放課後の向うがわⅡ-42

「ほほっ。
 そうよね。
 大丈夫よね。
 ていうか……。
 大好きなんだもんね。
 こんなふうに、苛められるのが。
 そういうの、マゾって云いますのよ」
「違います」
「違わないでしょ。
 こんなに乳首、尖らせておいて」
「クリップに、挟まれてるから」
「わたしが言ってるのは、挟まれてないほうの乳首よ。
 ギン起ちじゃないの」
「違います違います」
「まぁ、さっきは教師の鏡だったのに……。
 今度は、教師にあるまじき言動だわ。
 先生、嘘はいけませんね」
「嘘なんかじゃない」
「そんなら、そのお股の汁は何なの?」
「それは……。
 さっき、バイブで……」
「それは、さっきでしょ。
 今、流れてるのは、何なのって言ってるの」
「……」
「今度はだんまり?
 何とか言いなさいよ。
 じゃ……。
 言わせてみせよう、ホトトギス」

 あけみ先生は、クリップを繋ぐチェーンを摘んだ。
 そのまま、ゆっくりと後退る。
 銀の鎖は、虚空に“く”の字を描いた。

「感じる感じる。
 2人の体温。
 チェーンを伝って、昇って来るわ」
「くくく」
「痛い?、川上先生。
 じゃ、おしっこ漏らしたら、許してあげる。
 ちょうど、犬がおしっこするポーズじゃないの。
 そのまましてごらんなさい。
 理事長、びしょびしょにしてやって」

 川上先生は、大きくかぶりを振った。

「岩城先生。
 ほんとにそれで、ゆうちゃんを助けてくれるの?」
「もちろん」
「ゆうちゃん、いいのよ。
 そのままおしっこして」

「できない。
 そんなこと、できません」

「気に入らないわね。
 本音を言いなさいよ。
 相手はどうなってもいいから、自分だけ助けてって」
「わたしたちは、あなたとは違うの!」
「あら、ご挨拶ね。
 憎たらしい口。
 あー、思い出してきた。
 この塔の建設当時。
 その口で、毎日毎日命令してくださしましたよね。
 ちょっと黙っていただこうかしら」

 あけみ先生が、理事長の乳首を挟むクリップに手を伸ばした。
 理事長の背筋に、力線が走った。
 上体を捻り、起きあがろうとしたのだ。

「おっと」

 一瞬早く、あけみ先生が肩を押さえつけた。
 理事長の上体が潰れる。

「危ない危ない。
 脚が自由なの、忘れてたわ。
 美里、理事長の身体、こうやって押さえてて。
 早く」

 言われるままに、理事長に被さる。
 何の香水だろう。
 かなり強い香りなんだけど、鼻を刺すような鋭さはなかった。
 逆に、わたしの顔を包みこむ、蒸気みたいなやわらかさを感じた。
 たぶん、香水と汗が混じった匂いなんだと思う。
 なぜだか、これが本物の香水の香りなんだって感じた。
 香水は、汗と混じって初めて、本物の香りを噴きあげるんだって。

 その間にも、あけみ先生の手は休まなかった。
 理事長の下半身に回り、膝上にロープを巻いてる。
 見とれるほどの手際だった。
 細めのロープが、重ならずに綺麗に並んでいく。

「ほら、脚あげて。
 オシメを替えてもらうポーズよ。
 赤ちゃんのとき、してたでしょ?
 覚えてない?
 嘘おっしゃい。
 今でも、毎晩やってるくせに。
 おまんこ舐めてぇ、って」

 あけみ先生は、理事長の太腿を持ちあげようとした。
 理事長は、脚をバタつかせて拒んだ。
 あけみ先生は、宙を蹴る膝下を胸の前に抱えた。
 そのまま、お尻を下ろす。
 お尻が理事長の腿裏を押さえつけ、理事長の脚は、お腹にくっつくまで折り畳まれた。
 あけみ先生は、体重を乗せたまま手を伸ばし、理事長の脚と上体をロープで繋いだ。
 理事長の抵抗も虚しく、もう1本の脚も、あっという間に畳まれた。

