放課後のむこうがわ 7

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放課後のむこうがわ 7

「このカメラはね……。
 少しだけ、被写体の魂を吸い取るの。
 それが印画紙に写るから、こんな感じの写真になるのね」

 そう言ってともみさんは、いたずらっぽく笑った。
 もちろん、ウソに決まってるけど……。
 危うく信じかけそうだった。

「あとで、あなたも撮ってあげるわ。
 でもまずは、あけみね。
 ほら、囀りそうな顔で、こっち見てる。
 撮ってほしくてしょうがないのよ。
 エッチな写真を」

 ともみさんは、あけみちゃんの目線を手繰るように近づいた。

「ちょっと、アシスタントさん。
 これ、持ってて」

 ともみさんがわたしを振り返って、ポラロイドカメラを差し出した。
 慌てて駆け寄って、受け取る。
 最上級生の命令口調に、もう言いなりだった。
 カメラは、両手で持ってもずっしりと重かった。

「まずは……。
 どうしてあげようかな」

 ともみさんは、あけみちゃんに纏わるように近づいた。
 息がかかるほど、顔を近づける。
 あけみちゃんの目が、葡萄のように膨らんでた。
 息がはぁはぁ言ってるのが、わたしにまで聞こえた。

 ともみさんは、いきなりあけみちゃんのスカートを捲りあげた。
 豊かな太腿と、その付け根を覆う白い布地が曝された。

「また、こんな小さいパンツ穿いて来て」

 目に沁みるほど白い布地が、股間を三角形に覆っていた。
 確かに小さなショーツだった。
 腰骨が隠れないほど。
 股ぐりも深くて、アンダーを処理してなければ、毛が見え出ちゃいそう。

「嬉しい?
 見られて」
「……、嬉しい」
「そうよね。
 見てもらいたくてしょうがないのよね。
 ほんとは、街中でもスカート捲りたい。
 でも、さすがにそれは出来ないから……。
 毎日、大風が吹くことを願ってる。
 縛る前に、自分で捲らせれば良かったかな。
 この前みたいに。
 自分で捲るの、大好きなのよね?」
「……」
「そうよね?」
「はい」
「ふふ。
 正直でよろしい。
 我慢出来ないと、素直になるわね。
 でも、まずは撮影からよ」

 ともみさんは、捲ったスカートを、お腹に回る縄に挟みこんだ。
 キュプラの裏地が縄を潜る音が、聞こえてきそうだった。
 つるつるした裏地に、射しこむ陽の光が踊ってた。

「ほうら、可愛くなった。
 ダサいスカートだけど、裏地は綺麗よね。
 ほんとは、こっちが表なのかも知れない。
 裏側こそが、ほんとうの表ってね」

 ともみさんは、わたしに向かって腕を伸ばした。
 手の平が上を向いてる。

「アシスタントさん。
 気を利かせてちょうだい。
 カメラよ」

 慌ててカメラを差し出す。
 ともみさんは、受け取ったカメラを、馴れた手つきで構えた。
 あけみちゃんは、顔を突き出すようにしてカメラを見つめてる。

「ちょっと。
 そんな格好でカメラ目線じゃ、雰囲気出ないじゃないの。
 顔伏せてちょうだい」

 あけみちゃんは、床に視線を落とした。

「そうそう。
 うーん、でもイマイチだなぁ。
 やっぱり、パンツ脱いだ方がいいか……」

 あけみちゃんの肩が、ぴくりと動いた。

「ふふ。
 嬉しそうね。
 アシスタントさん、何してるの?
 脱がしてちょうだい」

 ともみさんに視線を投げられ、ようやく自分のことだとわかった。
 あけみちゃんの視線が、真っ直ぐにわたしを見てた。
 見えない綱に引かれるように、わたしはあけみちゃんに近づいた。
 脚元に膝まづく。
 ブラウスの裾の分け目から、ショーツが目の前に見えた。
 少し肉付きのいいお腹が、せわしなく起伏してる。

 わたしは、ショーツのウェストに手を掛けた。
 ウェストっていうか、股上は腰骨までしかなかったけど。
 そのまま布地を引きおろそうとしたけど、うまく下りない。
 思ったよりお尻が豊かで、布地が乗りあげてたんだね。
 両手を腰の後ろまで回し、布地を捲りおろす。

