放課後のむこうがわ 18

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放課後のむこうがわ 18

 このあたりからは、いっそう記憶が混乱してるの。
 ともみさんが、あけみちゃんのお尻を覗きこんでるんだけど……。
 いろんなシチュが、ごっちゃになってる。
 ほんとに見たことなのか……。
 わたしが頭の中で作り上げた映像なのか、はっきりしないのよ。

 あけみちゃんが、机にお腹を伏せてるシーンも見た。
 机に被さるようにお腹を預けてるんだけど……。
 なぜか、制服の上着を着てるのよね。
 ひょっとして、綿棒の前のシーンなのかな?
 はは。
 こんなこと聞かれたって答えられないよね。

 で、制服の上着は着てるんだけど……。
 もちろん、下は丸出しのまんま。
 上着の紺色と、ハイソックスの紺色。
 2つの紺色の間は、真っ白な肉色。
 その格好であけみちゃんは、両足首を縛られてた。
 机の前に垂れた両手首からも、縄が伸びてる。
 ともみさんは、あけみちゃんの真後ろにしゃがんでる。
 顔のすぐ前が、あけみちゃんのお尻。
 ともみさんの右手の指先が、お尻の割れ目をなぞってる。

「ふぅぅぅん」

 あけみちゃんが、顎を仰け反らせるたび……。
 真っ白な尻たぶが絞られて、おおきな窪みが出来た。

「あけみ……。
 指、入れてあげようか?」
「あひぃ」

 あけみちゃんは、髪を振り乱しながらうなずいた。

 ともみさんの指が、いったん尾骨のあたりまで上がり……。
 ゆっくりと割れ目を下りていく。
 指が止まった。
 あけみちゃんの身悶えも止まった。
 懸命に身じろぎを我慢してるみたいだった。
 頬が微かに痙攣してる。

「ぎゃん」

 ともみさんの指先が消え、拳が尻たぶまで届いてた。
 あけみちゃんは全身を硬直させ、太腿に腱の筋を走らせた。
 両目はいっぱいに開かれ、眼球が零れ落ちそうだった。
 代わりに、口元からは泡が噴き零れた。
 机の脚が、ポルターガイストのように踊りだす。
 激しく痙攣しながら、あけみちゃんは意識を飛ばした。

 ともみさんが、ゆっくりと起ちあがった。
 スカートを脱ぎ落とす。
 もちろん、ショーツは穿いてない。
 スクールベストの下に、剥き出しのお尻が張り詰めてた。

 上は普通に着てるのに、下半身は剥き出しの女子高生が2人。
 ひとりは机に突っ伏し、泡を噴いてる。
 もうひとりが、その上にのしかかる。
 両膝を大きく割り、剥き出しの下腹部を寄せる。
 突き出たお尻に、股間を密着させた。
 両手で、張り出したお尻を抱える。
 腰を振り始めた。
 何をしているのか、はっきりとわかった。
 というより……。
 いつの間にか、わたしの意識に入れ替わってたみたい。
 わたしは、勃起した陰核を、柔らかな臀部に摺りつけた。
 動物のように尻を振った。
 無数の目が、わたしを囲んでるように思えた。
 咆哮したいほどの悦びが、脊髄を突き上げた。
 俯せていた顔が、わたしを振り仰いだ。
 それは……。
 あけみちゃんのようにも……。
 ともみさんのようにも……。
 いや、わたしのようにも見えた。
 わたしは、その顔に微笑みかけた。
 顔の口元が動いた。
 何て言ってるんだろう。
 そうか、わかった。

「かけて。
 顔にかけて」

 そう言っているのだ。
 わたしは、机を回りこんだ。
 片足を机にあげ、股間を突きつける。
 生首のように頭を抱え、照準を合わせた。

「出る」

 あけみちゃんのような、ともみさんのような、わたしのような顔に向けて……。
 思い切り、放出した。
 あれは、おしっこっだったのだろうか。
 それとも、膣液?
 あるいは……。
 あのときだけ、射精できたのかも知れない。
 だって、股間の前の顔が……。
 瞬く間に白濁してったんだもの。
 糊に埋もれたような顔の中で、口元が微笑んだ。
 刹那、場面が転換した。

 あけみちゃんは、いつの間にか全裸になってた。
 でも、紺のハイソックスと靴だけは履いてたの。
 その姿は……。
 完全な裸より、ずっとずっとイヤらしかった。
 イヤらしいオブジェ。
 そう。
 あけみちゃんは、生きながらオブジェになってた。
 不思議な格好だった。
 両足を揃えて立ってるんだけど……。
 上体を、大きく前に倒してるの。
 ていうか、ほとんど二つ折りだね。
 おっぱいが、太腿にくっついて潰れてた。
 膝下にぶらさがった頭から髪が垂れ、床を掃いてた。