「ほら、おねだりポーズのできあがり。
 仰向けで、おまんこ全開。
 この格好、大好きでしょ?
 言ってごらんなさい。
 おまんこ舐めてって」
「いやよ。
 あなたとは違うわ」
「どう違うの?
 おんなじよ。
 お汁を垂らすおまんこを持った、雌同士じゃないの。
 ほら、理事長の腿裏に、わたしのお汁が光ってる」
「解いて!
 解きなさい!」
「まだ、わからないの?
 命令できる立場じゃないってことを。
 そんな口が、二度と利けないようにしてあげるわ」

 あけみ先生は、理事長の乳首からクリップを外した。

「ほら、お口開けて」

 もちろん、理事長が従うわけない。
 口を一文字に引き締めたまま、あけみ先生を睨みあげた。

「まぁ。
 素敵な眼差しですこと。
 そんなお顔が出来ないように……。
 心を折ってさしあげますわ。
 このチェーンじゃ、長すぎるわね」

 女王さまは、川上先生の乳首からもクリップを外した。
 床から、別のクリップを拾いあげる。
 今度のは、クリップを繋ぐチェーンが、ずっと短かった。

「ほら、お口開いて。
 まだ言うこと聞かないわけ。
 美里、そこに転がってるバイブ、拾って。
 そう。
 持ってきて。
 ふふ。
 ほら、理事長。
 大好きなオモチャが届きましたよ。
 でも、下のお口はお預けね。
 上のお口に咥えるのよ。
 ほら、あーん」

 理事長は、頬に腱が走るほど口元をきつく閉めた。

「相変わらず悪い子ね。
 わたし、自分の筋書き通りに事が進まないと、いらいらするの。
 手荒なことはしたくないんだけど……。
 仕方ないわね」

 あけみ先生は、バイブの先を理事長の口元に近づけた。
 理事長は首を振って逃れる。

「そうか。
 縄でがんじがらめにしても、首だけ動くっての忘れてた。
 じゃ、こうやって固定しようか」

 あけみ先生は、立膝の姿勢を取った。
 そのままにじり寄り、理事長の頭を両膝で挟む。

「どう?
 動けないでしょ。
 ははは」
「止めて!
 岩城先生、ほんとに止めて」
「あら、川上先生。
 そんなこと言って。
 ほんとは、このバイブが欲しいんじゃなくて?
 おねだりしたら……。
 ちょっとだけ味見させてあげる」
「そしたら、理事長先生は許してもらえますか?」
「それは、川上先生のセリフしだいよ。
 心を込めて、迫真のセリフを言ってくださいね。
 はい、オーディション、スタート。
 ほら、言って」
「そのバイブを、わたしにください」
「カーット。
 なにそれ?
 ダイコンにもほどがあるわ。
 英文和訳じゃ無いのよ」
「じゃ、なんて言えばいいんですか!」
「仕方ないわね。
 じゃ、わたしの言うとおり続けるのよ。
 『その、ズル剥けの犬のちんぽみたいなピンク色のバイブを、わたしの発情したまんこに、思いっ切り突っこんでください』。
 はい、言ったんさい」
「……、そのバイブを」
「ズル剥けが抜けてる」
「ズル剥けの……。
 うぅ」
「また、泣いてごまかす。
 ほんとは、下のまんこの方が泣いてるくせに。
 可哀想だから、ちょっとだけ入れてあげる。
 先っちょだけよ」

 駆動音が立ちあがり、バイブがうねり始めた。
 あけみ先生は、理事長の頭を挟んだ立膝のまま、バイブを燭台のように掲げた。
 ピンク色の蝋燭が、天を指してくねってる。
 あけみ先生は、手を伸ばしたまま、ゆっくりと燭台を下げた。
 バイブが、川上先生の股間を見上げた。

