放課後の向うがわⅡ-23

 わたしは、乗っかったまま後ろにスライドし、両膝を挟むように立て膝になる。
 さすがに、タイトスカートは引きちぎれないから……。
 サイドホックを外す。
 ファスナーを下ろすと、筒状の布を抜き取る。
 現れたのは、再びふたつの丘。
 さっきは乳房だったけど、今度はお尻ね。
 相臀は丸々と膨れて、大きな瓜が並んだみたい。
 もちろんまだ、ストッキングとショーツのラッピングに包まれてるけど。

「イヤらしいお尻。
 男なら、見ただけで射精しちゃいそう。
 先生……。
 何人の男が、このお尻を抱えて腰を振りましたの?」

 先生は答えず、わたしの下から這い出そうとする。
 お尻に力が籠り、肉が蠢く。
 もう我慢出来ない。
 ストッキングのウェストに両手を掛け、引き下ろす。
 途中でショーツも引っ掛け、一気に抜き取る。

「ほら、見えた。
 天使のえくぼ」

 腰骨の上には、葉陰のような2つの窪み。

「先生、もう堪りませんわ。
 わたしのおちんちん、弾けちゃいそう。
 ほら、お尻を上げて。
 上げてってば」

 先生は、歯を食いしばったまま、言うことを聞かない。

「そういう子には、またお仕置きよ。
 生徒への体罰は、教則で固く禁じられてるけど……。
 教師同士なら、問題ありませんものね」

 わたしは、思い切り片手を振り上げる。
 股間の陰茎が、真似をしたがる子供のように、一緒に伸びあがる。
 鞭のように矯めた片手を、バレーボールのアタックみたいに振り下ろす。
 丸いお尻に。

 ビシッ!

「ひぃっ。
 痛いぃ」

 お尻には、わたしの手形がみるみる浮きあがる。
 わたしは、2度めの腕を振りあげる。
 川上先生の横顔が、子供みたいに歪む。
 それが、わたしの嗜虐心に火をつける。
 上体を捻りながら、渾身の一撃を叩きおろす。

 ビッシィ!

「ひぎぃ」

 ゼリーみたいな尻肉の揺れが収まると、2つめの手形が浮き出てくる。
 ひとつめの手形とは僅かにズレ重なって、まるで拍手してるみたい。
 そう、それは、川上先生の白いお尻を讃える、わたしの喝采。

「お尻を上げなさい。
 これは命令よ」

 川上先生は、ベソをかきながら、もぞもぞと両膝を折り畳んだ。

「さーて。
 それでは、突っこませていただこうかしら。
 でも、この態勢だと、ちょっとこっちが苦しいわね。
 どうしようかな……。
 あ、いいこと思いついた。
 そのまま、じっとしてるのよ。
 逃げようとしたら、もっと酷い目に合うんだから。
 もっとも、両手が使えなかったら、ドアノブも掴めないでしょうけど」

 わたしは、更衣室の隅から、椅子を持って来る。
 ほら、家庭科におばあちゃん先生がいるでしょ。
 あの先生、膝が悪いの。
 で、靴下履くのに苦労してるみたいだったから……。
 わたしが、音楽室の古いピアノ椅子、ここに持って来てあげたのよ。

「はい。
 川上先生、この上に乗っかって。
 ほら、もたもたしない。
 また痛い目に合いたい?」

 思ったとおり。
 川上先生は、痛みの王の前では、素直な奴隷になる。

「ちょっと、何まともに座ろうとしてるの。
 そうじゃないでしょ。
 反対向き。
 背もたれの方を向いて、膝で上がるの。
 そうそう。
 いい子ねぇ」

 わたしは、先生の顔を後ろから覗きこむ。

「どう?
 ご気分は。
 更衣室の片隅で、女から突っこまれるご感想は?」

 先生は、何も言わず奥歯を噛み締めてる。

「あれ?
 川上先生?
 ひょっとして、乳首起ってません?」

 先生は、懸命に顔を振る。
 乱れた髪の毛が、頬を打つくらいに。
 でも、その仕草とは裏腹に、戒められた乳房の中心で……。
 乳首は明らかに尖ってた。

「お口は嘘つきだけど……。
 身体は正直ね。
 ほんとは大好きなのよね。
 屈服するのが。
 そして、もっと好きなのは……。
 苛められること」

 わたしは、トッピングみたいに突き出た乳首を摘む。
 力を籠めると、弾力が指を跳ね返してくる。

「こうされるのが、好きなんでしょ。
 グリグリ」
「いやぁぁ」
「正直じゃないわね。
 大好きなんでしょ?
 こんなふうに苛められるの。
 ほら、一生懸命我慢してるのがわかるわ。
 大好きって叫びだしたい口を、懸命に堪えてる。
 足の指を、力いっぱい折りたたんでるのが、その証拠。
 足の裏が皺々になるほどじゃありませんか」