 その姿勢で、あけみちゃんの身体には縄が打たれてたの。
 二つ折りの背中と太腿を束ねる縄。
 肩から伸びる両腕は、膝脇を通って後ろに回されてた。
 その両手首を戒める縄。
 もう一本の縄は、揃えた足首を何重にも締めあげてる。
 でもね。
 そんな苦しい格好をしながら……。
 あけみちゃんの面差しは、微笑を湛えてるようにさえ見えた。
 日本史の教科書に載ってた仏像みたいだった。
 どうしてあんな顔してられるんだろうって、不思議に思えた。
 でも、そのわけは、すぐにわかったの。
 後ろから、ともみさんが見てるからだって。
 横から見てるわたしには見えなかったけど……。
 二つ折りになるほど上体を倒してるんだから、後ろからは肛門まで丸見えだったはず。
 肛門から性器までを、ともみさんに晒してる安心感……。
 それが、あけみちゃんの顔を、仏さまみたいにしてたんだと思った。
 でもね。
 ともみさんの姿は、どこにも見えないのよ。
 両手首と両足首を戒めた縄が、真後ろに伸びてるんだから……。
 その縄を握るのは、ともみさんのはずなんだけど。
 でも、姿が見えない。
 縄の先は、中空に溶けこむように消えてた。

 じゃあ、あけみちゃんはなぜ、安心しきった顔をしてるんだろう……。
 そう思ったとき、あけみちゃんが僅かに身じろぎした。
 縄目が、ひとりでに締まったみたいに思えた。
 でもその瞬間、あけみちゃんは、口角を上げて微笑んだの。
 それで、すべてが腑に落ちたっていうか、あぁ、って感じで呑みこめた。
 ともみさんは、あけみちゃんを戒める縄になってたんだって。
 どうして、そんな有り得ないことを納得できたのか不思議なんだけど……。
 やっぱり夢の中の理屈なんだろうね。
 そう。
 あけみちゃんと、縄になったともみさんは交合してたのよ。

 わたしの想像が正しいことを裏付けるように……。
 縄はひとりでに解けると、床にわだかまった。
 あけみちゃんの身体が、床に沈んだ。
 身体ごと差し出すように、伸びた縄に沿って身を横たえた。
 縄に添い寝するみたいだった。

 それからの光景は……。
 まさに、人と縄とのセックスだった。
 縄は、自ら身悶えながら、さまざまに形を変えた。
 人はそれに応え、身体をくねらす。
 真っ白い肌に……。
 焼き鏝があてられるように、縄目が刻まれていく。

「あぁ」

 人が、吐息を漏らした。
 縄が、股間に潜りこんでた。

「はぅぅ」

 縄が、股間で張り詰めた。
 縄目が、性器に食いこんだ。

「はぅっ。
 はぅっ」

 人は、海老のように身を折りながら、激しい呼吸を始めた。
 半眼だった目が、大きく見開かれてた。

 いつしか、わたしも縄になってた。
 もう一本の縄と撚れ絡みながら、さらに白い肌を求めた。
 床板を這い回り、紺のソックスに巻き上がる。
 太腿を戒めながら、競うように股間に潜りこむ。
 泥濘の中で、張り詰める。

「あぎ」

 人が、断末魔を噴き零した。
 2本の縄は、容赦なく責め上がる。
 痙攣する下腹に、鮮烈な縄文が刻まれた。

「がっ」

 灼熱の火柱が、人の脊髄を吹き抜けた。
 人は、一瞬にして空洞となった。
 刹那……。
 撚れ絡む2本の縄も燃え尽き……。
 崩れ落ちた。

第十九話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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放課後のむこうがわ 17

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放課後のむこうがわ 17

 あけみちゃんの背中が、教卓を離れた。
 歩き始めた幼児みたいな足取りで、2、3歩あゆんだ。
 でも、あっという間にバランスを崩すと、上体を捻りながら沈んだ。
 まるで、床に吸いこまれるスパイラルみたいだった。
 でも、微かに残った意識が、上体の姿勢だけは保ったみたい。
 あけみちゃんは、教卓の側面に背中を凭せ、しゃがみこんでた。
 瞳は上目蓋から落ち、宙に泳いでた。
 胸が大きく起伏してる。

「危なかったね。
 上体縛られたままひっくり返ったら、可愛い顔に傷がついちゃうところよ」

 ともみさんは、そんなあけみちゃんを尻目に、机をひとつ動かしてた。
 天板に金属パイプの脚が付いた、生徒用の机。
 それを柱の前に据える。
 この教室の中にはね、柱が何本か立ってるの。
 20センチ角くらいの太い柱。
 最初からこういう設計なのか……。
 それとも、後から補強されたのかもね。
 上半分は白く塗られてたけど……。
 木製の柱だと思う。

