アンダーカバー・SUMIRE 2

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■第2章 恐ろしき妄想


最悪の気分だった。
先ほどの催眠ガスのせいで頭の芯はズキズキ痛むし、全身が極度の倦怠感で包み込まれている。
意識が鮮明になるにつれ、今自分が置かれている状況がわかってきた。
幸い着衣の薄手のワンピースは無事だったが、両手は後ろにロープでしっかり縛られている。
あたりを見渡すと、私邸とは別の納屋のような薄暗い部屋。
その床に置かれた一枚の木製パレットの上に、私は寝かされた状態で拘束されていたのだ。
この時感じたほのかに酸っぱい自分の汗の臭いだけが妙に今でも鮮明な記憶として蘇える。

この先、私はどうされるのだろう。
マサダの連中は秘密裏の活動が外部に露見したとあらば、当然本国からこの大失態の処罰の対象とされることを恐れるているはずだ。
しかしたとえ部分的なものであれ、この2週間に私が持ち出したは情報は今さら防ぎようがない。
ならばいったいどこに情報が渡ったのか、その流出先、内容、重要度を知りたがるだろう。
もちろんそれを尋問されても私は答えるわけにはいかない。
とすると、連中は私から無理矢理にでも情報を得ようと躍起になるに違いない。
「拷問」。そんな恐ろしい言葉が私の脳裏をかすめた。

未だ不快な頭痛に苛まれる私の思考は、考えれば考えるほど最悪の状況へと発展していく。
これまで数多くの危険な任務にあたって来たが、一度たりともこんな敵の手中に落ちることなどなかった。
当然仕事柄、敵の捕虜となって過酷な拷問を受ける可能性は多分にあるし、事実拷問で廃人同様となった先輩、同僚も幾度か目にしたことがあったが、まさか自分がそのようなシチュエーションに遭遇するなど思ったこともなかった。
それが今、現実のものとなろうとしている。
果たして拷問に耐えられるのだろうか。
でも、私は公安捜査官。国にとって不利益になることは、いっさい洩らすわけには行かない。
何より国家に危害を加える輩は絶対許せない!
でも・・・・でも、拷問はイヤ!やっぱり無理よ!無理だわ!耐えられるわけなんかない!
助けて・・・誰か、助けて、お願い・・・・・
ズキズキ軋む私の脳の中で、二人の自分が戦っていた。正義と信念を貫こうとする自分と、恐怖に慄く自分が。

ガチャリ!ギィィィィ・・・・
その時、納屋の扉の鍵をはずし、何者かが扉を開けて室内に入ってきた。
私は恐ろしさのあまり入口の方角を見ることもできず、気絶したままのふりをして成り行きを見守ることにした。
それが救出であることを祈りながら。

足音から侵入者は一人のようだ。
その人物は静かに私の傍らにしゃがみこみ、首に片手を回し立てた片膝の上に私の上半身を抱き起こした。
気づかれぬよう薄目を開けると、黒いキャミソール、黒い帽子、黒いハイヒールと黒基調で整えた見たことのない女が私の視野に入ってきた。
いったい誰?敵なの?それとも味方?

文章 蝉丸
写真 杉浦則夫
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若菜亜衣 撮影企画から後記

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。

現在緊縛新聞コラム筆者の若菜亜衣さん撮影同行記が掲載されておりますが、この同行記の前に撮影に同行していただくにあたり、企画コメントをいただいておりました。
大変緻密に書かれましたコンテを興味深く読みましたが企画が深く組まれていますだけにその一部分でも週略すれば企画全体を壊しかねなく、私は女学生の妄想としました。
そして、一冊の緊縛写真集を偶然みた衝撃が少女の性にかかわる顛末を表現してみました。登場の男は架空であり格シーンには実在しないとします。

撮影後記は後回しにして、まずは上記草案をそのまま掲載致します。

高円寺A子「帰納」(原案:やみげん)