 川上先生は、座面に頬を擦りつけながら、懸命に首を振ってる。

「言ってご覧なさい。
 こういう格好で苛められるのが、大好きですって」
「ち、違います」
「どう違うの。
 それじゃ、証拠を見せてもらいますわ。
 お尻上げて。
 おまんこ見せてくださらない?
 もし、そこが泣き崩れてなかったら……。
 先生のおっしゃること、信じてさしあげられますわ。
 ほら、どうしたの?
 お尻、上げてってば。
 上げなさい!」

 わたしは、丸々としたお尻に、手の平を振り下ろす。
 肉音が、嬌声のように響いた。

「ほら、お尻真っ赤よ。
 わたしの指、ピアノで鍛えてるから、けっこう効くでしょ?
 もう一発あたったら、内出血しちゃうかも。
 彼氏、変に思いますよ。
 いいんですか?
 いいんですね」

 わたしは、思い切り腕を振りあげる。

「止めてぇ」

 川上先生のお尻が上がった。
 豊かな相臀のあわいに、おちょぼ口みたいな肛門が穿たれてる。
 そしてその下、少し色素の沈着した会陰に連なり、雌の生殖器が覗いてた。

「ふふ。
 思ったとおり。
 どうして、こんなに濡れてるんですの?
 あら。
 まだ、首振ってるの?
 こんなに、てらてら光らせておいて。
 触ってみれば、もっとよく分かるわ」

 わたしは、湧き水を掬うみたいに、下から手の平を差し入れる。
 手の平が触れたとたん、川上先生のお尻が跳ねた。
 ドミノが倒れるように、背骨がうねった。

「熱っつい。
 こんなに火照らせちゃって……。
 発情中の雌そのものじゃないですか」

 川上先生は、わたしの手の平から逃れようと、お尻を上げた。

「まぁ、はしたない。
 肛門が丸見えですわよ」

 自分の格好に改めて気づいたのか、先生はお尻を下げた。
 わたしの手の平に、性器が落ちてきた。
 バターまみれの熱いアワビ。
 再び跳ね上がろうとするお尻を、わたしのもう一方の手が押し下げる。
 白い羽二重のお尻と、アワビのサンドイッチね。
 わたしは、掬った手の平を動かし、位置を探る。
 揃えた指先の腹が、突起を捉えた。
 皮に包んだまま、ゆっくりと練り始める。

「あぅぅ」

 先生の肛門が、切ない呼吸を始めた。

「まぁ。
 敏感ですこと。
 クリが、気持ちいいんですね。
 オナニーでも、こうやってるのかしら?
 クリを恥骨に絡めながら、焦らすように揉みしだくと……。
 長いこと楽しめますよね。
 お休みの日には最適。
 でも、こんなおまんこしてたら……。
 お休みの日だけのオナニーじゃ、とうてい我慢出来ないでしょ?
 時間の無いときは、どうしてるんです?
 たとえば……。
 学校のトイレとか?
 してないの?
 ウソおっしゃい。
 急ぐときは……。
 こうやって、一気に追い詰めるのよね」

 わたしは、揃えた指先に力を籠める。
 指先の描くオーバルが、周回を速める。
 軌道の下で、陰核が練りあげられていく。

「あひぃぃぃぃ。
 いっ。
 いっ」
「あら、もうイキそう?
 お手軽な人ね」

 わたしは、手の平を外す。

「あぁっ」

 先生の口から、非難めいた悲鳴が漏れた。

「ふふ。
 そう簡単にイカれたら、わたしがバカみたいじゃないの。
 ご奉仕してるみたい。
 でも、ほら。
 この手の平。
 滴るお汁で、びっしょり。
 床まで濡らして。
 そこにバケツがあるから、後で拭いといてくださいね。
 さてと。
 それじゃそろそろ、中を楽しませていただこうかしら。
 お尻あげて。
 ほら、上げなさい!」