 ともみさんは机を、その柱にぴったりとくっつけた。

「あけみ。
 こっちおいで。
 診察台を作ってあげたから。
 これから、あけみのヤラシーまんこを、診察してあげます」

 あけみちゃんの表情が、明らかに輝いた。
 ともみさんの仕草を追ってた瞳が、息づくように膨らんだ。
 あけみちゃんは床に両膝を突くと、懸命に起ちあがった。
 後ろ手に縛られた上体を振りながら、机の脇まで歩んだ。

 あけみちゃんは机の天板にお尻を載せ、自ら迫りあがろうとしたけど……。
 上体を縛られたままじゃ、無理だった。

「ひぃぃぃ」

 もどかしさが、口をついて漏れ出た。

「あわてないの。
 手伝ってあげるから」

 ともみさんが、あけみちゃんを抱えるように机に載せた。
 背中を柱に凭せかける。
 尾骨が天板に着くほど、お尻は前に流れてる。

「それじゃ、患者さん。
 診察の姿勢を取ってください。
 脚を上げるのよ。
 ほら、赤ちゃんがオシメ替えてもらう格好」

 あけみちゃんの両腿が、胸前まであがった。
 膝は二つに折り畳まれ、靴底は天板まで下りてた。

「どうも安定が悪いなぁ。
 落っこちそうだ。
 固定が必要ね」

 ともみさんの片手には、ロープが握られてた。
 どこから出したんだろう。
 ほんとにマジシャンみたい。
 ていうか、その時のともみさんは、全能の人だったのかも。
 手の平を開けば、欲しい物が向こうから飛びこんでくる、みたいなね。

 ともみさんは、あけみちゃんの上体を柱に縛り付け始めた。
 ブラウスと縄が擦れるキュルキュルという音が、まるで宙に鳴る鞭のように聞こえた。
 たちまち縄は、あけみちゃんを括りあげた。
 両腿にも縄が掛けられ、上体と結ばれた。

「はい、出来上がり。
 あけみ、嬉しい?」

 あけみちゃんは、ともみちゃんを見上げながら、一生懸命うなずいた。
 瞳は、憧れるように輝いてた。
 主人を見上げる子犬みたい。
 シッポがあったら、千切れるほど振ってたかも。

「でも、その姿勢って……。
 自分じゃ、どうすることも出来ないんだよ。
 気持よくなろうとしたら……。
 ちゃーんと言葉にして、お願いするの。
 ほら。
 もう、机にお汁が垂れてる。
 さぁ、どうして欲しいの」
「弄って。
 弄ってください」
「どこを?」
「おまんこ」
「はしたない子ね。
 襞々が捲れ切ってる。
 陰核が、鼻筋みたいに持ち上がってるよ。
 鼻の頭を、ちょいと潰してやったら……。
 あっという間に、白目剥いちゃいそうだね。
 でも、そんな簡単にはイカせてあげないから。
 まずは、診察。
 おまんこ測定」

 ともみさんは、さっきの長い定規を握ってた。
 机の前に、しゃがみこむ。

「何センチあるかな?」

 ともみさんは、あけみちゃんの股間に定規を押しあてた。

「あひぃ」

 あけみちゃんの顎が上がり、頭頂が柱を擦った。

「えーっと。
 5センチ……。
 4、5センチかな?
 これって、標準なのかな?
 わたしのは何センチだろ?」

 ともみさんは起ちあがると、スカートを捲りあげた。
 もちろんその下は、何も穿いてない。
 張り出た腰骨に夕暮れの光が浮いて、産毛まで数えられそうだった。

 ともみさんは、自らの股間に定規をあてた。

「あけみ。
 目盛り読んで」

 あけみちゃんは眉に皺を寄せて、ともみちゃんの股間を凝視してる。
 かなり目が悪いみたい。

「4センチ……、くらい?」
「頼りないね。
 ま、ミリまでは見えないか。
 だいたいおんなじってとこね。
 でも……。
 おまんこ剥き出すと、どうしてこう気分出るんだろ。
 弄りたくて堪らなくなるわ。
 ほら、陰核までパンパン。
 見える?」

 ともみさんは、指先で恥丘を引き上げながら、股間を突き出した。
 あけみちゃんの視線は、レーザー光のように一点を灼いてた。
 ともみさんの陰核が、溶け出すんじゃないかって思えるほど。
 そんなあけみちゃんの顔を、ともみさんは口角を上げて見下ろしてた。

「あんまり焦らすのも可哀想ね。
 じゃ、とりあえずサイズ測定はこれでおしまい。
 それでは……。
 お待ちかねの、触診に移ります」
「ひぃぃぃぃ」
「患者さん。
 はしたない声出さないでください」

 ともみさんは、再び机の前にしゃがみこんだ。
 あけみちゃんは、懸命にお尻を迫り出してる。

「ほんとにヤラシイ陰核。
 まさしく勃起してるんだからね。
 陰核の皮が、ヨットみたいに帆を張ってる。
 悪い子。
 そういう子の頭は、ちょっと叩いてあげようか。
 ひょい」
「あぎ」

