照沼ウァリーザ写真展(晶エリー)

以前に一度小さなアルバムで見せていただいたことがあるが、あらためて大きく引き延ばされて壁面を飾った写真には作者の意図が明確に伝わってくるセルフポートレイトである。
色使いがポップである、
錯乱ともおもえる色の手法をみごとに個性的に消化している、
たぶん背景は自分の部屋であろう、
少女たちが集める小物、
おもちゃでいつぱいだ、
模造ダイヤの冠をつけて大きなヒキガエルを頭にのせたのがある、
この一枚がとくに気に入った、
周りにはいろとりどりなまがいものの小物がちりばめてある、
まるでジャン、ジュネの薔薇の刺青だ、
倒錯の世界にあらず少女の世界に遊ぶ甘ったるい感覚をみせつける、
小虫を顔にはわせたものもある、
アフリカの子供の顔にハエがたかっていれば同情と悲しさを感じるが、ウァリーザの顔の虫は刺青こごとくしてエロチシズムをかもしだすばかり、甘ったるい香りを嗅ぎながら見つめた小部屋の写真展。

緊縛の思い出〈2〉

 緊縛、濡木痴夢男氏、カメラ、杉浦則夫氏と出逢ってからというもの、すっかり緊縛される
喜びを覚えた私でした。緊縛され夢ごごち。セックスの喜びは肉体が主ですが、緊縛は心が開放され、
信頼し、頭も心もリラックス出来るのです。杉浦カメラマンに辛いポーズを要求されようとも、
私をしっかり見て、支えていてくれる、という安心感で、何もかも幸せな一時でした。
 一年で何回出逢っていたでしょう。数カ月に一度は、縛って撮影してもらわなければ欲求不満
となり、自ら編集人に売り込みに行ってました。
「縛られたいよー」
と。

 その傾向が強まったのも、東京三世社「SMセレクト」で”快姦散歩”という連載をもち、縛られながら
散歩する、という事を始めてから。
 縛り、カメラは編集人が担当。菱縄のような縛りで半日歩き回り、撮影。編集人と二人きりなので、
素振りは見せませんでしたが、私は感じてました。それは縛りに、ではなく、散歩、人の視線に、です。
ドキドキしながらも平常心で撮られ、解散。これを毎月やっていれば当然、欲求不満となりますよね。
そこで、「ちゃんと撮影されたい、縛られたい」となるのです。

 プライベートで、という気持ちはあまり無かったですね。というのも、ホンモノの縛りを知ってしまった
からでしょうか。私の想いをどんどんかき立ててくれる縛り、いや、私が勝手気ままな妄想をしていても
放っておいてくれ、なお、包み込んでくれる縛り・・とでもいうのでしょうか。
 マゾ側の想いを聞き入れて、ある程度放任し、少しずつ縛り手側に寄せていく・・。このテクニックは
ある意味、サディスト的ではありませんが、縄好きマゾにとっては、ポイントとなる点だと、今になって
思うのです。

早乙女宏美 – フェティッシュバー Black Heart

忘れられないモデル、SUMIREさん

私が、生涯忘れられないモデルさんのひとり、SUMIREさんをはじめて見たのは、平成17年9月のHPの撮り下ろしで、Na:na女王様に責められる、相手役のM女性としてでした。
ロングヘアーながら、きりっとした顔立ちと色っぽい唇がまず印象的。
そして私好みの、縄との相性ぴったりの見事なバスト。
このときの、見事なM女性ぶりを捉えた写真の数々に、私は瞬時に魅了されてしまいました。

2回目は18年4月の撮り下ろしで、このときは「肉塊歪美」「悶絶縄美」という言葉がまさにぴったり。
縄が掛けられると自由自在に変化する、妖しく艶かしいその姿。
苦悶の表情、快楽におぼれる様、どのように縛られていても見ごたえ十分、豊かで変化に富んだ表情。
緊縛モデルとしての肉体の魅力を、余すことなく表現し尽くしてくれたSUMIREさんに、さらに魅了されてしまいました。
緊縛写真とはまさにこれ。
個人的には、緊縛写真史に残したい名ポーズ、名カット続出。
この撮り下ろしこそは、いくら褒めても褒めたりない、幾千回もの鑑賞に堪えうる、先生としてもまさに傑作撮り下ろし作品の一つではないかと思っています。
パソコンの右側に飲み物と茶菓子、4年前なので、それまで必ずあった、左側のてぃっしゅの箱はもうなくなっていたと記憶しますが、スライドショーで朝に晩にと、本当に飽きることなく鑑賞させていただきました。

3回目の、19年9月の撮り下ろしには、和服緊縛で登場。
それまで気がつかなかった女性らしい、優しさ、可愛らしさに、やっぱり美人とあらためて惚れ直す。
SUMIREさんは、何を着て、どんなふうに縛られ、責められても、絵になるモデルさんであることを再認識。
おなかあたりに多少脂肪がつき始めていたようですが、ここまで惚れるとあばたもえくぼ、私は全く気になりませんでしたが。

4回目、21年1月撮り下ろし、油断してたのか、あきらかにポッチャリは進行してました。
しかしこのときは、今でも私の心を捉えて離さない、まことに印象的な表情を連発してくれたことが、何よりも嬉しかったです。
そして、それと同様に印象的だった、眼による感情表現の巧みさ。
見つめていると吸い込まれそうな、自身の心を投影しているかのような、深い悲しみと密やかな喜びに、ゾクゾクせずにはいられませんでした。