本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「川上ゆう」 「結」 「岩城あけみ」

《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週日曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。


放課後の向うがわⅡ-22

 あけみ先生は、川上先生に近づいた。
 川上先生は、顔を背けたまま動かない。
 あけみ先生は、ゆっくりと上体を折ると、川上先生の髪に鼻を埋めた。

「いい香り……」

 川上先生は懸命に頚を折り、逃れようとした。

「そんなに嫌がらなくてもいいでしょ。
 そう言えば、思い出した。
 バスの中で、一度だけ痴漢シーンを見たことがあるの。
 でも、あれは痴漢行為とは云えないのかな?
 だって、女性は気づいてなかったんだから。
 若い女性だったんだけど……。
 その後ろに、男が立ってた。
 ちょっとくたびれた、失業中みたいな感じの中年男。
 そいつがね、若い女性の後ろから、髪の匂いを嗅いでるの。
 もちろん、鼻を突っこんだりはしてなかったけど。
 うっとりと目を閉じて、ほんとに気持ちよさそう。
 ていうか、ほんとに気持ち良かったんだと思う。
 だって、右腕のジャンパーの袖が、小刻みに動いてたもの。
 あれは絶対、袖から出た手が、自分のちんぽ弄ってたのよ。
 ひょっとしたら、フィニッシュまでいっちゃったかも?
 女性のスカートのお尻には、工作用の糊みたいなのがベッタリ?

 ほほ。
 その時の男の気持ち、今わかったわ。
 女性の後ろから、髪の匂いを嗅ぐって、こんなにいいものなのね。
 わたしもこのまま、しちゃおうかしら。
 あの時の男みたいに。
 でも、精子をかけられないのが、ほんとに残念。
 せめて、こすりつけようかしら。
 そのまんまるなお尻に、おまんこのお汁を」

 あけみ先生は、腰を突きつけるように、にじり寄った。

「い、いやぁぁ」

 川上先生が悲鳴を噴きあげ、身を捩った。

「ゆうちゃん?
 ゆうちゃんなの?」

 振り返ると、理事長が懸命に頚をもたげてる。

「理事長先生。
 助けて……」
「どうして……。
 どうして、ゆうちゃん……。
 いえ、川上先生にまで、こんなことするの!
 岩城先生、どうして!」

「ふふ。
 ゆうちゃん、か。
 まさか……。
 学園の理事長と英語教師が……。
 レズビアンの関係にあるなんてね。
 驚いちゃうわよね」
「そんな!
 違います」
「違いません。
 だってわたし、見ちゃってるんだもの。
 お2人のお熱い場面。
 鼻の穴膨らませて、ふーふーいいながら、はしたないことしてらっしゃいましたよね。
 ここで」
「ウソ……」
「ウソじゃないことは、お2人が一番ご存知でしょ。
 なんなら、証拠を見せましょうか?
 佳境の場面の写真、撮ってありますのよ」
「目的は何なの?
 岩城先生、これは明らかに犯罪よ。
 こんなことまでして、どうしようって言うの!」
「どうしようかしら?
 何されたい?
 最後は、2人の愛の集大成に、心中させてあげましょうか?
 わたしがお手伝いしますわよ。
 このロープで。
 お2人の細い頚を並べて縛って、締めあげてさしあげます。
 お2人は、頬を寄せ合いながら……。
 互いの顔から、目玉や舌が飛び出すのを見届けて死んでいくの。
 噴きあげる便臭の中でね。
 どう?」
「狂ってる……。
 狂ってるわ」
「そうよ。
 だから、ほんとに何するか、わからないわよ」
「助けてあげて。
 川上先生だけは、助けて」
「ゆうちゃん、でしょ?
 言ってご覧なさい」
「……ゆうちゃんを、助けて」
「まぁ、妬けちゃうわね。
 でも、理事長。
 こんな目にあってるのは、そのゆうちゃんのせいなんですのよ。
 この塔への鍵をわたしにくれたのは、川上先生なんですもの」
「ウソです!
 そんなこと、してません!」
「したのよ。
 もちろん、そんなつもりは無かったんだろうけど」

 あけみ先生は、オーバーブラウスのポケットから、鍵束を取り出した。
 2人に見せつけるように指先で吊るし、鈴のように振ってみせる。
 擦れあった鍵は、しゃらしゃらと儚い音を立てた。