 あけみちゃんのお尻が跳ねあがり、机の脚が騒々しいステップを踏んだ。

「ちょっと反応良すぎ。
 指でグニグニしたら、あっという間だね。
 ダメよ。
 すぐイッちゃ」

 ともみさんは、引っこめた人さし指を、宙に立てた。
 そのまま、自分の鼻に引きつける。

「くさーい。
 メスの匂いがプンプンする」
「ひぃぃぃぃ」
「これは、キケンな液体ですねー。
 指が溶けちゃいそう。
 掃除が必要みたいなので……。
 これを使いましょう」

 スカートのポケットを探ったともみさんの指には、小さな白い棒が摘まれてた。

「わかりますね?
 綿棒です。
 でも、普通の綿棒じゃないのよ。
 レンズクリーニングの専用品」

 ともみさんは、綿棒を胸前に掲げた。
 まるで、小さな灯し火みたいに。
 あけみちゃんの瞳は、その灯火に焦点を結んでた。
 ちょっと寄り目になるほどにね。

「クリーニングしますよ」

 ともみさんの胸元が、机にくっついた。
 もう、ともみさんの顔のすぐ前が、あけみちゃんの股間だった。
 綿棒を持たない方の手が、宙に弧を描いた。
 あけみちゃんの瞳が、軌跡を追う。

「あひゃ」

 ともみさんの片手は、股間に着地してた。

「包皮の裏側には……。
 恥垢というキタナイものが溜まりがちです。
 そこを、入念にお掃除しなくちゃなりません。
 まずは、包皮を剥きましょう。
 むぎゅー」

 股間に宛てがわれたともみさんの指が、反りながらすぼまった。
 指の狭間から、あけみちゃんの陰核が突き出てた。
 真っ赤な色。
 子犬のおちんちんみたい。

「悪い一つ目小僧ですね。
 め」

 綿棒の頭が、陰核を突いた。

「わひぃ」

 あけみちゃんの膝から下が跳ねあがった。
 紺のハイソックスが宙を掻き回す。

「はしたないですねー。
 お尻の穴まで丸見えよ」
「見てー。
 あけみのお尻の穴、見てー」

 あけみちゃんの両脚が、コンパスみたいに開いた。

「ひくひくしてる。
 カメラの絞りみたい。
 見つめてると、吸いこまれそうだよ」

第十八話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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放課後のむこうがわ 16

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放課後のむこうがわ 16

 目が醒めたのは、どれくらい後のことだったろう。
 意識を失ってすぐみたいな気もしたし……。
 すごく時間が経ったみたいな気もした。

 わたしがいたのは、階段を上りきったとこ。
 あの2人の姿は見えなかった。
 校舎は、しんと静まり返ってた。
 2階の廊下にも、大きな窓が続いててね……。
 そこから射しこむ午後の光が、床板を暖めてた。
 光がさらさらと降り積もる音が、聞こえてくるみたいだった。

「え?」

 わたしは、ほんとに音を聞いたみたいに思って、耳を澄ませた。

 でもそれは、人の声だった。
 もちろん、あの2人の声。
 声は、光の射しこむ窓の向かい側、教室の中から聞こえてきた。
 2人に置いて行かれたんじゃないかって思ってたけど……。
 そうじゃなかった。
 2人は、まだいたんだ。

 わたしは、声のする教室に向かった。
 真っ直ぐ歩いてるつもりなのに、脚元が定まらない。
 夢の中を歩いてるみたいだった。
 見下ろす両脚は、付け根まで剥きだし。
 スカート穿いてないんだから……。
 さっきまでの出来事は、夢じゃないはず。
 でも、交互に歩んでいく両脚を見下ろしながら……。
 自分の脚じゃないように思えた。
 やっぱり、半分夢を見てたのかな。
 実はね。
 それからの記憶は、はっきりと時系列が繋がってないんだ。
 水に浮かぶ泡みたいに、ところどころ顔を出す感じ。

 2人の声は、だんだん大きくなってくる。
 もちろん、わたしの方が近づいてるからだけど。
 教室の扉は、開け放たれてた。

 目に飛びこんで来たのは、大きな窓。
 木桟で区切られたガラスが、一面の天井までを覆ってた。
 窓の外には、裏山の緑がのしかかるように見えた。
 窓の上下は3段になってるんだけど、一番下の段だけ、磨りガラスなの。
 あれはたぶん、授業中に窓の外が見えないようにしてるんだね。
 だって、あんなに山が近くに見えたら、気が散っちゃうもの。

 外は晴れてたけど……。
 陽の光は、窓から射しこんでなかった。
 たぶん、そういう方角になるように、教室が設計されてたんだと思う。
 天井まである窓から陽が射しこんだら、授業にならないもんね。