 目を逸らそうとしても、出来なかった。
 あけみちゃんのアンダーヘアは、明らかに処理されてた。
 といっても、毛はちゃんと残ってたよ。
 でも、恥丘の上に、ほんのひとつまみ。
 性器を隠す役目はしてなかった。
 アケビの実を合わせたような大陰唇まで、はっきりと見えた。
 その膨らみとヘアーの間に、クリトリスが息づいてた。
 包皮から顔を出し、餌をねだる雛鳥みたいに囀ってる。

「ちょっと、アシスタントさん。
 早くどいてちょうだい」

 ともみさんの声に、われに返った。
 裏返ったショーツを、両手で握ったままだった。
 真っ白い布地を、太腿に滑らせていく。
 丸々と豊かに肉づいた太腿だった。
 ギリシャ神殿の柱みたい。

「ストップ。
 パンティは、膝に絡めといて。
 それから……。
 ブラウスを引っ張って、お股を隠す。
 そうそう。
 これだと、大事なところはぜんぜん見えないけどさ……。
 膝に絡んだパンティが、股間が剥き出しであることを象徴してるわけ。
 隠すことで、逆に、見る人の想像力をかきたてるのよ。
 なんてね。
 顧問の先生の受け売りだけど。
 うーん。
 でも、芸術的だわ。
 やっぱ、素材がいいからよね。
 アシスタントさん、今度こそどいてちょうだい」

 わたしが退くと、ともみさんはカメラを構えた。
 両脚を開いて、全身を安定させてる。
 素人のわたしから見ても、腕前を感じさせる姿勢だった。

 指先だけが微かに動くと、シャッター音が響いた。
 続いて、過擦れたような機械音。
 空間が引き伸ばされるような音とともに、カメラの前部から印画紙が送り出されてきた。

「アシスタントさん。
 こっち来てごらん」

 ともみさんが、肩越しに印画紙を掲げた。
 駆け寄って覗きこんだけど……。
 そこには、何も写ってないの。
 失敗かなって思って、ともみさんの横顔を見た。
 でも、ともみさんは、じっと印画紙を見つめたまま。
 もう一度そこに目を落とすと……。
 うっすらと、画像が浮かびあがってた。
 画像は、少しずつ鮮明さを増していく。

「何度見ても不思議よね。
 被写体の粒子をカメラが吸いこんで……。
 それが、印画紙の上で再構築される、って感じ。
 被写体が、わたしのものになる瞬間。
 ほら、出来上がり」

 ともみさんは、印画紙をわたしの前に翳した。
 そこには、あけみちゃんがくっきりと写ってた。
 でも、デジカメなんかの画像とは、明らかに違う。
 今撮ったばかりなのに、懐かしい雰囲気。
 机の引き出しの奥から、昔の写真が出てきたみたい。

「ふふ。
 あなたも気に入ったみたいね。
 後で撮らせてあげるわ。
 でも、困ったモデルさんは……。
 待ちきれないようね」

 ともみさんの視線に引かれ、あけみちゃんを見ると……。
 確かに、様子が違っていた。
 うつろに目を泳がせて、太腿を摺り合わせてる。

「この子、シャッター音聞くと、スイッチが入っちゃうのよ。
 根っからのモデルさんよね。
 でも便利ね。
 あんな格好で、オナニー出来るんだから。
 バスの中とかでも、やってるんじゃないかしら。
 あれ、何してると思う?
 垂れたお汁を、太腿に塗りたくってるのよ。
 あけみ。
 もっと撮ってほしい?」

 ともみさんの声に、あけみちゃんが顔をあげた。
 瞳が潤んでた。

「撮って……」
「どこを撮ってほしいの?」
「おまんこ。
 あけみのおまんこ」
「そんなとこ撮っても、発表できないじゃないのよ」
「撮って」

 あけみちゃんは、太腿を摺り合わせると同時に、お尻を階段柱に滑らせ始めた。

第八話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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キネマ館 新作撮り下しHD「舞野まや」

緊縛桟敷キネマ館 コンテンツ
「撮り下し動画」にて、舞野まやさんのHD版 新作が本日発売開始となりました。
上記作品のページです→

舞野まや 惜しまれつつこれで動画作品引退!
最初で最後となってしまった舞野まやさんの作品です。
前後半両方で吊りでイッてしまっています。

■ 前半 執拗に竹棒で背中を摂関され、高手後手につり上げられたままスパンキングに悶える。
被虐美の追求は止むことなく長時間の吊りを要求され、ついにその先で舞野まやの頭の中は真っ白になる。


■ 後半 前半でも逆さ吊りで果てたはずの舞野まや、後半でも長時間吊られさらに激しく意識の向こうへ旅経った。
散々吊られた後、股縄やローターで遊ばれ、ついには蝋燭地獄…はたしてまやは正気を保てるのだろうか?