本当にSUMIREさんには惚れ込みました。
1回目以降、事あるごとに、SUMIREさんでまた撮り下ろしをとの、繰り返しのメールリクエスト、担当の方にはさぞかし迷惑だったことでしょう。
他にもSUMIREさんの写真を求めて、SM誌のバックナンバーを漁ったり、DVDを購入したり、ネットで情報を求めたり。
SUMIREさんの素晴らしさを、さらに広く知ってもらうべく、SUMIREさん出演の映画やVシネマのHPに投稿したことも多数。
それらもおそらく、本人の目には届くことはなかったと思います、完全な片想い。
しかし、リアルなプレーから離れて四半世紀の隠居の身に、この片想いが与えてくれた、実に新鮮な、アイドルを追っかける少年のような、久々の心ときめくドキドキ感が、大きな活力をもたらしてくれたのは間違いのない事実。
さらには私の頭そして心の中では、SUMIREさんは、私の久々のパートナーとして、縛られ、責められ、あんなことやそんなことまでされ、本当に良く尽くしてくれました。
文句を言えるのはスミレさんと杉浦先生のみ、写真から広がる、自由な想像のSM世界にも浸らせてくれました。
しばらく前、風の噂で、すでにモデルさんを引退されたとの話を聞き及び、私の長い片想いはそっと終わりを告げたのでした。

杉浦則夫緊縛桟敷 より原稿掲載

かんなさんの緊縛画像を見て 後編

236枚目。
縄にも撮影にも慣れてきた頃だった。
身体から力が抜け、自然体になっていた。

251枚目。
それを感じ取られたのか、突然の指示が飛ぶ。
「浣腸道具を持ってこい!」
えっ?と思ったが、脚を押し曲げられ固定される。

ぶん注:
撮影において事前の打ち合わせは無い、との事。
無論、浣腸においても例外ではない。

254枚目。
両脚を折り曲げられ、固定される。
受け入れざるを得ない姿勢。
そこに無慈悲に管を挿入される。
無論、抗う術が無い。
恥を晒すには十分過ぎる量が準備されていた。

267枚目。
浣腸が終わり、まだ違和感の残る尻穴を感じながら横たわる。
先程まで感じていた「慣れ」は既に消し飛び、
これからの縛り、責めに身を硬くする。
望んだ世界、しかし、想像していたよりも厳しい世界だった。
演技などというものは通用しない。
自分自身、そのものを曝け出される。
身体も隠せないが、それ以上に心が隠せない。

285枚目。
立ち縛り。
もちろん、これだけで終わるはずもない。
脚に巻きつく縄に心地良さを感じられるのは一瞬。

294枚目。
M字に吊られる。
全体重が縄の掛かった部位に掛かる。食い込む。
しかし、心の奥では「もっと!」と叫び始めていた。

304枚目。
下ろされてからも、非常に厳しい姿勢。
身動きできず、オブジェになる。
どう写っているか?など、考える余裕はもう無い。

ぶん注:
私はこの一枚がかなり好きです。
まさにオブジェ。このまま何時間でも眺めていたい。
それがムリならば、写真として額に入れて飾っておきたい。
そんな一枚。

321枚目。
再び、宙に浮く。
体力の限界との勝負。いや、もはや体力は限界に来ていた。
しかし、本能が求める。本能と理性のせめぎ合い。

333枚目。
それを見透かされたのか、更なる責めで追い込まれる。
全く身動きの出来ない状態での蝋責め。
縄が軋み、身体は悲鳴を上げる。
熱さと、食い込む縄の痛み。
理性が入る余地が無くなり、本能が悦ぶ。
体力の限界、しかし甘美な刺激。

356枚目。
下ろされて、蝋責めが続く。
ピンと伸ばした脚が美しい。
垂らされる蝋の熱さ、適度に拘束の残る縄。
これ以上に幸せな時間があるんだろうか?
もっと見て下さい!という心の叫びが聞こえてくる。

360枚目。
縄を解かれ、全ての緊張が解けた一枚。
最初にあった緊張の顔はすっかり消え、まるで少女のよう。
緊縛されて、心は開放されるというけれど、まさにそんな感じ。

363枚目。
再び、縄が掛かる。
その縛りを楽しみ、味わっている。
実に幸せな時間。

373枚目。
いよいよクライマックス。
逆さ吊り。
頭に血が上る。でも、心地良い。
今は、いつまでもこの責めを受け続けていたかった。

398枚目。
ラストシーン。
まだ興奮状態にある頭と身体と会話しながら、
最後の縄の感触を楽しんでいた。
陰影と相まって、実に美しい一枚。

素人モデルだからこそのリアル。
その時の緊張や興奮が伝わってくる。
それが迫力となって絵に表れる。

まさに人生そのもの。
生きざま、そのもの。

縄の世界に堕ちたら、二度と戻れないとは言うけれど、
この作品を見たら、まさにその通りだと思う。

縛り手は、二度と戻れないようにするのが、役目。
それが縛る側の覚悟であると実感する。

そして、そこに飛び込んだのなら、
全てを使い切られて堕とされる。それがM女の覚悟。

それが幸せだというのなら、
こちらも全力で臨むべきだと、改めて思った。

いいものを見させてもらいました。
ありがとう。

上記作品は、
緊縛桟敷キネマ館にて掲載中

杉浦則夫緊縛桟敷 より原稿掲載

緊縛blog – ぶん。