 その窓硝子を背に、あけみちゃんは立ってた。
 でも、窓に背中を付けてたわけじゃないの。
 窓の前に、木製の教卓が置いてあったんだ。
 そこにお尻を凭れるようしにて立ってた。
 ヘンよね?
 なんで、窓に向いて教卓があるんだろう。
 で、黒板の方を見ると……。
 そこにも、ちゃんと教卓があるのよ。
 どちらの教卓の上にも、ガラスの花瓶に花が生けられてた。
 まるで、先生が2人いるみたい。
 でも、一人の先生は、窓の外に向かって授業をしてる。
 きっとさ……。
 その先生の授業は、夜にあるんだよ。
 で、窓の外には、この世のものでない生徒が集まってる。
 なんてね。
 もちろん、これは冗談だけど。
 でも、いろんな想像をかき立てられる、不思議な教室だった。
 生徒の机だって、整然と並んでないんだ。
 てんでんばらばらに散らばってた。
 テレビで、山の分校みたいな教室が映されることがあるでしょ。
 複式学級みたいな。
 あんな雰囲気だね。

 で、あけみちゃんだけど……。
 窓に面した教卓にお尻を預け、少し前かがみで立ってる。
 あられもない姿で。
 下半身は、もちろん裸のまま。
 でも、もう股間に縄は渡ってなかった。
 両股は内股気味に閉じてるから、性器までは見えないけど……。
 縦長に整えられた陰毛は、はっきりと見てとれた。

 上半身は、上着を着てなかった。
 ブラウスだけ。
 ボタンはすべて外され、前身ごろが大きく開いてる。
 ブラが、胸下に引きおろされてて……。
 乳房が丸見えだった。
 その乳房を、上下の縄が潰してた。
 上着を脱がせて、また縛りなおしたってことだよね。
 その縛った主は、背中を見せて立ってた。
 もちろん、ともみさん。
 ともみさんの格好は、さっきと変わらない。
 スクールベストまできっちりと着け……。
 タータンチェックのスカートも、ちゃんと穿いてる。
 もっとも、その下はノーパンだったろうけど。

「どうしたの?
 そんな前かがみになって」

 ともみさんの声。
 でも、あけみちゃんが、腰を折るように屈んでるのは、無理も無いのよ。
 ともみさんは、長い定規を持ってた。
 厚いプラスチックの、透明な定規。
 50センチくらい測れそうな大きさだった。
 その定規の先が、あけみちゃんの股間に届いてるの。

「あぅぅ」

 あけみちゃんのうめき声があがった。
 厚い定規が撓んでた。
 股間にあてられた先っぽには、大きな力がかかってるはず。

「あふぅ」
「イヤらしい子ね。
 そんな顔して」

 あけみちゃんは眉を歪めてた。
 でも、それが苦痛を訴える顔じゃないことは、遠目からもわかった。
 閉じた内腿を、しきりに摺り合わせてる。
 きっと内腿には、膣液が伝ってたんじゃないかな。

「あけみがイヤらしー子だってことは、誰が見たってわかるんだよ。
 このおっぱい見たらね」

 ともみさんの定規が持ち上がり、あけみちゃんの乳房を小突いた。

「ひぎっ」

 あけみちゃんの身体が、スタンガンを当てられたように跳ねた。
 閉じられてた両腿が、左右に離れた。
 ナメクジの這ったような跡が、内腿に光って見えた。

「ほら、これ」
「あぁっ、あぁっ」

 ともみさんの言うことは、よくわかった。
 乳首が、ビンビンに起ってるの。
 綺麗な肉色の乳首なんだけど……。
 乳輪ごと持ち上がってた。

「ひぃぃぃ」

 食い縛った唇を割り、あけみちゃんの声が漏れた。
 定規の先が左右に振れ、乳首を嬲ってた。
 あけみちゃんは、懸命に内腿を擦り合わせてる。

「定規でイクつもり?」
「指で……。
 指で触ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「ダメー。
 定規でイキなさい」

 定規は乳首を離れ、宙に持あがった。
 その軌跡を、あけみちゃんの目線が縋るように追った。
 目線を振り切るように、定規が、タクトの軌跡を描いて振りおろされた。

 パーン。

 森に響く銃声みたいに聞こえた。

「あぎゃっ」

 定規の先が、あけみちゃんの乳首を潰してた。
 あけみちゃんの顎が落ち、洞穴みたいな口蓋が覗いた。
 両目は大きく見開いてる。
 瞳が、上目蓋に半分隠れるほどせり上がってた。

「ほんとにイッちゃった?」

 あけみちゃんが、細かくうなずいたように見えた。
 でもそれは、ともみさんの問いに答えたわけじゃないみたい。
 あけみちゃんの上体が、大きく前傾した。
 口の端から、涎の糸が床まで伸びた。

第十七話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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放課後のむこうがわ 15