■ 主題
・ ファーザー・コンプレックス
・ 置き換え
・ 擬似近親相姦

■ 登場人物
・ 高円寺A子:公立高校2年。10年前、小2の時に他界した芸術写真家の一人娘。母子家庭。
・ 担任教師(教科は生物):A子のクラス担任。写真部顧問。以前、A子に対するイジメを解決した事がある。

■あらすじ
【自室】「追憶」
10年前に他界した芸術写真家の忘れ形見A子。彼女は、今でも父親を慕っていた。若く、やさしかった父親、その幻影に恋していると言い換えても良い。
ある日学校で、何者かが彼女の鞄の中にSM写真集を忍ばせる。帰宅し、本を発見するA子。名前は違っていたが、それが父の写真であることは、すぐに分かった。
彼女は、ショックを受けながらも、これまで知らなかった父の一面を見たい一心で、恐る恐るページを捲るのだった。次第に、その淫靡な世界に引き込まれていくA子。幼少の自分は、父から十分に愛されていたと思っていたが、それとは別な愛情を、縛られたモデル達に注いでいるようで、強烈な嫉妬を感じている。檻に閉じ込められた女…あたかも凛とした父の強い意志が彼女を囲い込み、それ故に、彼の愛を独占しているかのように、娘には見えた。
いつしかA子は、父を想い、わが身を緊縛写真に重ねあわせる。父に縛られ、その姿を写真に撮られる自分を想像し、彼の(大人の)愛を感じながら、オナニーをはじめてしまうのだった。

【教室】「幻想」
A子のクラス担任は、ちょうど父が亡くなった時の年齢と同じだった。容姿や背格好もどことなく似ている。以前、A子がイジメの対象になった時に、熱心に問題解決にあたってくれた事もあり、今も憶えている父の、強くやさしい面影を、彼の中に見ていた。
A子が写真部に在籍しているのは、写真家であった父の影響だけではなく、この担任教師が顧問であった事も、大きな理由であった。
すでに午後の授業が始まっていたが、昨夜見た、父の緊縛写真の事が頭から離れず、担任の受け持つ生物の授業も上の空のA子。父に似た先生に、縛られて、写真を撮られてみたい。
写真集のポーズの中でも一番過激な吊りが思い浮かぶ。大きく開脚され、レンズの前に秘部を晒されたモデル。苦悶の表情の向こうに至福が透けて見えた。
それが適わなくても、と思う。授業中、縛られたまま狭い教卓の中に押し込められ、他の生徒に気づかれぬように、先生の股間に奉仕させられている姿。机に仰向けに拘束され、生物教師の手によって、女の敏感な部分をピンセットで摘まれ、言葉弄りされる様も妄想した。
少しでも、父に近づきたい。そんな想いが妄想を加速していた。

【職員室】「覚醒」
「今日はどうした?授業もクラブもボーっとして」
写真部の活動が終わり帰ろうとしたところを、担任であり顧問でもある教師に呼び止められた。なにか、悩みがあるなら聞くぞ。A子は、職員室へ来るように言われる。核心に触れぬまま、他愛もない写真談義ばかりで時が過ぎていく。いつしか日も暮れ、職員室は2人きりとなっていた。そして担任が煎れた、睡眠薬入りのお茶によって彼女はウトウトと眠りに落ちてしまう。
二の腕に痛みを感じ、目を覚ますA子。彼女は緊縛され暗い職員室に転がされていた。
闇の向こうに教師は立っていた。そして、A子の父親のSM写真について語り始める。
「君のお父上はね、美しく煌びやかな芸術作品だけでは満足出来なかったんだよ」
醜悪なモノの中にこそ、真に美しいものが隠されている。その事を教えてくれたのが君の父上だったのだ。そのように担任教師は回想する。そして、用意した鼻フックを取り出し、教え子の顔を醜く弄り出す。「綺麗だよ綺麗だよ」耳元で繰り返す男が、手鏡を彼女の目の前に差し出した。
その鏡に映る自身の醜く歪んだ顔、そして全裸に向かれ、恥かしい姿で緊縛された姿。(本当に父は、これを美しいと思ったのだろうか?)だとすれば、もっと知りたい…私の知らない父の心を。
彼女は耐え難い恥辱を感じながらも、秘奥から熱い愛液が溢れてくるのを感じるのだった。

