本作品のモデル「岩城あけみ」の緊縛画像作品はこちらからご購入可能です。
学校の帰りだった。
おしっこがしたくなって、公園のトイレに寄ったの。
そこにいたのよ。
変質者が。
今思い返すと、笑っちゃいそうなほど典型的スタイルね。
灰色のレインコート着ててさ。
裾の下から、毛脛が出てた。
で、トイレの入口で、そいつと鉢合わせしたわけ。
入口前には、コンクリートの衝立があって……。
公園からは死角になってるの。
で、その変質者、わたしを見るなり、コートの前を広げたの。
蝙蝠みたいだった。
わたしは、声も出ずに立ちすくんでた。
でも目線は、そいつの股間に釘付けね。
そのころはもう、父親とはお風呂に入ってなかったけど……。
父のあそこのことは、もちろん覚えてた。
でも、それとは、ぜんぜん形が違うのよ。
早い話、勃ってたわけ。
天狗の鼻みたいだった。
『お嬢ちゃん……。
触ってみる?』
そう言われて、初めてわれに返った。
もちろん、後ずさって逃げようとした。
『逃げないで!
何もしないから。
見てるだけでいい。
そこで、そのままで」
男の目は、子供のわたしに縋るようだった。
オトナの人に、そんな目で訴えられたこと無いからさ。
なんか、立ちすくんじゃった。
『いい子だ。
いい子のご褒美に、これから不思議なものを見せてあげるよ。
おじさんのちんちんの先からは、お乳が出るんだ』
そう言って男は、ちんぽ扱き始めたの。
『あぅっ。
で、出る。
もう出る。
出るから……。
嬢ちゃん、もっと近くで見て。
ちんちんから、お乳の出るとこ。
先っぽ見て。
顔近づけて』
そう言って男は、にじり寄ってきた。
逃げようと思ったけど、足が動かなかった。
怖くて固まっちゃったってのもあるけど……。
見たかったんだろうね。
その不思議な魔法を。
わたしが逃げないとわかると、男はわたしの目の前まで近づいた。
『先っぽの穴を見て』
怒張した先端には、黒ぐろと穴が穿たれてた。
まん丸じゃないんだよ。
なんか、鈴に空いてる穴みたいだった。
『出る!』
男の裏返った声と同時に、鬼頭が張り詰めた。
一瞬、わたしの顔が映ったかと思った。
途端、真っ白い液が、鈴穴から噴きだした。
早い話、精液よね。
もろに顔にかかった。
もちろん逃げようとしたけど、男に肩を掴まれてた。
男の指が、肩を握りしめるたびに、先端から精液が噴きあげた。
鼻の穴にも入ってさ、凄い匂いがするのよ。
でも、不思議なことに……。
樹木を思わせるような、植物的な匂いなの。
絵本で読んだ樹の精を思い出したわ。
この人は、森から来た樹の精なんだろうか、なんてね。
男は、わたしが声もあげないことをいいことに……。
尻たぶを絞りあげながら、最後の一滴まで扱き出した。
握りしめた拳の中で、ペニスがみるみる萎んだ。
なんか、花が萎れるみたいだった。
『ありがとう……。
お嬢ちゃん、ありがとう。
こんな気持ちのいい射精は、生まれて初めてだった。
一生分のズリネタももらった。
ほんとにありがとう』
おとなの人から、こんなお礼を言われたのは、もちろん初めてのこと。
男の手が肩を離れたけど、もう逃げる気はなくなってた。
『顔、拭いてあげよう』
男は、コートのポケットからハンカチを出した。
皺のない、綺麗なハンカチだった。
男はハンカチで、丁寧にわたしの顔を拭ってくれた。
ほんとに優しい手つきだったんだよ。
薄い陶器を扱うみたいな。
『よし、綺麗になった。
お嬢ちゃんはね、きっと幸せになる。
こんな優しい子には、幸せになる資格があるんだ。
おじちゃんが、幸せになる魔法を掛けてあげる。
おじちゃんのお乳を、ちょっとだけ耳たぶにつけるんだ。
じっとして……。
柔らかい髪だね。
ほら、着いた。
これで魔法が掛かった。
さ、もう行っていいよ。
でも、今日のことは、誰にも言っちゃダメだよ。
魔法が解けちゃうからね』
男に背中を押され、トイレの衝立を出た。
出た途端、足が走り出してた。
走りだしてから、おしっこしてないことに気づいたけど……。
もう引っこんじゃってた。
ふふ。
この話は、これでおしまい。
改めて思い返すと、やっぱり怖くなって……。
二度とあの公園には行かなかった。
子供のころはさ……。
あの男の人はいい人で、ひょっとしたら樹の精だったかも、なんて思ってたけど……。
大きくなるに従って、さすがにわかってきた。
あの男が、ただの変質者だったってこと。
でもね。
不思議と嫌悪感がないんだ。
それは、たぶん……。
自分の中にも、同じ変質者が棲んでるからだって……。
最近、気づいたのよ。
男に生まれてたら、あの変質者みたいになってたかもね。
そう。
それほど、快感なのよ。
人に性器を見せるのは」
そう言ってともみさんは、腰を突き出した。
両手は、前に回ってる。
ブラウスの両肘が、外に張り出してた。
間違いなくその指先は、おまんこを開いてる……。
想像しただけで、お腹が痛くなっちゃった。
きゅーんと絞られるような感じ。
「どう?
見える?」
あけみちゃんの大きな目は、まっすぐにそこを見ていた。
視線が流星みたいな矢になって、ともみさんの股間に降り注いでる感じだった。
「中まで見える?」
「よく見えない」
「ふふ。
わたしの、ちっちゃいからね。
下向いてるし。
それじゃ、特別大サービスしちゃおうかな」
ともみさんは、いったんスカートを下ろすと、肩越しに振り返った。
慌てて引っこもうとしたけど、ともみさんの目は、わたしじゃなくて下の床を見てた。
「そんなに汚くないよね?
それじゃ、思い切って」
第五話へ続く
文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
—————————————————————-
本作品のモデル「岩城あけみ」の緊縛画像作品はこちらからご購入可能です。