「夏休みに、更衣室のロッカーが入れ替えられたでしょ。
 前のロッカーは、ほんとに酷かったですよね。
 あんなところに予算をケチって、旧校舎のロッカーが転用されてたんですもの。
 でもさすがに、鍵の無くなったのやら、扉が閉まらなくなったのが多くなって……。
 ようやく新品に入れ替えられることになった。
 搬入は、夏休み。
 でもその日、搬入に立ち会うはずだった事務員が休んじゃったのね。
 ま、父親が急死したんじゃ仕方ないわ。
 で、たまたま事務員からの電話を受けたわたしが、代わりに立ち会うことになったわけ。

 立ち会うったって、大したことするわけじゃないの。
 ここに入れてくださいって、業者さんを案内して……。
 後は、設置後に検収するだけ。
 何事もなく終了したわ。
 新しい金属の匂いが、部屋いっぱいに広がってた。
 で、業者さんに御苦労さまでしたって言おうとしたら、鍵をひとつ渡されたの。
 もちろん、個々のロッカーに掛かる鍵は、それぞれ鍵穴にぶら下がってる。
 リングで繋がれたスペアキーも一緒にね。
 首を傾げたわたしに、業者さんは、その鍵の役割を説明してくれた。

 マスターキーだったのよ。
 今時のロッカーでは普通らしいけど、思いもつかなかったわ。
 つまり、個々の扉は、それぞれの鍵で開け閉めするわけだけど……。
 ほかにもうひとつ、すべての扉を開閉できるキーがあったわけ。

 そのときは感心しただけで、スカートのポケットに仕舞ったんだけどね。
 もちろん、その鍵をどうこうしようなんて、考えもしなかった。
 事務員が復帰したら、渡すつもりだったわ。
 でも、父親の葬儀だから、忌引きが長かったのよ。
 で、ポケットに入れたまますっかり忘れちゃって……。
 そのスカート、たまにしか穿かないやつだったから、ずっとワードローブに下がったまま。
 気づいたのは、スカートをクリーニングに出そうとしたときだった。
 鍵を受け取ってから、10日も経ってた。
 そうなると、今さら出しにくいわよね。
 マスターキーをずっと持ってたなんてことが知れたら、なに疑われるかわからない。

 それに……。
 事務員を始めとして、マスターキーがどこにあるかなんて、誰ひとり聞かなかったのよ。
 つまり、新しいロッカーにマスターキーがあるってこと、誰も知らなかったわけでしょ。
 そんなら、最初から無かったことにすればいいやって……。
 机の奥に仕舞っちゃった。
 そんときは、それでお終い」

「あれは、2学期が始まったばかりのころだった。
 放課後。
 川上先生の後ろ姿を見かけた。
 ぷりぷりのお尻を見送ってると……。
 先生は、真っ直ぐに塔への扉に向かって行った。
 あの塔は、一般教師には無縁の場所のはず。
 不思議に思って見てると……。
 川上先生は、扉の前まで来て振り返る素振りを見せた。
 あわてて、廊下の曲がり角に身を隠した。
 わたしがコソコソしなきゃならない理由は無いんだけどね。
 でも、川上先生の挙動には、そうさせる怪しさがあったの。

 好奇心が抑えられず……。
 角から偶然出てきたって感じで、もう一度廊下に踏み出した。
 川上先生は、もう背中を向けてた。
 で、ポケットから何か出すと、それを扉に差しこんだ。
 扉が開いた。
 驚いたわ。
 一般教師が、塔への鍵を持ってるなんて。
 川上先生が扉の向こうに消えた後……。
 扉に駆け寄り、ノブを回してみたけど、開かなかった。
 向こう側からロックしたのね。

 俄然、探究心が湧いた。
 どうして、わたしより後輩の川上先生が、塔への鍵を持ってるのか。
 川上先生が鍵を差しこんだとき、手の平から革のストラップが下がってるのが見えた。
 そのストラップには、見覚えがあったの。
 すぐに思い出したわ。
 更衣室で見たんだって。
 わたしと川上先生のロッカーは、通路を挟んで向かい合ってる。
 つまり、ロッカーを使うときは、背中を向けてるわけだ。
 偶然、更衣室で一緒になることも、珍しくはなかった。
 お互い後ろを向いて他愛ない話をしながら、わたしは川上先生の背中を見てた。
 なぜ見えるかと云うと……。
 ロッカーの扉の裏には、小さな鏡が付いてるから。
 扉を一杯に開いてると、真後ろが見えるのよ。