【地下室】「帰納」
その夜。A子は教師に導かれるままに、淫欲に身を任せている。もはや、彼女に恫喝は必要ない。担任の自宅地下に造られた、秘密の監禁室。それは、昔父が撮影したSM写真の背景と同じに見えた。不思議な既視感だった。
「さぁ、もっと綺麗にしてあげよう」と、教師は教え子に浣腸を施す。「君の中の汚いものをさらけ出しておくれ」とも言った。
檻の中、バケツを宛がわれ、汚物をひり出す。
幼少期にオマルに跨って排便をした記憶が蘇ってきた。あの時、父は私の排便姿を微笑ましく見守っていた気がする。それ以前、父も、私のオムツを取り替えていたのだろうか?そんな想いが頭を掠めていた。
現実と妄想の狭間で、娘は父の幻影を一心に貪ろうする。「もっと!もっと!」と、うわ言のように、さらなる加虐を父に似た男に要求するのだった。
地下室での吊りは、昼間教室で夢想したものと同じであった。父の写真世界に溶け込んでいくA子。縄がキツク、身を絞り上げていく程に、時を超え、父親の愛情に抱きしめられていく錯覚に溺れていく。
知らぬ間に、懐かしさと嬉しさで、涙が溢れ出していた。

【余談】
言うまでも無く、最初に、A子の鞄にSM写真集を忍ばせたのは担任教師である。彼は、学生時代から、この(緊縛)写真家の熱心なファンだった。A子の担任となった時、彼女が写真家の娘である事に気付いた彼は、「きっと娘もSM好きに違いあるまい」と勝手に思い込む。
彼女がクラスメイトからイジメに遭うように仕向け、そしてその後、助けたのも彼の謀によるものである。A子が、酷いイジメにじっと耐える様子を観察し、「この教え子はMである」と確信する。そして、徐々に彼女との間合いを詰めながら、教え子を淫靡な世界に引きずり込む機会を伺っていたのだった。

■ 各シーン、キーワード
【自室】緊縛写真集・妄想・オナニー
【教室】妄想・机貼り付け・解剖実験(ピンセット)・吊り・教卓
【職員室】顔面弄り・ハナフック・鏡
【地下室】檻・浣腸・掃除バケツ(オマル)・吊り

■ その他(リクエスト等)
・ 前二つはA子の妄想。後二つは、現在と過去が彼女の中で重なり合うイメージです。
・ 教室での妄想部分。担任教師は、生物の授業をしているわけなので、黒板には何か解剖図や、花の受粉・生物の受精等の図が、描いてあるか、貼ってあるかしてあると、ピンセットで弄る際に、関連が分かりやすいかもしれません。
・ 教室での妄想の吊りと、地下室での現実の吊りは、(可能であれば写真集の吊も)ポーズをわざと同じにしたほうが、教室の「妄想感」が強調される気がします。
・ 檻の中。A子に首輪をするかどうか、判断迷いました。彼女の精神を現実に繋ぎ止めておくよりも、自由に開放してあげて、父親の元に逝かせてあげる方がいいかな、との思いがございます。

■撮影後記(筆:杉浦則夫)
今回が初めての緊縛撮影であり、かなり緊張して亜衣さんはスタジオ入りをしました。そんなわけで始まりのシーンは表情がかたくありましたがシーンを重ねると清楚な顔立ちに哀しい羞恥の表情が現れるようになりました。
私はそのうえに涙をかさねたく要求しましたがモデルになって日のあさい亜衣さんには無理な要求でした、それが突然と表情を一変させて目を赤くはらして涙をポロポロながしはじめた。可憐な花が花弁をむしりとられて裸にされるおのれ身の哀しさを嘆くような涙です。私は感動しました、そして縄拘束の厳しさを教え込もうと拘束を厳しくして亜衣さんの涙のあふれるのを歓喜の想いで映しこみました。