「ほら、さっきの続き。
 『まんこに突っこんでください』。
 ほら、言って」
「ゆうちゃん、言っちゃダメ」
「あ、惜しい。
 今、口開いたのにね。
 うっかりしてたわ。
 今度、口が開いたら、容赦しないから。
 ほら、川上先生。
 どうしたんですか?
 セリフが途中ですよ。
 『ヤラしいお汁を垂れ流すゆうのまんこに、そのぶっといバイブをぶち込んでください』。
 もたもたしてると、どんどんセリフが変わっちゃうんだから」
「うぅ。
 助けて。
 理事長先生、助けて」
「ゆうちゃん!
 ゆうちゃん!
 岩城先生!
 この人でなし!」

 理事長は、阿修羅のような形相で、あけみ先生を見上げた。

「うるさい女。
 やっぱり、この口を先に塞がなきゃダメね」

 あけみ先生は、掲げたバイブを逆手に持ち替え、理事長の口元に近づけた。
 理事長の唇が、真一文字に閉じる。

「ほら、口開いて」

 理事長は懸命に顔を振って逃れようとするけど……。
 あけみ先生の両膝が、理事長の頭をがっちりと押さえつけてた。
 バイブの先端が唇を割った。
 でも、それ以上は進まない。
 象牙の城郭みたいな前歯が、敵の侵入を阻止してるのだろう。

「開かぬなら……。
 開かせて見せよう」

 歌うように唱えながら、あけみ先生のもう一方の手が、理事長の鼻に伸びた。
 鼻梁を摘む。


本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「川上ゆう」 「結」 「岩城あけみ」

《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週日曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。


おもらし少女 桜瀬奈 緊縛桟敷 掲載開始

桜瀬奈杉浦則夫緊縛桟敷にて掲載開始。
大人になっても月に一二度おねしょをしてしまう、今日はとくにひどい、パジャマの背中まで濡らしふとんに大きなシミができてしまった。
運悪く日頃いやらしい目つきで私を観察する義父にみつかり、格好な折檻の口実を与えてしまった。
母の留守をいいことに小心者の義父にこんな性癖があったのかと驚かされる折檻を受けてしまった。
後ろ手に縛られた私にむかって臭い息をふりかけながら「おまえのオ○○コはどうしてこんなにゆるいのだ』といやらしいことをぶつぶつ言い続け、濡れた私のお尻を容赦なくたたきつける。
もちろんこんな義父の姿をみるのは初めてでただ唖然とするばかりだ。私は恥ずかしさでほとんど金縛りになりなんの抵抗もできないのをいいことに義父は私の恥ずかしいところを前から後ろから容赦な指を入れてくる。
金縛りの私でも頭ははっきりと働く、男は自分の欲望をこんなことをして満たして満足できるのでしょうか、私のあそこに入れた濡れた指をさもおいしそうに舐めている義父の興奮した目を盗み見た私はこの家にはもういられないと覚悟を決めました。
    お母様へ


放課後の向うがわⅡ-41

 床に仰向いた理事長の真上に、川上先生がぶら下がってた。

「暑っつ。
 美里、タオル取って。
 ほら、その柱に下がってるでしょ。
 バスタオル」

 畳の脇の太い柱には、手を横に伸ばせば取れる位置に、白いバスタオルが下がってた。
 タオルは、柱に付いた大きなフックに掛かってるようだった。

「うわっ」

 何の気なしにタオルを外したわたしは、その場で飛び退った。

「はっはっは。
 大成功。
 いいリアクションしてくれるわね」

 わたしが驚いたのは、タオルの方じゃなく……。
 タオルが掛ってたフックだった。
 柱からは、水平に男性器が突き出してたの。
 さっきのあけみ先生の話で……。
 理事長と川上先生が舐めてたというディルドゥに違いなかった。

「どう?
 試してみる?
 そいつにバージン捧げるってのも、ひとつの青春よ。
 ははは。
 冗談だって。
 タオル、持ってきて。
 ありがと」

 あけみ先生は、形ばかりの仕草で顔を拭くと、タオルを放り捨てた。
 そんなに汗なんて掻いてなかったみたい。
 タオルは、わたしを驚かせたくて外させたんだろう。
 そうとうテンションが上ってるようだ。
 むしろ、拭かなきゃダメなのは、股間の方だった。
 内腿には幾筋もの雫が伸びて、光を映すほど光ってた。