 鏡に映る背中は、ほんとに魅力的だった。
 豊かな肉付きが、ブラウス越しにも見て取れた。
 真っ白いうなじから続く肌を想像する。
 きめが細かくて、手の平を当てたら、しっとりと吸い付くんじゃないかってね。
 男だったら、絶対に襲いかかってたわね。
 実際、2人きりのときは、妙な気が起きかけて困ったわ。
 知らなかったでしょ?
 他愛ない話をしながら……。
 わたしが頭の中で、何を考えてたかなんて」

 ふふ。
 ここでわたしが、いきなり裸になったら……。
 この先生はどんな反応するかしら、なんて妄想してたのよ。
 ま、実際にやったら……。
 呆れられて逃げられるだけでしょうけど。
 妄想の中ではそうはいかない。
 そう。
 妄想の中のわたしは、半陰陽。
 つまり、両性具有。
 クリトリスが、長大な男根に変化してるの。
 わたしは、手早く服を脱いでいく。
 ボタンを外す指がもどかしく震える。
 ブラウスとブラをロッカーに放りこみ……。
 スカートを下ろす。
 ショーツのウェストから、男根が顔を覗かせてるのが見えた。
 射出口から漏れた先走り汁が、ストッキングを濡らしてる。
 ストッキングごとショーツを下ろす。
 踏みつけて脱ぐわ。
 晴れて全裸になれたわたしは、男根を握り締める。
 鏡の中の先生は、まだわたしの変貌に気づいてない。
 わたしは、おヘソまで届く男根を吊り上げたまま、操縦桿のように振り回す。
 男根を追って、わたしの身体も反転する。
 川上先生の背中が、目の前にあった。
 わたしの手の平は、すでに男根を擦リ始めてる。
 そのまま、背中に近づいてく。
 ようやく気配を感じたらしい川上先生が、後ろを振り向く。
 笑顔のまま、顔が凍り付くわね。

「川上先生……。
 やっと見てくださいましたわね。
 どんなご感想です?
 男根をおっ勃てた女が……。
 あなたを見ながら、擦ってるんですのよ」
「……」

 先生の顔から、笑顔の仮面が剥がれ落ちる。
 恐怖と嫌悪の表情を隠そうともせず、先生は身を翻す。
 でも、わたしは逃さない。
 逃げようとする腕を掴む。

「離して!
 痛い痛い」

 そう。
 両性具有のわたしは、男性の膂力を持ってるの。
 腕を捻りあげられ、川上先生は膝を折る。
 その背中を押しつぶすと、先生はあっけなく床に突っ伏した。
 でもすぐに、這って逃げようとする。
 その肩を捉えて、身体ごと裏返す。
 逃げる間を与えず、馬乗りになる。
 抵抗して振りあげる両手首を掴むと、もう先生は身動き出来ない。
 大きく起伏する胸の上で、男根が上下に振れてる。

「川上先生……。
 わたし、ずっと先生に興味ありましたの。
 もちろん、性欲の対象として。
 今日はもう、我慢できませんわ。
 おわかりになるでしょ?
 ちんちんが、こんなに大きく膨らんじゃって……。
 先生のおまんこに収まりたいって、ピーピー泣いてるんですもの。
 ちんちんの願い、叶えてくれませんか?
 そうすれば、決して乱暴なことはいたしませんわ。
 ほんのいっとき、おまんこをお貸しくださるだけでいいの。
 わたしのちんちんが射精するまでの、ほんのいっとき。
 先生のおまんこの中に、臭い精液を、いっぱい出させていただきたいの」
「い、いや。
 いやぁぁぁぁ」
「うるさい!」

 わたしは、手首を掴んだ手を離すと、思い切り振りかぶる。
 頬骨に打ち下ろす。
 芯まで響く音と共に、先生の顔は真横を向く。

「痛いぃぃぃぃ」
「痛いでしょう?
 これが、男性の力よ。
 もう一発、味わってみる?」
「ひっ」

 わたしが、腕を振り上げると、先生の顔は幼児のように歪んだ。
 思ったとおり、痛みには屈服するタイプね。
 眉根に皺を寄せて、目をつぶっちゃってる。
 そのあからさまな恐怖が、わたしの嗜虐心に火をつけるの。
 もう片一方の手首を離すと、反対側の頬に打ち下ろす。

 ビシイッ!