若菜亜衣さんは久しぶりの知的で清楚なモデルさんです。大学3年生ですのでいま就職活動の真っ最中です、来年はその方面の活動に忙しく今年いっぱいでモデルを引退とききますから今月25日に卒業式のはかま衣装で撮影します。

以上。

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。

若菜亜衣×緊縛桟敷 上

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。

今回は緊縛新聞のコラムを書いてる「やみげん」さんが撮影に同行しましたので、
その撮影同行記を上下に分けて掲載致します。本文に掲載している若菜さんの画像は、
当日Twitterで配信された実況中継の画像を使用しております。

杉浦則夫Twitter
http://twitter.com/#!/sugiuranorio

■月光~若菜亜衣・緊縛撮影感想文~ (文:やみげん)

漆黒の闇に、月が浮かんでいる。
月は、わずかに緊張と収縮を繰り返しているように見えた。

杉浦先生より、「今度、学校スタジオでグラビア撮影があるので、見学しませんか」とのお誘いを頂き、そして、実際に見学させて頂いてから、随分と時間が経ってしまった。
モデルの若菜亜衣さんの事、縄師の奈加あきらさんの事、スタッフさんの事、学校スタジオの事。そして、なにより杉浦先生の事。書く事は、山ほどあり、なんとか整理をつけよう、つけようと思っているうちに、益々整理が付かなくなってしまった。これでは、どうにもいけませぬ。
ただ、時間の経過とともに、余計な記憶がそぎ落とされ、書き残すべき事象だけが、より鮮明に思い出される気がする次第。…いや、作文が遅れた言い訳ではない。

いずれにせよ、普段部屋に引きこもり、ほとんど外界との接触がない筆者にとっては、全てが刺激であった。記憶が絞り込まれてなお、やはり整理は付かないままなのだ。
だから、ひとまず今回は、緊縛モデルについて書き残そうと思う。

若菜亜衣さん。
キメの細かい美しい肌だった。雪国育ちらしい。

彼女についての第一印象。
「なんて、懐古的郷愁…いや、昭和的と言うべきか」
である。
はて、この郷愁は、どこから来るのか。すぐに思い当たった。似ているのだ。

AV女優に限らず、一般のモデル、女優、はたまたアイドルは、時代を螺旋状にぐるぐると、同じ系列の容姿、(設定上の)性格の人物が、ある一定の周期で現れる。
おそらく、男が好むタイプが、数えられる程度にパターン化されている為に、座れる席が限られており、ある者が、歳をとり、あるいは流行から外れ離席(引退)すると、新たに、別な者が獲って代わる。緊縛モデルも例外ではない。

そういった意味で、この若菜亜衣というモデルさんは、過去の緊縛史の中で、以下の系譜に分類された。もちろん、あくまで私個人が感じた“雰囲気”ということである。

まず、こちら。
芳村なぎささんは、昭和54頃に活躍されたモデルさん。昭和緊縛史の第二集に掲載されている。杉浦先生によれば、東京三世社の応募モデルだったらしい。もち肌が素晴らしいお嬢さんだった。

そしてそれから、約20年後に登場したのが、渡辺美千代さんである。記憶と記録があいまいなのであるが、おそらく平成8年頃を中心に活躍されたモデルさんである。昭和緊縛史では第三集に掲載されている。この方は雰囲気と言うよりは、若菜亜衣さんと見た目そのものが似通っているように筆者には見えるのだが。いかがだろうか。

お二人とも当時、かなりの露出であった。つまり、それなりの人気があったという事である。
その点から言っても、杉浦先生のみならず、奈加あきらさんも、「良い演技指導が付けば、この娘は伸びる!」と褒めていたのも頷ける。
要は、男好きするタイプなのだろう。

