SM誌や写真集を買うのはこの店と決めていた、おあつらえ向きに町外れの、おやじさんが一人でやっていた馴染みの店、どれどれと最新号(1979年4月)の巻頭グラビアを見てみる。
SMセレクト誌を定期購入し始めてからはや4年、23歳のときでした。
「危険な誕生日」というタイトルの、最初のページを見たとたん、心臓が止まりかける。
素早く反応した下半身の一部は、これまで経験したことのないくらいの硬さに。美人だ!それも、悪いがこの手の本には全く似つかわしくない、私好みの類まれな正真正銘の美人だ!
そんな美人が、これまた私好みの、ブラジャーが透けて見える、清楚な白いブラウス姿で縛られている。
すごい!ドキドキしながら次のページへ。
うっ!思わず腰が引ける。
なんなんだ、このヒモみたいないやらしい下着は。
きわどすぎる。
3枚目。
あうっ!さらに腰が引ける。
こんなふうに柱に縛りつけられては、相手のされるがまま、黒のガーター姿というだけでもたまらないのに、想像以上に胸も大きい、ホントに我慢できないかもしれない。
4ページ目。
あがっ!もう下半身は限界だ!
腰が引けすぎて、変な姿勢になっている。
こんなおいしそうな尻をこちら向けられたのでは、今にもズボンが破れてしまいそうだ!
5ページ。
ちらっとみただけで、いかん、これ以上の立ち見はホントに危ない、店先で暴発させてしまったら大変だ、すぐさまおじさんのところへ行って買うことにする。
このように高園たえ子(当時は伊吹葵)さんとの出会いは、本当に店先での下半身暴発の危険と隣り合わせの、それはそれは大変衝撃的なものでした。
数少ない資料によると、地方の旧家の娘さんで、一度付き合った男性に軽く縛られたのがきっかけとなり、緊縛に興味を持ち、セレクト誌に応募してきたという、素人のモデルさんとのこと。
本当にこんな美人がよくぞ、と今でも思います。
そしてなによりも、この時のセレクト誌の撮影以後は、全く姿を見せずにフェイドアウト、1回きりの緊縛写真撮影、まさしく一期一会の出会いだったモデルさんとして、ことさら強く印象に残っています。
同じように地方の大地主の娘さんで、時代劇で縛られ折檻される女郎の姿が忘れられず、体のうずきに負け、モデルとして応募してきた、という似たような経緯を持つお嬢さん、雨宮亜紀さんが、その後本物のモデルさんになって数多くのグラビアを残し、ビニ本や映画にまで出演したのとは、本当に好対照です。
初めての撮影なのに、きちんとそれなりの表情までつけることができているのには感心。
しかし、よく見てみると、途中下着姿になってからの後ろ手の縛りが、肘が直角90度から、両腕を下におろした楽な型になり、少々緊縛感が緩くなっていたりします。
そしてなんといっても、私も先生も大好物の「吊り」の写真が全くありません。
彼女は、かなり体が硬かったということもあるようですが、なんといっても緊縛写真撮影自体が初めて、素人の彼女には、それなりの限界があったことが伺えます。
しかし今振り返ってみても、まずたえ子さんが下半身につけていた、細いヒモのような黒い下着、胸につけた白いブラジャーとの対比でも、とにかくやたらときわどく、いやらしく、とてつもなくヒワイに見えて、これは一度見ただけで、忘れられるものではなかったです。
このヒモみたいな下着は、本人にとっても恥ずかしかったようですが、とにかく私も見たのはこのときが初めてで、印象は強烈。
まさかこんなエロい、いやらしい下着が、多少かたちは変わったとはいえ、Tバックと呼ばれて、ごくごく普通の女性も身につける日が来ようとは、夢にも思いませんでした。
グラビア5ページ目の写真は、私の緊縛写真のツボをつきまくりで、いかにもきつそうに括られた手首、二の腕に厳しく食い込む縄、上半身を厳しく縛める幾重もの縄、顔を畳につけ、お尻を高く突き出して、恥辱に耐えるかのような険しい表情。
本当に何度見てもたまりません。
この1枚の印象があまりにも強烈過ぎたせいか、かつての彼女とプレイに興じた最後は、必ずこのポーズでバックから決めてフィニッシュする、というのが、私の定番になってしまったくらいです。
この1枚については、次のセレクト誌5月号の「読者の声」欄で、ある方が「抜群の1枚」として褒めておられたので、当時から多くの方が、この1枚の素晴らしさに魅せられていたのは間違いありません。
残念なことに、先生の旧HPや現在の緊縛桟敷になって、旧未発表原稿として、たえ子さんの未発表画像が公開された時には、期待していたこのカットの前後の画像も、このカット自体も含まれていなかったのでした。
写真集で初出となった、同じ日に撮影されたと思われる、赤紫のTシャツに白のスカートの写真は、わずかですが公開されましたが、これも写真集にあった浣腸シーン関連のものが出てきてません。
さらに当時、SMセレクト誌に載っていた「撮影同行記」に書いてあった、撮影最後に撮られたという、赤ちゃんをだっこして、おしっこをさせているようなポーズというのもまだ公開されていません。
限界を知らない欲張りなファンは、決して来ないかもしれない、そのいつの日かを今日も夢見ています。
最後に、かねてからお尋ねしたかったこと、これまた「撮影同行記」にあった、柱に縛りつけられた葵さんの姿に興奮した杉浦先生が、写真を撮るのも忘れて、葵さんに皮をむいたバナナを、ペロペロといやらしく舐めるように食べさせようとした、というのは本当のことなのでしょうか。
想像するだけでワクワクしてしまいます。