 肉塊を叩く湿った音が響く。
 先生の顔は反対側を向き、ノドまで伸びちゃってる。

「あぅぅぅぅ」

 その顔はもう、人の言葉を発せないほど、苦痛と恐怖に支配されてた。
 わたしは、容赦なく腕を振るう。
 大鎌となったわたしの腕は、弱々しく遮ろうとする両手を、葦のように薙ぎ払う。

 バシッ!
 ビシッ!

 湿った厳しい音が数度響くと、先生はもう放心状態。
 涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔から、魂が飛んじゃってる。
 半開きの唇が弱々しく震え、齧歯類みたいな前歯が覗いてる。
 小動物を嬲る獣の歓びが、お腹の底から突きあがる。
 真っ白なブラウスに両手を掛けると、左右に引き千切る。
 弾け飛んだボタンが、噴水めいた軌跡を見せて視界の外に消えて行く。
 現れたのは、真っ白いふたつの丘。
 もちろん、ブラで隠されてる。
 わたしの両手がワイヤーにかかると、真上に捲りあげる。
 ブラと変わらないほどの真っ白い肉球が転び出る。
 その頂点には、トッピングみたいな大ぶりの乳首。
 でも、スライスした生ハムのような、綺麗な肉色。
 わたしは、思わず両手の指で摘む。
 指の腹で潰しながら、捻る。

「先生……。
 こんなことされながら、乳首が起っちゃいましたよ」
「う、うそです」

 先生は、ようやく放心状態から脱したみたいで、再び抵抗を始めた。
 華奢な指が、わたしの前腕を掴む。
 わたしは、苦もなく振りほどくと、腰を浮かし……。
 先生の身体を反転させる。
 うつ伏せになった先生の背中から、ブラウスを剥ぎ取る。

「綺麗な背中。
 こんな背中には、ブラなんて無粋なもの似合いませんわ」

 ブラのホックを外し、両腕から抜きあげる。

「この背中に相応しいのは……。
 縄。
 こんなふうに」

 妄想って便利よね。
 川上先生の背中には、一瞬にして縄が打たれた。
 縄に括られた腕が、芋虫みたいに蠢く。


本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「川上ゆう」 「結」 「岩城あけみ」

《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週日曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。


Aya×緊縛桟敷 個展で出会った女

Aya杉浦則夫緊縛桟敷にて掲載開始。

次週の掲載モデルを誰にしようかと考えながら私の個展会場に出向いてみると、入り口で「先生おはようございます」と美女から声をかけられた、私としてはみおぼえがなく怪訝なそぶりでいると、奈加氏の縄会で会っているという、会場にいた奈加氏にさっそく紹介をいただき、そのばでモデルを決める事ができた、こちらも助かったがAYAの嬉しがりようは尋常を越えその場で日程が決まるとすでに撮影が始まったごとく緊張し始めるのであった。この調子では一週間さきの撮影日までにストレスで体調をくずしてはいけないと心をほぐしてみてもいっこうにききめがない。
だが撮影が始まるとさすがベテランだけに緊張はほぐれ、本日のテーマである令嬢を演じていた。個展が終わってBBSにも書きましたが、私は撮影に変化を求めるようになった、具体性はみえない、だが欠けている緊縛の要素を知り、個人として一つ二つ取り込みたい、学術的なことではないので絶対的とか形式的とかとむずかしいことは苦手だ。
緊縛桟敷の縛師は奈加氏が中心であるから先日そんな話をして賛同を得た、だがわれわれ職人は一度習得した技を変化させるのは容易でない。また先日ある会員の方から個展を見て、やはり昔のフイルム時代の写真がデジタルと比べるとよりまさると指摘があり、だが今の環境でできることをせいいっぱい努力して下さい。と温かい支援のメールも届いた。

AYAの撮影にもどります。本格的に緊縛されるのは初めてとのこと、体はかたい、やせ形ではあるが小さいお尻が丸くて魅力的、想像以上の拘束の厳しさに4度ほど泣くはめになる、AYAにとっては辛い1日になった、しかし泣いてもシーンが終わると目をはらしててれたようなはにかみの笑顔をつくっていた。

Aya杉浦則夫緊縛桟敷にて掲載開始。