しかし、撮影終盤になり、若菜亜衣さんのもつ郷愁の源泉が、実は全く別な場所に在る事に気が付く。
考えてみれば、「誰かに似ている」という分類の仕方は、あまりに安易で失礼ではなかったか。しかし、そういった事でしか説明の付かない、出処の分からぬ懐かしい気配を秘めた女性だったのである。

さて、その若菜亜衣さん。
撮影スタジオにマスク姿で現れた彼女の第一声、「おはようございます」が低くハスキーであったのが印象的であった。

当たり前のことだが、写真には音声情報は含まれない。
ビデオ時代以前は、緊縛グラビアを眺めながら、無意識にモデルさんの声を頭で聴いていたように思う。もちろん、全くの想像である。
いつだったが、やはり昭和56年前後に活躍した緊縛モデルを、後年AV作品で見つけた。その時、「わぁ、こんなハスキーな声だったのか!」と驚いたことを思い出す。
それまで、妄想内での声は、どちらかと言うと艶っぽく、澄んだ音であったが、以降、「このモデルさんは、ひょっとしたらハスキー声であったかもしれないな」と思うようになっていた。だから、若菜さんの声にも戸惑う事は無い。ハスキーもまた、様々妄想をかき立てはしまいか。

「教室で花電車を、やらせようと思う」
朝の打ち合わせで、杉浦先生が、奈加あきらさんと話しているのを聞いた。
“花電車”とは、ストリップ劇場などで、女性器を使って、客の前で芸をするというもの。
昔のSMグラビアでも、ずばり「花電車」というタイトルで、モデルが陰部に筆を突っ込まれて、尻をフリフリ、「習字」をさせられている作品があった。

恥ずかしながら、わたしが「花電車」が何たるかを知ったのはつい最近である。最近、といっても2、3年前なのだが。
花電車には、「生花」「鈴鳴らし」「産卵」などがあるらしい。そういえば、昭和のSMグラビア黄金期にもよく見かけたな。産卵とか、エロ過ぎる。いつかリクエストしたいネタだ。

それでもって、若菜亜衣さんも、その花電車の「習字」を教室で披露させられる事となる。
教室で花電車…なんと、シュールな取り合わせだろうか。
設定が、少女の妄想と言うことなので、なんでもありと言えばありなのだが、“それにしても”である。

杉浦先生がどういった発想で、「教室で花電車」となったのかは不明だが、おそらくこういうことではなかったか、と勝手に補完してみた。

彼女を、書道部としてはどうだろう。たとえばそれが、著名な書道家の娘であったり、彼女自身が、全国大会とかで優勝しているほどの腕前であってもよい。
色恋など眼中に無い。一心に書を極めようと頑張っている彼女を辱めるのであれば、納得の場面である。
いやいや、これは彼女自身の妄想であった。妄想の入れ子状態になってるな。まさにドグラマグラ。思春期の少女の抑えられた色情が、歪な形で脳内に映像化された、というところか。そうなれば、もう理屈ではない。

そうそう。
おそらく、作品冒頭に出てくるであろう、彼女の自室での夢想シーン。机の上に分厚い単行本が置かれているかもしれない。
「夢野久作集」…ドグラマグラが収録された本書を持ち込んだのは不肖私めでございます。電車の中で読もうと、“たまたま”手元にあった代物。
本作の設定は、若菜亜衣さんの妄想の中での出来事。夢野久作作品は、世に言う不思議少女達の必須アイテムだった時代がある。
今思えば、同じ夢野久作であれば「少女地獄」のほうが良かったかな。

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。

放課後のむこうがわ 9

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放課後のむこうがわ 9

「細い脚。
 ほんと、子供みたい。
 黄色いパンツなんか穿いてるから、よけい子供じみて見えるんだよ。
 でも、そのパンツの中には……。
 もう大人のまんこが息づいてるってことよね。
 さっき弄ってたわけだからさ。
 見せてよ。
 パンツも脱いで」