「もっと近くに寄って。
 そう。
 中まで見える?
 やっぱ、しゃがまないとダメね」

 ともみさんの言葉を待ってたように、わたしは腰を落とした。
 和式便器を使う姿勢だった。
 俯いた花を、真下から見上げる。
 花は、蜜を溢れ零してた。

「どう?
 綺麗?」

 わたしは、がくがくとうなずいた。

「あなたのも丸見えよ」

 わたしは、両膝を開いてしゃがんでた。
 はしたないおまんこが、ともみさんに見えるように。

「弄っていいのよ」

 ともみさんは親指を使い、クリの皮を剥きあげた。
 つやつやと光る肉色の珠が、宙に零れた。
 腿裏を撫で下ろしながら、わたしの指先が股間に届く。
 そこは、熱い泥を噴き零してた。
 熱泥をまぶした指先を、真上にスライドさせる。

「あひ」

 背肉がうねった。
 見下ろすと、揃えた指先が陰核を隠してる。
 指先を、ゆっくりと始動させる。
 楕円の軌道を描かせながら、徐々に力を込めていく。
 すぐに制御が効かなくなった。
 高速で回り始めた指先は、たちまち輪郭を消し……。
 オーバルの軌跡だけが、流星みたいに尾を引いて流れた。

「あぁぁぁぁぁ」

 顎が落ち、口元から悦楽が零れる。

「ちょっと。
 もうイキそうなの?
 せわしない子ね。
 ちゃんと見えてる?
 わたしのまんこ?」

 わたしは、かくかくとうなずいた。
 内腿に伝うナメクジみたいな跡まで見えてることを、目で訴えた。

「もっと寄って。
 ほら、アヒル歩き」

 わたしは、哀願の瞳で振り仰いだ。
 もう、この場でイカせてほしいと。

「ここに、キスしていいのよ。
 わたしの陰核を、鼻で潰しながら……。
 溢れ零れる蜜を、思い切り吸いあげて」

 わたしの脚が、人ごとのように動いた。
 ともみさんの脚元に、躄り寄る。
 ともみさんの片腿を抱えながら、真上を振り仰いだ。
 ほんとに綺麗な性器だった。
 小さな、おちょぼ口。
 膣前庭に穿たれた、尿道口まではっきり見えた。

「嗅いで」

 クビを伸ばし、鼻を突きあげる。
 微かな尿臭が匂った。
 幼いころを思い出しそうな、懐かしい香りだった。

「もっと、鼻くっつけて」

 言葉と同時に、後ろ頭を引きつけられた。
 顔面ごと、ともみさんの股間に飛びこんだ。
 鼻先が、スリットに潜りこんでた。
 熱かった。

「吸って」

 唇を付けようと顎を上げると、鼻先はスリットを抜け、陰核に定まった。

「そこそこ」

 ともみさんのしてほしいことが、瞬時にわかった。
 陰唇の狭間に口を着け、溢れ出る蜜を吸い上げる。
 同時に、鼻先で陰核を捏ね潰した。

「わひぃ」

 はしたない声をあげながら、ともみさんが腰を煽る。
 わたしは、ともみさんのお尻を抱えこんだ。
 尻たぶの窪みが、手の平で踊った。

「いぃっ。
 いぃっ」

 ともみさんは、容赦なく腰を押しつけてくる。
 同時に、後ろ頭も引きつけられる。
 凄い力だった。
 陰唇が、蛭みたいにわたしの口を覆った。
 鼻先もひしゃげて、スリットに呑みこまれた。
 鼻梁が、陰核を潰してた。
 ほとんど息ができない。
 わたしは、ともみさんのお尻を叩き、苦痛を訴えた。
 でも、ともみさんは聞いてくれなかった。
 抱えられた後ろ頭が、揺さぶられる。
 息が苦しくて、ともみさんの腰を突き放そうとした、その時……。

「はぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 ともみさんが咆哮した。
 蒸気機関車の汽笛みたいだった。

「くわっ。
 くわっ」

 汽笛は途絶え、カエルが潰れるみたいな奇声に変わってた。
 後ろ頭が振り回される。
 絶息する……。
 そう思った刹那、後ろ頭を掴む手から、力が抜けた。

「はふっ」

 顔面を振り起こし、空気を貪る。
 ともみさんが、見下ろしてた。
 真っ白い目を見開いて。
 半開きの唇から、涎が一筋伸びてきた。
 下りてくる雫の珠に、わたしが映ってた。
 いや、わたしが雫の中に入ってるんだ……。
 なんて、ぼんやり思った途端、雫が目の中に落ちた。
 わたしは、銃弾に撃たれたみたいに跳ね退いた。
 わたしの支えを失っても、ともみさんはその場に立ってた。
 真っ白い目が、床板を睨んでた。