「お2人さん。
 ご対面ですよ。
 あらあら、まだ寝てる気?」

 理事長は、上体だけ縛られたまま、畳に仰向いてる。
 その上に被さるように、川上先生が吊られてた。
 川上先生の姿は、あられもなかった。
 戒められた両脚が、これ以上無いほどに開かれ……。
 股間を隠すものは何もない。
 しかも、その股間から会陰にかけては、明らかに濡れ光ってた。
 上下から縄で潰された乳房は下を向き……。
 乳首が、真下の理事長を指して突き出てる。
 その2人を、柱の男根がじっと見つめてた。
 一つ目の穴から、今にも精液が噴き出しそうだった。

「さてと。
 舞台は整ったと云うのに……。
 女優さん方は、いつまで寝てる気かしら。
 理事長先生、起きてください。
 もう、幕が上がってますわよ」

 あけみ先生は、理事長の腕を爪先でつついた。
 理事長の首が揺れ、うっすらと目蓋が開いた。
 瞳はまだ、夢の中に溺れてるようだった。

「やっとお目覚め?
 お望みどおり、2人一緒にしてあげましたよ。
 川上先生も、いつまで寝てるつもり?
 起きて」

 あけみ先生は、川上先生の肩を小さく突いた。
 川上先生の身体が、わずかに揺れる。
 目覚めをむずかるように、縄が軋んだ。
 川上先生の眉根に皺が寄った。
 意識が戻りつつあるようだ。

「むぅん」

 先に覚醒したのは、理事長だった。
 彷徨ってた瞳が、真上で焦点を結んだ。
 むろん、瞳が捉えたのは、自分に被さるように吊られた川上先生だった。

「ゆうちゃん……」

 その声が聞こえたのか、続いて川上先生も目を覚ました。
 理事長を呆然と見下ろしてた瞳に、生気が戻った。

「理事長先生」
「大丈夫?、ゆうちゃん」

 川上先生の顔が歪んだ。
 下を向いた瞳から、雨だれのように涙が零れた。
 涙の粒は、理事長の額にぼたぼたと降り注いだ。

「あら。
 いきなり愁嘆場なの?
 そういうの、好きじゃないのよね。
 どう?
 ご気分は。
 お望みどおり、2人一緒にしてさしあげましたのよ」
「岩城先生、もう許して。
 お願い」
「ダメー」
「川上先生だけでも、助けてあげて」
「いえ。
 岩城先生、お願いします。
 理事長先生の縄を解いて」
「うらやましいわね。
 仲がおよろしくて。
 理事長。
 お言葉どおり、2人一緒にしてあげたんだから……。
 女王さまを呼んでちょうだい。
 どうやったら来てくれるの?」
「わからないのよ。
 ほんとなの。
 突然現れるの。
 塔の鍵も持ってないのに。
 廊下に足音もせず、扉が開く音も聞こえない。
 なのに、この部屋に突然降り立つの」
「呆れた。
 それじゃ、ルルドのマリアさまじゃないの。
 2人のベルナデッタの前に、ご降臨されるって云うわけ?
 まるっきり宗教だわ。
 エロ宗教ね。
 そうか。
 2人一緒でも、サカってなきゃダメなのか。
 でも、残念ながら……。
 これ以上、2人は近づけないのよ。
 川上先生の縄、いっぱいいっぱいだし」
「だから解いて」
「バカ言うんじゃないわよ。
 解いてあげたら……。
 わたしの前で、レズビアンショーでも見せてくれるって言うの?
 なわけないでしょ。
 そうだ。
 直接は、触れなくても……。
 繋げてあげることは、出来るわ。
 美里。
 机のとこ行って。
 さっき、バイブの入ってた引き出し」