 視界が歪んだ。
 泣き顔になってた。
 熱い涙が、メガネフレームに落ちた。

「あら、泣いちゃった。
 なんか、わたしが虐めてるみたいじゃない」

 わたしは、懸命にかぶりを振った。
 虐められて泣いてるんじゃないってことを、ともみさんに訴えたかった。
 わたしは嬉しいんですって。
 でも、言葉は出せそうもなかったから……。
 動作で示した。
 レモンイエローのショーツを、思い切り引き下ろした。
 興奮しまくってるのは、自分でもわかってたけど……。
 思ってた以上だった。
 ショーツを足首から抜こうとしても、脚がうまく上がらないのよ。
 なんと、バランスを崩して、後ろにひっくり返っちゃった。
 背中が床板に転がると同時に、もどかしさが声になって漏れた。

「あひぃ」

 自分の声でスイッチが入ったって感じ。
 仰向けのまま、片足だけショーツを抜くと……。
 ともみさんに向かって、両脚を開いた。
 V字の谷間に、ともみさんが挟まって見えた。

「呆れた子ね。
 ホントの変態ちゃんだわ。
 そんな身体で、お毛々もちーゃんと生えてるんだね。
 ヤラしい。
 おまんこ、ぱっくり開いてるよ。
 毛もじゃだから、ウニの身が割れたみたい。
 お汁が、コーモンまで垂れてる」
「あひぃ」

 もっと言ってほしくて、わたしは両脚を抱えると、左右に開いた。
 膣液が、お尻の割れ目を伝い下りるのがわかった。

「ほら、あけみ。
 見える、これ?」

 わたしは背中をうねらせて、お尻をあけみちゃんに向けた。

「ほら、見てほしいって」

 あけみちゃんの目が、真っ直ぐにわたしを見てた。
 正確には、わたしの股間。
 銀の矢のような視線が、真っ直ぐにまんこを貫いた。
 貫かれた傷口から、ごぼりと膣液が零れた。

 もう、我慢できなかった。
 腿に絡みついた右手が外れると、滑るようにまんこまで下りた。
 熱かった。
 まるで泥沼。
 指先が、尖ったクリに触れた。

「はぅぅ」

 お尻が、うねりあがった。

「ちょっと、誰が始めていいって言ったのよ」

 そんなこと言われたって、もう止めようが無かった。
 わたしは首をもたげ、あけみちゃんを凝視した。
 あけみちゃんの腿は、内側に絞られてた。
 内腿を摺りあわせようとしてたんだと思う。
 あけみちゃんも、我慢できなかったんだね。

「もう。
 勝手な子ね。
 ちょっと、お仕置きしなきゃ」

 ともみさんは、あけみちゃんの鞄の脇にしゃがみこんだ。
 とたん、あけみちゃんの視線が、わたしから離れた。
 あけみちゃんの視線は、ともみさんの両脚の間に縫いつけられてた。
 わたしからは見えなかったけど……。
 ショーツを着けてない股間が、あけみちゃんに向かって開いてたんだと思う。

 ともみさんは、鞄から、薄いピンクの箱を取り出した。

「やっぱり持ってた。
 ふふ。
 この子ね、女の子の日じゃなくても、タンポン持ち歩いてるんだよ。
 なんのためだと思う?
 ヤラしい気分になったとき、使うんだってさ。
 あ、これでオナニーするわけじゃないのよ。
 フツーに、おまんこに入れてるだけ。
 ときどき、ヤラしい気分が、大波みたいに襲ってくるんだって。
 そういう時は、ヤラしい汁が涙みたいに流れ続けて……。
 ショーツがぐしょぐしょになっちゃう。
 で、その液を吸わせるために、タンポン入れてるわけ。
 そうよね?」