「あぶぶ」

 唇から、あぶくが噴き零れた。
 床を指してぶら下がった両手の先が、ビンの蓋を開けるみたいに回ってた。
 階段柱にあげた片脚が、ゆっくりと離陸する。
 バレーダンサーが片脚足立ちしたポーズが、一瞬だけ固定された。
 窓枠からの光が、そのフォルムを包んでた。
 光を背に受けたともみさんの輪郭が、ダイヤモンドリングみたいに輝いた。
 頭の中で、ゆっくりとシャッターの落ちる音がした。
 刹那……。
 ともみさんの身体は、その場に崩れ落ちた。

 床板には、2体の壊れた人形が転がってた。
 ともみさんとあけみちゃん。
 横向きのあけみちゃんの目蓋は、すでに閉じられてた。
 制服の胸が、規則正しく起伏してる。
 白い頬に、光が浮いてた。

 対するともみさんは、まだ死にたてって感じだった。
 仰向けに転がった勢いで、両脚は大きく開いてた。
 スカートは、お腹の上まで捲れ……。
 無毛の下腹部が剥き出し。
 陰核は、真珠を嵌めこんだみたいに勃起したまま。
 半開きの陰唇は、まだ新しい雫を生んでた。

 わたしの脚は、夢遊病者みたいにひとりでに歩んだ。
 ともみさんの頭部に回りこむ。
 仰向けの顔が、真下に見えた。
 両目は見開いたまま。
 でも、大きく紡錘形に開いた目の中に、瞳は無かった。
 練乳のような眼球が、虚空を見据えてる。
 綺麗だった。
 わたしも、こんな顔をして死にたいと思った。

 わたしの指が、勝手に動き出してた。
 もちろん、陰核を揉んでるのよ。
 膝を開き、腰を落とした。
 いわゆる“がに股”の姿勢ね。
 この格好でする立ちオナニーは、ほんとに気持ちいいんだよ。
 快感を、情動が後押しするのかな。
 叫びたくなる。
 わたしは、変態なのよぉって。

 注射痕を揉むように動き出したわたしの指が、次第に速度を増した。
 見下ろす指先が、輪郭を消す。
 陰核は、たちまち練りあげられた。

「イ、イク」

 尻たぶが、魚の鰓みたいに宙を煽るのがわかった。
 刹那、瘤立った柱が全身を貫いた。

「あぎゃっ」

 視界が大きくぶれると同時に、緞帳が落ちたみたいに世界が暗転した。
 瞳が裏返ったんだね。
 自分の頭が、床に転がる音を聞いた気がする。
 それっきり、わたしの意識は消失した。

第十六話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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放課後のむこうがわ 14

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放課後のむこうがわ 14

「ほら。
 キスしなさい」

 ともみさんは、あけみちゃんの顔を、股間に押しつけた。
 腰を揺すりあげながら位置を整える。
 あけみちゃんの顔が、完全に股間に埋もれた。
 ともみさんの頬に、アルカイックな微笑が浮かんだ。
 慈愛にも、苛虐にも見える笑みだった。
 微笑を零しながら、ともみさんは、腰を上下に動かし始めた。

「鼻と口、両方塞ぐのは無理みたいね」

 ともみさんの片手が、あけみちゃんの顔の下に潜りこんだ。
 あけみちゃんは、心持ち顎をもたげてた。
 それでも、唇は性器に貼りついてるだろう。
 ともみさんの前腕に、力が加わるのがわかった。
 あけみちゃんの鼻を摘んでるに違いなかった。

「ほら。
 起きないと、死んじゃうよ」

 刹那、あけみちゃんの背中が躍りあがった。
 下半身にも力が籠り、尻たぶが大きく窪んだ。
 あけみちゃんの顔が、ばね仕掛けのように跳ねた。

「やっとお目覚め?」

 あけみちゃんは、過呼吸のように喘いだ。

「ほら、行くよ。
 あと階段、半分」

 起ち上がったともみさんは、再びロープを引き絞った。

「あっ。
 ひぃぃぃぃ」

 あけみちゃんから悲鳴があがった。
 敏感になってるクリに、ロープが食いこんだんだね。
 ともみさんは、後ずさりながら、容赦なくロープを引いた。

「あ、あかかかか」

 あけみちゃんは、懸命に歩みを進めようとしたけど……。
 その懸命さが、よけいに股間を追い詰めるらしかった。
 ようやく踊り場に身を持ちあげると、その場に潰れちゃった。

「休んじゃダメ。
 這い這い」

 あけみちゃんは両膝を折り、腰を掲げた。
 四つん這いになろうとしたんだろうけど……。
 両腕は背中に回ってるんだから、ムリってもの。
 上体は床に突っ伏したまま、お尻だけが天を向いた。

「あら、いい格好ね。
 アシスタントさん、後ろから見てやって」

 言われるまま、あけみちゃんの真後ろについた。
 高々と上がったお尻の割れ目に、ロープが喰いこんでた。
 肛門を隠したロープは、陰唇の狭間に消えてた。
 まさしく、消えてたの。
 喰いこんだロープの上に、陰唇が乗りあげてるんだね。
 まるで、陰唇がロープを呑みこんでるように見えた。