それでは皆様どうぞ、緊縛画像を心行くまでご堪能下さい。
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緊縛桟敷キネマ館
https://www.sugiuranorio.tv/

食虫花 ~美少女・内山遙~12

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第十二話【DOLL】

遙は感情を表に出さず、極端に無口となっていった。あの明るく爽やかな笑顔を見せることは無い。時折、口元のみに薄ら寒い笑いが現れる。両親は娘の変化に気付いていたが、「一種の思春期病だろう」と、この時はまだ暢気であった。

その間にも、欲望はエスカレートしていく。
もう充分に教え子の身体をしゃぶり尽くし、いつもであれば、そろそろ次の獲物を物色しても良い頃合であった。だが林田は、遙の肉体を永遠に独占したいと、本気で思うようになっている。
美しく緊縛された教え子は、麻薬的な興奮と快感を鬼畜教師に与えていた。今では彼女も、直接的な刺激より、縄に酔う事を望んでいるように見える。やはり元々、マゾ的な資質が隠れていたのかもしれない。
すでに男は、週一回、土曜午後の淫靡な個人授業だけでは満足出来なくなっていた。平日、周囲を警戒しながらも、校内で遙と姦淫する。加えて、さらに夜になっても、教え子の美肉を求め始めていた。

夜の緊縛調教には、妻との別居先である安アパートでは、なにかと不都合だった。過激な妄想を実現するには手狭過ぎる。それに何よりも、学校外で未成年と交わるのに、世の中は厳しくなっていた。教え子であっても、不要の接触は世間が納得しまい。ホテルもまた同様の危険がある。知らぬものが見て、同年代が幼く見える遙であったが、警戒するに越した事はない。
やむを得ず、間もなく取り壊し予定の旧校舎を利用した。
「友達の家に泊まりこみで勉強」などと、ありきたりの嘘を両親へ吐かせて。あるいは家族の寝静まった頃、こっそり家を抜け出させて、学校へ呼び出す。そして、地下の一室で毎夜、色欲の狂宴が行われるのだった。

淡い光が、暗闇の中に遙の姿を妖艶に浮かび上がらせる。
旧校舎は通電していない為、自ら灯りを用意せねばならなかったが、そのほの暗さに中に浮かび上がる教え子は、高価なアンティーク・ドールにも見えた。

実際、遙は自らを、魂の抜けた肉人形としたのかも知れない。
精神と肉体を繋ぐ無数の回路があるとするならば、その重要な導線の幾つかを、彼女は無意識に遮断していた。林田の持つ、特異な性癖の全てを無条件に甘受せねばならない。あまりに不条理な現実に、そういった措置をとらねば、正気を保てなかったのだろうと同情する。

しかし、それと引き換えに発達途中の身体は、肉体的あるいは精神的苦痛をも、性的快感として変換し、受け入れるようになっていた。
あれほど嫌な目を見た浣腸プレイにも、すっかり慣れてしまった。限界まで耐えた排便時の擬似的射精感。それを覚えた今となっては、単にアナル挿入の前儀に過ぎない。苦痛を伴い、それ自体が“責め”であるはずの過酷な緊縛プレイでは、苦悶とも喜びともとれる、悦虐の表情を浮かべるようになっていた。
肥大する欲望を一身に受け止める学園性奴隷。
すでに、中年教師が好物とした、少女の初々しさや恥じらいといったものは、遙の心の奥底に封印されている。ゆっくり焦らしながら、一枚ずつ剥いていく彼女の服や下着からは、牝の匂いが立ち込めるようになっていた。

旧校舎には夜間警備が巡回しないと聞いている。最初こそ、警戒し音も出来るだけ立てず、慎重にプレイしていたが、本当に見回りがないと分かると、調教はより大掛かりなモノになっていった。

林田は、愛奴として育て上げた教え子に満足する。遙が、彼の責めを受け入れる度に、妄想と現実が境目を失っていく。男の魂は、蕩けるように居心地の良い時空に浮遊していた。