 あけみちゃんは、かくかくとうなずいた。
 お尻を持ち上げ、階段の縁で擦ってた。

「我慢出来ない?」
「ふぅぅぅぅぅん」
「ふふ。
 階段まで垂れちゃってるよ。
 ヤラしい液が。
 入れたげようか?
 タンポン」
「入れて……。
 入れてぇ」

 ともみちゃんは、ピンクの箱を開いた。
 でも、ともみちゃんも興奮してたんだろうね。
 開けたとたん、中身が零れた。
 鞄や床に、パラパラと。
 わたし、それまでタンポンなんて使ったこと無かったから……。
 どこのメーカーのかとか、わからなかったけどね。
 綺麗だった。
 真っ白い繭玉みたい。
 もちろん、セロファンに包まれてたけど。
 ブルーの帯が入ったセロファン。
 その帯を解くようにセロファンを剥がすと……。
 何かが羽化するんじゃないかって思えた。

「これ、いいかも」

 鞄のタンポンに伸ばしたともみさんの指が、途中で止まった。

「うん。
 アクセントになる。
 こういうとこにも置いちゃお」

 ともみさんは、床のタンポンを拾い上げ……。
 階段の1段目、あけみちゃんの膝頭の内側にタンポンを置き直した。
 あけみちゃんは、懸命に膝頭を絞ってる。
 ともみさんの手を、挟みこもうとしてたみたい。

「俄然、創作意欲が湧いてきた。
 これは、1枚撮らなきゃ」

 あけみさんは、タンポンの箱を鞄の脇に置いた。

「こんな感じかな」

 フタの開く角度まで調節すると、跳ねるように起ちあがった。
 後ずさりながら、ポラロイドカメラを構える。

「おぉ。
 いい感じ。
 あけみ!
 ダメだって、カメラ見ちゃ。
 斜め下を見て。
 そうそう。
 いくよ」

 過擦れたようなシャッター音が響いた。
 空間が切り取られる音に聞こえた。

 ともみさんは、送り出されて来た印画紙を見つめてる。
 時間が止まったみたいに思えたころ……。
 ともみさんの口元が綻んだ。

「いい感じ」

 ともみさんは、何度もうなずきながら、あけみちゃんに近づいた。

「どう?」

 指先で挟んだ印画紙を、あけみちゃんの目の前に翳す。

「綺麗でしょ。
 でも、おまんこまで写っちゃってるね。
 光ってるから、おツユ出てるのがモロバレだよ。
 陰核も起ってるし。
 朝、登校して来て……。
 この写真が黒板に貼ってあったら、どうする?」
「イヤ……」
「イヤじゃないんじゃない?
 ほんとは、みんなに見てもらいたいんでしょ。
 あけみが登校すると……。
 クラスの子たちが、この写真を囲んで黒板前に群れてる。
 あけみは、それを後ろから見てるの。
 そのうち、後ろ姿のひとりが、スカートを脱ぎ落とす。
 隣の子が、それに続く。
 その隣の子も……。
 最初に脱いだ子は、パンティも下ろした。
 白い布地が、膝裏に絡んでる。
 次々と、お尻が曝される。
 いろんなお尻がある。
 小さくて、引き締まったお尻。
 丸々と隆起したお尻。
 でも、どのお尻も、ヒクヒク動いてる。
 前に回った手が、おまんこ弄ってるから。
 あけみも堪らなくなって、黒板の写真と同じ姿になる。
 そう。
 みんなと同じ、下半身丸出し。
 もちろん……。
 ずらっと並んだお尻を凝視しながら……。
 指先は、陰核を練り始める。
 後ろ姿のひとりが、激しく尻たぶを絞る。
 尻たぶの肉が、翳をつくるほど大きく窪んだ。
 立ったまま、イッたんだね。
 絶頂の連鎖が、次々と広がる。
 それを見ながら、あけみも我慢できずに……。
 思い切り陰核を揉み潰す。
 どう?」

 ロープに挟まれたあけみちゃんの胸が、大きく起伏してた。

「我慢出来ない?」

 あけみちゃんは、壊れた人形のようにうなずいた。
 何度も。

第十話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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アンダーカバー・SUMIRE 1

杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、
全8話の長編小説のご投稿がありました。(投稿者 蝉丸様)
本作品は毎週金曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに!