「ほら、あんよはじょうず」

 ともみさんは後ずさりながら方向を変え、2階に続く階段を背にした。

「階段、もう半分あるのよ。
 這ってたら日が暮れちゃう。
 起ってちょうだい」

 ともみさんはロープを手元に手繰ると、真上に引きあげた。
 ロープがあけみちゃんの顔に掛かり、口から鼻までひしゃげた。

「可愛くない顔になってるよ。
 ほら、立っちして」

 あけみちゃんは膝を繰り出しながら、懸命に上体を持ち上げた。

「はい、あと半分、頑張りましょうね」

 ともみさんは、後ろ向きに階段を上り始めた。
 あけみちゃんも、懸命について上がろうとするんだけど……。
 膝がガクガクしてて、足裏が階段を離れない。

「アシスタントさん。
 下からお尻、押してやって」

 一瞬ためらったけど……。
 あけみちゃんのお尻に触れる誘惑には勝てなかった。
 わたしの両手は大きく指を広げ、あけみちゃんのお尻に吸いついた。
 思いがけず、冷たいお尻だった。
 でもそのお尻は、わたしの手の中で生きてた。
 あけみちゃんの脚に力が入ると、お尻の肉も大きく動くの。
 柔らかい肉に、わたしの指が半分埋もれてた。

「あんよはじょうず」

 ともみさんは歌うように囃しながら、容赦なくロープを引いた。
 あけみちゃんは、太腿に腱の筋を走らせながら、懸命に段を上がる。
 そのお尻を、支えながら押し上げると……。
 柔らかい肉が左右に逃げて、尻たぶが開いた。
 お尻の谷間を渡るロープが、剥き出しになった。
 肛門の隠れるあたりは、わずかに色が変わってる。
 わたしは、押し上げるふりをして、わざとお尻を開いた。
 ロープを咥えた陰唇が、真上に覗いた。
 陰唇の周りには、毛が無いの。
 自分で処理してるのか、ともみさんが剃ってるのかわからないけど……。
 恥丘にひとかたまり残ってるだけ。
 肉厚な大陰唇だった。
 赤みを帯びた膨らみは、アケビの実を並べたみたいだった。

「もう一息。
 頑張れあけみ」

 そう言いながらともみさんは、ロープを小刻みに引いた。

「あぁっ。
 ダ、ダメぇぇぇぇぇ」

 あけみちゃんの歩みが止まり、悲鳴が零れた。
 わたしの手の平で、お尻の肉が激しく動いた。
 ロープは、わずかに緩んでは張り詰め……。
 容赦なく陰核を揉み潰してた。

「ほら、もう少し。
 アシスタントさん、しっかり押して」

 ロープを引き絞るともみさんに合わせ、お尻を突きあげる。
 あけみちゃんは、最後の2段を小刻みに駆け上がると、そのまま2階の床に転がった。
 横向きで海老みたいに身体を撓めながら、びくびくと痙攣してた。
 歯を食いしばって虚空を睨み、折りたたんだ両膝を擦り合わせてる。
 ともみさんが、止めを刺すようにロープを引いた。

「あぶ」

 あけみちゃんの瞳は、一瞬にして上目蓋に隠れた。

「あーぁ。
 またイッちゃった。
 ほんっとに、憎たらしいくらい、気持よさそうにイクよね」

 床に転げたあけみちゃんの頭が、ぐらぐらと揺れてた。
 口を零れた涎が、床板を汚してる。

「ちょっと、アシスタントさん。
 あなたもタイヘンなことになってるわよ」

 言われるまでもなかった。
 内腿が冷たかった。
 エッチな液が、膝まで伝い降りてた。

「あなたもイキたい?」

 視界が、上下にぶれた。
 我知らずうなずいてたの。

「そうねー。
 アシスタントには、報酬を払わないといけないわよね。
 じゃぁ……。
 特別サービスを付けましょう。
 立ちオナ権。
 わたしのツルツルまんこを見ながら……。
 ここで立ちオナする権利。
 いいでしょ?」

 そう言うとともみさんは、スカートをたくし上げた。
 人形のような下腹部が、宙に曝された。
 それだけでもう、背中の産毛が怖気立った。
 肛門を締めてないと、うんこが漏れそうだった。

 ともみさんは、バレリーナのように片脚を高く上げた。
 一直線に伸び上がった膝が曲がると、階段柱に足裏が着地した。

「ほら、見える?
 まんこ。
 わたしのって、下向いてるからね。
 じゃ、大サービス。
 開いてあげる」

 ともみさんの両手の甲が、股間で揃った。
 三つ指を着くように並んだ指先が、左右に開く。
 狭間に、肉色の花が咲いた。

第十五話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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