第十三話へ続く

文章 やみげん
写真 杉浦則夫
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放課後のむこうがわ 6

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放課後のむこうがわ 6

「わたしだけ残して、イッちゃうなんて……。
 ひどいぃ」

 あけみちゃんは、腰をくねらせてた。
 股間が堪らなくなってたんだと思う。
 でも、後ろ手に戒められた姿では、自らを慰めることも出来ない。
 あけみちゃんは唇を噛むと、上体を起こした。
 視線は、ともみさんの股間を真っ直ぐに貫いてた。

 ともみさんのスカートは捲れたままで、人形みたいな下半身が剥き出しになってた。
 わたしの位置からは見えなかったけど……。
 あけみちゃんの眼前には、イッた後のおまんこが、ぱっくりと開いてたはず。
 あけみちゃんの視線は、そこに縫いつけられてる。
 あけみちゃんの身体が、ゆっくりと上下動を始めた。
 最初は、何してるんだろうって思った。
 でも、すぐにわかった。
 あけみちゃんは、括りつけられた階段柱に、お尻を擦り付けてるのよ。
 視線と、お尻からの刺激だけで、ともみさんの後を追うつもりなんだとわかると……。
 こっちの股間も切なくなった。
 指先が、他人の手みたいに太腿を這いあがった。
 ショーツの股ぐりから滑りこむ。
 もう、中はぐちょぐちょだった。
 よっぽど溜まってたんだね。
 だってさ……。
 転校してから、一度もオナニーしてなかったんだよ。
 寄宿舎だったから、落ち着いて出来る場所も無いし。
 もっとも、新しい環境に慣れるのに必死で、そんなことしてる余裕もなかったけどね。
 でも、やっぱり溜まってたんだね。
 ぐちょぐちょの陰毛が指先に絡むと、もう止められなかった。
 大陰唇を押すと、お汁が沁み出すんじゃないかってほど。

 あけみちゃんは唇を食いしばり、懸命にお尻を振ってる。
 胸前に垂れた髪が、跳ねるように揺れてた。
 わたしはあけみちゃんのお尻を凝視しながら、指先をシンクロさせた。
 でも、こっちは直接クリに触ってるわけだから、あっという間に追い詰められた。
 内履きの中の足指を、懸命に折りたたんでブレーキかけたんだけど……。
 止められそうになかった。
 もうダメ、イク……。
 って思った瞬間。

「誰、あなた」

 はっきりした声が、わたしの頬を打った。
 わたしは、一瞬で凍りついた。
 目だけ動かして、声の出処を見た。
 ともみさんだった。
 仰向いた顔が、真っ直ぐにこっちを向いてた。
 さっきまで真っ白だった目蓋の間には、ダイスの目みたいに瞳が戻ってた。

 あけみちゃんのお尻を凝視しようとして、廊下の角から身を乗り出しちゃってたんだね。
 ともみさんの位置からは、わたしの姿が丸見えだった。
 ともみさんは、糸に引かれる人形みたいに、ゆっくりと身を起こした。

「まさか、観客がいたとはね」

 起ちあがったともみさんは、スカートの埃を叩いた。
 もちろん、逃げようとしたんだけど……。
 情けないことに、ずっとしゃがんでたから、脚が痺れちゃってて。
 踏み出そうとしたら、廊下に這いつくばっってた。

「動かないで」

 ともみさんに決めつけられると、もう体を持ち上げられなかった。

「メガネさん。
 あなた、何年生?
 ま、1年以外、あり得ないだろうけど。
 どう見ても、中学生だからね。
 あけみと同じ制服着てなかったら……。
 へたすりゃ、小学生に見えるよ」

 ともみさんは、あけみちゃんを振り返った。

「この子、知ってる?」

 わたしを見つめるあけみちゃんの首が、左右に振れた。

「どういうこと?
 まさか、1年じゃないの?」
「て、転校して来たばっかりで……」
「なんだ。
 転校生。
 それで、こんなとこに迷いこんだの?」

 わたしは、懸命に頷いた。

「そうよね。
 そんな体型で、1年以外のわけないわ。
 でも……。
 お股の方は、もう立派なオトナってことよね。
 わたしたちのこと見ながら、オナってたんだから。
 ふふ。
 さっき、イク寸前だったでしょ。
 小学生みたいな顔で、小鼻膨らませてさ。
 すっごく、ヤラしかった。
 あなたも、立派なお仲間ってことね。
 わたしたち、変態人間の。
 さ、こっちおいで。
 今さら逃げられないわよ。
 わたし、陸上部だもん。
 ほら、起って。
 ちょっと、手伝ってもらいたいことがあるんだ」

