に雨、なぜ雨なのかと天を恨みながら出発。ところがこの雨はめぐみの雨で山のかなたは霞、すばらしいロケーションを作ってくれた。
雨は美帆の黒髪もしっとりと濡らす効果もあり、天は私に悔悛をせまり景色はますます雪景色の効果を増していた。天を味方につけ雪中に震える美帆に哀れみは禁物とばかりにいどみ、心で結果だ結果だ撮り終えた画像が満足がいくものならば美帆の閲覧者の悦びをえられようと無我の心意気でつきすすむ。
雪中を歩む素足の足裏は赤子の足のように赤くみずみずしく美しい、軽い凍傷になった赤い尻、その尻を猿の尻のように赤らめようと欲をだし平手で打ち据えてみる、私はこの点においてまったくの無知であった凍傷に打撃を加えるのは平時の十倍の痛みを感じさせるということを、撮影終了後もかなりはげしいむち打ちを経験している美帆がその部分の痛みをなんだかおかしな痛みが残っていると訴えた。
だが寒さに震えても君の子宮は赤く燃えているだろう受刑者の想いをいだいて、罪人は木に吊るせ晒せ、やがて鳥たちの鳥葬を受けよと。
杉浦則夫
美帆「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。