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■第1章 忌まわしき記憶

「では、もう一度始めからいきさつを話してもらおうか。」
窓もなくただ机が一つ中央に置かれただけの殺風景な小部屋で、無機質な男の声が静かに響く。
「課長、ですから、もう何度もお話しているとおりです。これ以上新しい事実は何もありません。」
課長と呼ばれた体格の良い長身の男はやれやれと呆れた顔を見せ、傍らに立つ部下に目で合図を送った。
部下は部屋から一旦姿を消すと、間もなく湯気の立つコーヒーカップを乗せたソーサーを持って現れ、それを机の上にガチャンと無造作に置いた。
「どうだい、熱いコーヒーでも飲んで少し落ち着いては。」そう言うと男はソーサーを前方に指でスーッと押し出した。
「私が納得するまで、何度でも話してもらうよ。そう、もうよいと言うまで、何度でもね。」

私の名前はSUMIRE。警視庁公安部外事第○課の捜査員。
私たちのチームは国内に潜伏するZ国のテロ組織を暴き、一網打尽にするのが任務だった。
そこで私に与えられた使命は組織に潜入し、活動拠点と武器調達ルートを探ること。
そのチームのボスが、今目の前で私に質問を繰り返し投げかける草八木課長である。
草八木の表情は一見柔和だが、私を見るその目には明らかに疑念の色が窺われる。
そうなのだ、私は疑われているのだ。

―――――――――――――――

3週間前、私は用意されたツテを利用して、ターゲットである貿易会社マサダ商事の社長秘書として首尾よく同社の中核に入り込むことができた。
社長の暗崎一郎は70歳の老人であったが、案の定あえて露出度を高めた私の服装に好奇の目を輝かせ、露骨な寵愛の態度を示してきた。
狙い通りだ。
私はさっそく社長命を語って、各部署のファイルから倉庫内に保管された書類に至るまで次々に調べ上げていった。
程なく私は社内での業務の他に、暗崎社長の私邸で身の回りの世話なども任されるようになり、社内ばかりでなく私邸での探索も容易となって情報収集は質量ともに格段に上がった。
こうして入社1週間で私は同社の表向きの顔とは異なるもう一つの顔を暴き出すことに成功した。
Z国諜報部とのコネクションは明白で、工作員の潜伏先、資金や武器の調達経路も着々と把握しつつあった。

しかし、予想以上のスムースな進展に私はつい油断し、そこに巧妙な罠があることなど考えもしなかった。
今思えば、ここ一両日、私は奴らにまんまと泳がされていたようだ。
マサダの秘書に就いて2週間経ったある日、社長の留守を見計らって私邸の書斎で秘密リストを探っていた私は、突然書斎のドアが外から施錠されたことに気づいた。
私は身の危険を察し素早く書類を元に戻すと、ドアノブに取り付いて「中にいます。開けてください!」と弱りきった声で叫んだ。
業務中うっかり閉じ込められてしまった軽率な秘書を演じる私に、ドアの外から男の声が静かに語りかけてきた。
「いったい君はそこで何をしていたのかね。私はそんな指示を出した覚えはないが。」暗崎社長の声だった。
「あ、あの、書斎のお片づけをしようと・・・・」私は咄嗟に嘘の弁解を述べたが、暗崎社長はそれを遮り言った。
「ふふふふ、もうよい。ここからはお互い本当のことを話そうじゃないか。」
シューーーーー・・・・ かすかに聞こえてくる空気音。「ガスか?」
やがて私の意識は徐々に遠のき、くらっと眩暈がしたのを最後にその後のことは記憶が残っていない。

文章 蝉丸
写真 杉浦則夫
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