 ともみさんの声に応えて、わたしは起ちあがってた。
 オナニーしてるとこ、まともに見られて……。
 どんな言い逃れも出来ないってこともあったけど……。
 きっと、人に声かけてもらえたことが嬉しかったんだね。
 一生懸命、ひとりで頑張ってたけど……。
 やっぱ、寂しかったんだよ。

 わたしは、痺れた脚を引きずりながら、木橋の前に立った。
 土間コンクリートの川に架かる橋は……。
 まるで、この世とあの世を隔てる橋みたいに見えた。
 そう、橋の向こうは“彼岸”。
 おばあちゃんが言ってた、あの世の岸ね。
 わたしは、ともみさんとあけみちゃんの目を交互に見ながら、その橋を渡った。

「あなたに、やってもらいたいことがあるんだ」

 そう言ってともみさんは膝まづき、床の鞄を開いた。
 取り出したのは、厚めの本っていうか、お弁当箱みたいなものだった。

「これ、何だと思う?」

 そう言いながらともみさんは、箱をかちゃかちゃ操作した。
 箱は、たちまち立体的なフォルムに変形した。

「まだわからない?
 骨董品だからね。
 これは、カメラよ。
 ポラロイドカメラって云うの」

 組みあがった前面には、確かにカメラの形が張り出してた。

「さっき、陸上部なんて言ったけど……。
 大嘘。
 ほんとはね……。
 写真部。
 部長なのよ、これでも。
 だからわたしは3年生で、あなたやあけみより、2学年上ってこと。
 入学以来……。
 みっちり顧問の先生に鍛えられたおかげで……。
 コンクールにも入賞したわ。
 風景写真だけど。
 でもね……。
 わたしがほんとに撮りたいのは……。
 女性。
 それも、特殊な状況下に置かれた女性。
 今の、あけみみたいにね」

 そう言ってともみさんは、あけみちゃんにカメラを向けた。
 あけみちゃんの視線は、一瞬でカメラのレンズに定まった。
 ともみさんの視線も、ファインダー越しにあけみちゃんを見つめてるはず。
 2人は見つめあったまま、凍りついたように動きを止めていた。
 もう動かないんじゃないかと思ったころ……。
 ようやく、シャッター音が響いた。
 シャッター音っていうか、機械が駆動するようなウィーンって音ね。

 ともみさんは、胸前に下ろしたカメラを見つめてる。
 すぐに、カメラから厚い印画紙が出てきた。
 ともみさんは、出てきた紙をじっと見つめてる。
 頬に、微笑みを浮かべながら。
 まるで、母親が赤ん坊の顔を覗きこむようにね。
 時間が止まったみたいに思えたころ……。
 ようやく、ともみさんの顔が上がった。

「ほら、よく撮れてるでしょ?」

 あけみちゃんが、真っ直ぐこっちを見てる写真だった。
 不思議な質感の写真。
 デジカメで撮ったのとは、雰囲気がぜんぜん違う。
 レトロっていうかさ……。
 今撮ったばっかりなのに、昔の写真みたいなの。

第七話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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食虫花 ~美少女・内山遙~11

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第十一話【灑掃】

「引っ張るのは‥や、止めて下さい・いぃ・うぐぅ…うっ、ううっ」
すでに二〇分が経過しようとしていた。蒼白となった遥の顔面に脂汗が滲む。不自然に身体を折り曲げられ、ググゥ、ギュルルゥと、下腹からは猛烈な便意が突き上げて来る。

バレーボール部の地区大会が、明日に迫っていた。普段はのんびり土曜部活に励む部員達も、さすがに今日に限っては、熱心に練習に励んでいる。
遙は身長も高く、弱小バレー部にあって重要な戦力だった。それにも拘わらず、このところの気乗りしない練習ぶり。加えて、何かと理由を付けては午後の練習を抜ける。そんな彼女に対し、部員たちの不満が燻ぶっていた。部活をサボって、きっと大学生の彼氏とデートに違いない。そんな陰口を叩く者もいる。「今日はちゃんと、夕方まで出れるんでしょ?」試合は明日なのだから、絶対に参加してもらわないと。部長からは強い調子で言われている。遙は、「今日も昼から用事が」とは言い出せないでいた。
彼女とて、そのような事はもちろん本意では無い。どれほど、皆と一緒の時を過ごしたかったろう。午後の練習を抜け、遙を待ち受けているのは、目を覆い、耳を塞ぎたくなるような被虐の時間なのだから。