 机の方に身体を向けるとき、脚がもつれてよろけた。
 自分の脚みたいじゃなかった。
 夢の中の、ふわふわした地面を踏んでる感じ。

「ちょっと、美里、大丈夫?
 酔っぱらいみたいよ。
 場の空気に酔ったのかしらね。
 この2人の噴きあげるエロ蒸気が、空中で醸されたのかも?
 そうそう、その引き出し。
 開けてみて。
 クリップが入ってるでしょ。
 銀色のチェーンが付いてるやつ。
 そう、それ。
 あるだけ持ってきて。
 絡ませないようにね」

 大小さまざまなクリップが、チェーンで繋がってた。
 手の平に冷たい鎖を載せ、先生のところまで運ぶ。
 もちろん、こんなことするの初めてなはずなのに……。
 なぜだか、こういうことを幾度も繰り返してきた気がした。
 ひょっとしてわたしは……。
 どこか遠い古代の国で、こんな仕事に仕える小間使いだったのかも知れない。

「じゃ、その大きいやつを渡して。
 あとのは、そのまま持ってるのよ」

 先生は、クリップの片方を摘み、空中に吊るした。
 真下に伸びる細いチェーンの先には、もうひとつクリップが付いてる。

「これ、何に使うものだと思う?
 ふふ。
 これはね、女と女の命を繋ぐ道具。
 2人の体温がクリップを温め……。
 チェーンを渡って繋がるの。
 それじゃ……。
 どことどこを繋げてあげましょうか?
 お好きなところをおっしゃって。
 理事長先生」
「お願い、もう助けて」
「女王さまが来たら、助けてくださるわよ。
 早く来てくれるといいわね」
「あの方が来たら、あなたなんてやっつけられるんだから」
「ふふ。
 そんな筋書きじゃ、面白みに欠けるわね。
 やっぱり、どんでん返しが無いと。
 ちょっとだけ教えましょうか。
 このシーンの結末。
 突然現れた女王さまは……。
 そこで、昔の恋人と出会うのよ。
 わかる?
 それが、わたし。
 わたしとあの女王さまは、高校生のころからの恋人なの」
「嘘よ。
 そんなの、嘘だわ」

「ウソかどうかは、そのときのお楽しみね。
 ほら、早く呼びなさいよ。
 もたもたしてると……。
 わたし、責め殺しちゃうかも。
 大小便垂れ流して、骸になってからじゃ遅いでしょ。
 ほら、早くってば」
「助けて!
 お姉さま、助けて!」
「ほっほっほ。
 ほんとに呼んだわ。
 バカじゃないの?
 でも、そんなオバカな理事長って、嫌いじゃありませんわ。
 とーっても、可愛い。
 可愛すぎるから……。
 乳首、挟んであげる」
「ぎひぃ。
 痛い痛い痛い。
 痛いぃぃぃ」
「やかましい人ね」
「理事長先生!
 大丈夫ですか?
 岩城先生、外してあげて!
 お願い」
「まぁ、妬けちゃうわ。
 じゃ、川上先生が身代わりになってくださる?」
「代わります。
 だから、理事長先生を助けて」
「素晴らしい。
 わが校の校訓、“愛他の心”そのものだわ。
 まさに、教師の鏡。
 それじゃ、お望みどおり……。
 挟んであげるわね。
 理事長とおんなじとこ。
 ほら」
「あぎ」
「ちょっと、そんなにロープ揺らさないで。
 切れちゃうでしょ。
 どう、ご気分は?」
「い、痛いぃ」
「外してほしい?
 じゃ、おっしゃい。
 理事長のはそのままにして、自分のだけ外してくださいって」
「いやです。
 理事長先生のを外して」
「まぁ、ご立派。
 理事長先生、お聞きになりました?
 校訓の真髄、ここにあり!」
「ゆうちゃん!
 大丈夫?、ゆうちゃん。
 お願い、ゆうちゃんだけは助けて」
「でもわたし……。
 こういうの、嫌いなんだなぁ。
 お互いにかばい合うっての。
 化けの皮、剥がしてやりたくなっちゃう」
「ゆうちゃん、痛い?」
「だ、大丈夫です。
 わたしは大丈夫」


本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「川上ゆう」 「結」 「岩城あけみ」

《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週日曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。