「今日だけは練習に出させて下さい」
お願い致します。練習が終わったら、気の済むまでご奉仕致します。一生懸命尽くさせて頂きます。だから数時間だけ自由を下さい。
昼休み、一足先に空き教室で待っていた林田に、遙は必死で懇願した。
「バレー部の練習か…楽しそうだな」
それならここでも出来るではないか。俺が教えてやるぞ。担任教師はそう言って、教え子の後頭で肘を伸ばした状態に、素早く縛り上げた。そしてそれを、「どうだ、ブロックの姿勢と同じだろ?」と笑った。
普段の、後手縛りに慣れてしまったせいか、変則的な緊縛は、少女に新たな羞恥をもたらす。男は、彼女の無防備になった脇の下を、ツンツンと突付き始めた。「ほら、跳んでみろよ!ほれ!」擽ったさに思わず身を捩る。そんな彼女の反応を楽しみ、そして未発掘の性感帯を、探っているようでもあった。
なおも、「お願いです!練習に行かせて下さい」と、奇妙な格好のまま頭を下げる教え子。もう、お前は俺の性奴隷なのだ。奴隷に自由があるものか。普通の高校生活など必要無いだろ。「これが、教師を愚弄した罰なのだ」と諭し、さらに、「この恥ずかしい格好のまま、廊下に放置してやろうか?」部活に戻るのは邪魔しないぞ。と恫喝した。

「良い事を思いついたぞ!」
次には声色を変える。俺も生徒思いの先生だからな。部活の大切さも分かっているつもりだ。と空々しい台詞を吐いた。そして、破廉恥な提案。
「ゲームをしよう」
昼休みが終わるまでの、残り時間四〇分間、浣腸を我慢出来たら練習を許す。但し。
出来なかった場合はあきらめろ。
「ウンチを付けた、臭いブルマで良いのなら、練習に出ても構わんがね!ふふふ」
残酷にも、下着とブルマを着用したまま我慢させるという。林田は遙の返事を待たず、浣腸の準備を始めた。本人の意向等どうでも良い。元々、今日はアナルを責めるつもりであった。思い掛けず面白い余興になるぞ、と内心、己の機転を自賛していた。

遙は、これまでの短い間にも、何度と無く浣腸されている。しかしそれは、アナル挿入の為にする、腸内洗浄の意味でしかなかった。早ければ二、三分で便意を催し、我慢できても精々一〇分が限度であった。今から三〇分近くも、あの苦痛と恥辱に耐えるなど、出来ようはずがない。だから林田も、よもや遙が、この下劣なゲームに勝つなどと言う事は、全く考えていなかった。

しかし、彼女は予想外に健闘する。練習に出たい一心だった。硬く肛門を閉じ、懸命に漏れ出そうとするものを押し留めている。昼休みは残り五分を切っていた。
ひょっとして、こいつは耐え切るのではないか。林田は、遙の精神力に感心すると同時に、焦りを抱いている。万一には、約束など反故にすれば良い。だがそれでは、こちらが面白くないのだ。そうはさせない。
グイと教え子の腕に掛かった縄を引き、無理矢理腹部を圧迫するような姿勢を取らせる。そして、下腹を靴の先でゆっくりと突き押した。
このアンフェアな加勢によって、限界ギリギリのところで持ちこたえていた、彼女の忍耐は一気に瓦解する。

「わあぁぁぁっ!!!」
遙、号泣。声を上げて、幼児のように泣き喚く。担任教師と“不適切な関係”となって、初めての慟哭だった。
どれほどおぞましい辱めを受けようと、彼女の心を強く支えてきた大切なモノ。クラブでの楽しい思い出。部員らと語り合った将来の夢や希望。かけがえのない友情、そして信頼。
それら大切な宝物の数々が、濁音と悪臭にまみれ、ブルマから染み出す汚物と共に、体外へと流れ落ちて行った。

第十二話へ続く

文章 やみげん
写真 杉浦則夫
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